2021.05.25

富士登山でスマートに高山病対策

富士登山でスマートに高山病対策
こんにちは!コピーライター兼登山家の松浦です。
インフルエンザ、ノロウィルス、Oー157そして癌・・・・

あなたの周りにも、もちろん私の周りにも様々な病気は潜んでいます。特に今は真冬!インフルエンザが猛威をふるっていますね。

もちろん、誰もが病気などに絶対にかかりたくないし、可能な限り予防に努めたいと思っているはずです。

そのために帰宅したら手洗い、うがい、適度な睡眠などでしっかりと予防します。
インフルエンザに対しては予防接種という手段もありますよね!あなたは受けましたか?

どんなに身体が丈夫な人でも、毎日身体を鍛えている人でも、やはり病気にはかかってしまうもの。
病気に対してだけは自分の身体を過信せず、気をつけなくちゃいけませんね!

ところで、あなたは高山病を知っていますか?実は、登山をする人だけがかかる病気があって、それが高山病という病気なのです。

ただ、この高山病、病という名がついてるのでウィルスや菌による病気と思われがちですが、そういうものではありません。

高山病の別名を高度障害といい、気圧の変化等で発生する身体への悪影響の総称をいうのです。

頭痛や吐き気、めまい、痙攣などの症状が現れ、重症化すると命に関わります。ただ、ちゃんと予防する方法、手段もあるのです。

今回は、日本の山の中でも最も高山病発生率が高いと言われる富士登山をサンプルにして、高山病、高度障害についてのお話をします。

ちなみに今回の記事は、私の友人が実際に富士登山で高山病にかかってしまったときの様子を文章化したものです。いわばノンフィクションです。

今後あなたが富士登山、もしくはそれ以外の登山に挑戦するとき、この記事を思い出していただければ、あなたの命を救うことにもなるかもしれません。

ぜひお読みください。それではどうぞ!

高山病とは

高山病とは、高地においては気圧が低いことから、血液中の酸素濃度が低くなり、それによって起こってくる体の不調症状です。高度障害とも言います。

富士山頂の標高は3776m。これほど標高が高い場所では、体内の酸素量(動脈の中の酸素の量)は平地の半分になってしまいます。そのため、なにかしらの体調不良なんてあなただけでなく、誰に起こってもおかしくない話です。

だからと言って、怖がることはありません。予防を心がける事で、高山病になる確率を減らしていく努力は出来ますし、症状が出たからといってすぐに登山ができなくなるわけではありません。

また、悪化する前に下山すれば症状は改善しますので、日を改めて再チャレンジすれば良いだけのことです。

高山病の症状

体内に酸素不足が生じると、身体は自動的に換気の回数が多くして適応しようとしますが、これに適応しきれない現象をまとめて高山病と呼んでいます。

まずは脳が一番影響を受けます。
脳細胞は身体の中でも最も大量の酸素を消費する器官であり、低酸素に弱いのです。
具体的には頭痛となって現れます。頭痛は高山病につきものと考えてよいでしょう。

さらに、食欲が無い、吐き気、疲労感・脱力感、めまいやふらつき、睡眠障害、むくみなどが起こってきます。例えば、2500mの標高に急に登った場合、25%の人にこれらの症状が表れるというデータがあります。

しかし、その程度は人によってばらつきがあります。
たとえば風邪を引いている子といっしょに遊んでいても、移る子、移らない子、移ってもすぐ治る子、長引いてしまう子などがいるのと同じような感覚です。
生まれ持った体質が大きく影響すると言えるでしょう。

また、こういうことも大きく影響してきます↓

●何度も富士山や標高の高い山に登って高度順応ができている人とまったくそうでない人
●普段体を動かしている人と、そうでない人
●深い呼吸が出来る人と浅い呼吸だけで生活している人
●睡眠不足の人と、疲れも寝不足も無い状態の人
●食べ物や水を十分に摂れている人と、そうでない人

このように一口に「低酸素」という環境になっても、それによって受ける影響は体のコンディションなどにより違いがでてくるのです。

高山病の予防

高山病の予防をするということは、低酸素に対して体を強くするということです。
低酸素の中でもなるべく体がダメージを受けないようにコンディションを調整していくということです。


|1.体を高度にならす
富士山の登山口(五合目)に到着したら、まず1〜2時間ほど体を高度に慣らします。

ゆっくりとストレッチや深呼吸をして身体をほぐし、体の血流が良くなるようにします。
水分を取ったりランチをしたり軽くウォーキングするなどして時間を使い、ゆっくりと高度に慣らしていきます。

