2021.04.09

登山時の服装 アンダーレイヤー編

登山時の服装 アンダーレイヤー編
こんにちは!コピーライター兼登山家の松浦です。
アンダーレイヤーという言葉、あなたは知っていますか?

登山の世界ではよく使われる言葉です。一般的には肌着、下着のことを言います。

女性の場合、下着と言えばブラジャーをイメージするかもしれませんが、アンダーレイヤーはブラジャーの上に着る肌着のことを言います。男性だとそのままシャツですね。

パンツ、靴下、シャツは肌に直接触れるものであり、身につけるものの中でも最も汗を吸い取る衣服であるため、毎日取り替える人が多いと思います。

特に私は結構汗かきな方なので、毎日取り替えます。
お風呂から出た後、洗濯したての綺麗なシャツを着ると、気持ちもスッキリ落ち着きますよね♫

直接肌に触れるものであるからこそ、シャツのようなアンダーレイヤーは衣服の中でも非常に重要です。
きっとあなたにとってもそうですよね!?

実は、このアンダーレイヤーの登山における重要性は、普段の生活の比ではありません。
それこそ、場合によっては命に関わると言っても決して大げさな表現ではありません。

なぜ登山におけるアンダーレイヤーがそれほど重要なのか、そしてどんなアンダーレイヤーを着るべきなのか?

今回はそんな記事です。

それでは、登山時の服装 ーアンダーレイヤー編ー 続きをどうぞ!

最も命に近い登山時の服装

アンダーレイヤーとは・・・
重ね着の中の最もあなたの皮膚に近いポジションの服のことです。
シャツなどの肌着がそれに当たります。

登山におけるアンダーレイヤーは、快適さを左右する極めて大事な要素です。
場合によっては命すら左右されることもあります。

なぜか?

アンダーレイヤーは、人の体温調節機能を直接支配する極めて重要な役割を担うためです。

例えば、あなたが汗をかいてアンダーレイヤーつまり肌着を濡らしたとします。

すると肌着から蒸発しようとするあなたの汗は、周囲つまりあなたからから熱を奪おうとします。

熱を得たあなたの汗は水蒸気となり蒸発します。

汗が水蒸気となって蒸発することで肌着は乾燥することになります。
ところが、汗に熱を奪われたあなたは体温を下げてしまいます。

つまりこういうことです。


汗をかく
  ⇩
肌着が濡れる
  ⇩
熱が必要となる
  ⇩
周囲から熱を奪う
  ⇩
体温を下げる



体温を下げたあなたの体は、あなた自身の体温調節機能により体の内部からエネルギーを使用し、体を温めようとします。

しかし、肌着が乾かず、濡れたままの状態が続くと体温調節機能がうまく働かなくなってしまうのです。するとあなたの体温は低下したまま・・・

この事態があなたの体に何を引き起こすのか!

こちらの記事を思い出してみてください。

あなたの生死を分ける登山時の服装とは?

この記事で私は、登山服の最も重要な機能は、保温性だと言いました。

人間は体温を一定に保つことで、身体の機能をうまく働かすことができる生き物です。
体温が高すぎても低すぎても身体を正常に保つことができず、場合によっては命の危険が伴います。

低すぎる体温は、無駄なエネルギーの消耗により注意力の低下を招き、道迷い、転倒、崖からの転落などの登山事故を引き起こすことになってしまうのです。

最悪の場合、あなたの身体に低体温症という重大な障害を招いてしまうのです!

そんな事態を引き起こさないための極めて重要な役割を果たす服、それがアンダーレイヤーなのです。

登山時の服装を支えるアンダーレイヤーの機能

では、アンダーレイヤーにはどんな機能が必要なのか?
言い換えると、登山服全体の保温性を保つためにアンダーレイヤーに求められる機能は何か?

まずは、吸湿性吸収性です。

この2つは同じ思われがちですが、実は異なる機能なのです。

吸湿性・・水蒸気を効率良く吸収する機能であり、あなたの皮膚から排出される水蒸気状態の汗を素早く吸収し外へ排出。主に冬の登山で必要とされる。
吸