時間にゆとりがあるならば、高山病対策として五合目の山小屋に宿泊することも有効と言われています。


|2.水分をしっかりと補給する
登山中は大量に水分を消費します。脱水状態は血液の循環を悪くさせ、高山病を招きます。

喉が渇いた事を目安に飲むようでは水分不足になる可能性があります。
がぶ飲みせず、こまめに飲むことが重要です。

目安としては、体重1kgあたり1時間に5mlと言われており、体重50kgの人なら1時間に250mlとなります。
登山の出発前にも水分を摂りましょう。


|3.ゆっくりとペースを抑えてのぼる

高山病になりやすい原因の1つはハイペースで登ってしまうことです。
もし体力が有り余っていたとしても、急に高度を上げずに徐々に体を高度に慣らして行くことが大切です。
また体が疲労することそれ自体も、高山病を招き寄せます。
体にムリをさせないように、意識的にペース配分していきましょう。
初心者の人には”ペース配分”といってもピンとこないと思いますので、とにかく”ユックリ”を心がけましょう。
鼻呼吸出来るくらいが理想出来です。グループの場合は一番遅い人を列の2番めに入れ、トップの人がペースを合わせて歩いてあげるとよいでしょう。
また時間がなくなってあわてないよう、ゆとりある登山計画を事前に立てましょう。


|4.深い呼吸を心がける
一口に”呼吸”と言っても「浅い・深い」があります。富士山では深い呼吸を心がけて行っていくことが大切です。

疲れてきて呼吸が浅くなってくると、酸素を多く取り込めず酸素が不足します。
そこで、意識して深い呼吸をするようにします。深い呼吸とは、首や胸の筋肉ではなくて、横隔膜を使った深呼吸です。

具体的には、これ以上は入らないというくらいたくさんの空気をゆっくりと吸います。
2〜3秒息を停めて、今度は口をちいさくすぼめてゆっくりと吐き切ります。

何度か繰り返したら、次に胸を鳩胸のように大きく開きながら、胸や肩周辺の筋肉が伸びているのを感じつつ大きく吸い、次に背中をネコのように丸めながら先ほどと同じくゆっくりと吐き切ります。

背中と首辺りの筋が伸びているのを感じて行って下さい。
特にザックのショルダーベルトの締め付けにより首や肩が凝り固まっていないかどうかも意識して行うと良いでしょう。

このような深呼吸を歩きながら常に行うのではありません。
疲れてくると気づかないうちにハアハアと犬のように息が上がってきてしまいます。

度々立ち止まりながら、景色を見ながらとか、写真を撮るついでとか、休憩の度になど、意識して深呼吸を行い、リセットしていくようなイメージが良いでしょう。



|5.日頃の運動
登山をしてみるとわかると思いますが、登山は町中の坂道や階段を登り続けるよりよっぽど疲れないと思います。
特に駅の階段などは、かなりの段差が継続的に続き、だれでも息切れすると思います。

一方登山はよりゆっくりなスピードで歩きますし、小さな段差や平らな部分で息が整えつつ長時間歩きます。
【あなた】
普段から運動していないし、駅の階段で息切れしてしまう私には富士山なんて登れないだろうな・・・
そんなことは決してありません。登山は、すごい持久力や筋力が無くてもできます。

ただ、トレーニングをして体を作ってから望んだほうがラクなことは間違いないですし、これは高山病の予防に直結します。

例えば、ジョギングなどの長時間にわたる有酸素運動をすることは、心肺機能を改善し最大酸素摂取量を高めることが出来ます。肺を広げてくれる横隔膜も筋肉なので、鍛えていけるのです。

これは低酸素な環境において非常に有効です。
呼吸筋を発達させることは空気の体内への取り込みをよりスムーズにさせます。
心筋の発達は血液の循環を効率的にしてくれます。

このように、心肺機能に対して準備してから登山することは、酸素を上手に取り込んで巡回させる必要がある高山において大きな武器となります。

登山は全身の筋肉を使うので、筋トレなどのように短時間で行う無酸素運動ももちろん効果的です。

・・が、できれば心肺機能改善の意味からもウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳などの有酸素運動をしておくとよいでしょう。


|6.アルコールを控える
テント泊の夜のウィスキーは最高に美味です。しかし、アルコールは呼吸を抑制する作用があり、体内に取り入れられる酸素量がさらに減ってしまうという理由から高山病予防としては避けたほうがよいでしょう。

また、タバコについても血管を収縮させるために酸素の取り込み量を低下させるとの指摘もあります。
控えておいたほうが良さそうです。



|7.高山病を必要以上に気にしない
【あなた】
高山病になってしまったらどうしよう・・・
気持ちはよくわかりますが、なった時はなった時に考えればいいのです。必要以上に気にすると登山も楽しくありませんし、返って高山病になりやすくなってしまいます。

気楽にいきましょう!

高山病の対処方法

登山中に頭痛や吐き気、めまい、息苦しさを感じたら、それ以上は登らず、しばらくはゆっくりと休みましょう。

風を避けた場所を選び、汗が冷えると体を冷やしてしまうので寒さを感じたら、早めにレインウェアで防寒防風します。日差しが強ければ日差しを避けて座ります。

注意点は、横になったり、眠ったりすると悪化することがあるということです。
なぜなら、横たわる姿勢や睡眠状態は両方とも呼吸が浅くなりがちで酸素不足が改善されません。

もちろん睡眠不足ゆえの眠気や疲労ならば、冷えや日焼け対策をした上で横たわって睡眠休憩を取るのもよいでしょう。

ゆっくりと腰を下ろし、水分をとりつつ、深呼吸をしながらストレッチするなどして、身体が酸素をたっぷりと取り込み血流が良くなることをイメージしつつ休みましょう。

もし泊まる予定の山小屋で高山病を感じたら、すぐに布団に入って横になるよりは、荷物を置いたら付近を散策するのがよいでしょう。

酸素ボンベなどを利用すれば、身体が楽になり、一時的に症状が緩和する場合はあります。
登るのも降りるのもしんどいな、と感じたら山小屋で購入し試してみるのも手でしょう。

また、バファリンなどの鎮痛解熱剤(アスピリン、アセトアミノフェンなどの非ステロイド系)を飲んでもOKです。
ただし、鎮”静”鎮痛剤は呼吸抑制作用があるため避けましょう。

症状が改善したら再び登山を開始します。
山頂付近にもなれば、正直なところ、疲労も重なり誰もが元気モリモリというわけではなく、だましだまし登るような側面もあります。

しかし高山病は、下山すれば治る反面、無理すると死に至ることがあることを覚えておきましょう。鎮痛剤で治らない頭痛、嘔吐、運動失調、無気力・眠りがち、無頓着・・・などは危険な症状です。ゆっくり歩き出しても、また休憩しても良くならないようであれば、悪化を避けるために下山しましょう。

高山病に有効との薬について

高山病に有効と言われているものは、いくつかあります。

1つはイチョウの葉エキスで、これに含まれているテルペノイドやフラボノイドが活性酸素を消去する作用、血管を拡張する作用、抗炎症作用があり、これが高山病に効果的と言われています。

アメリカでは、サプリメントとして積極的な接種が勧められているそうです。
ドイツなどではアルツハイマーや抹消血管障害等を改善する医薬品として販売されています。
日本でもサプリメントがいくつも販売されています。

しかし、イチョウの葉にはギンコール酸というアレルゲン物質も含まれています。
ドイツのように医薬品ではない日本のサプリメントにおいては、厳しい基準が無いため、有効成分の量が少ない、有害成分の除去がされていない、ということもあるので注意して購入する必要があります。

同じく血液循環を良くするものとして耳にするのはCMでお馴染みの求心です。
心筋に作用し、心臓機能を高めることことで、脳を含める体内全体への血液の循環を良くすることを目的としています。

他にはダイアモックス(アセタゾラミド)という薬があり、これは脳の呼吸中枢を刺激することで体内に酸素を取りやすくしようとするものです。

海外のトレッキングでは高山病の予防や治療に使ったりしますが、富士登山で使うという話は聞いたことがありません。

これら薬の狙いからも言えることは、富士登山において「深呼吸しましょう」「水分を十分にとりましょう」と口すっぱく言われる理由が分かると思います。

また、酸素ボンベの購入を迷っている人にとっても、これらのメカニズムを知ることは判断材料のひとつになるのではと思います。

その他にも、スポーツする人全般を対象とする、酸素の補給を助けるサプリメント、血液の中で酸素を運ぶ鉄を補うサプリメントなどもたくさん発売されています。

登山の世界ではまだまだ積極的にサプリを活用していこうという流れは少ないように思います。

しかし、健康補助として普段使いしたいと気になっているものをこの機会に試したり、または疲労回復効果のあるゼリーを行動食の一つに加えてみるのも良いと思います。

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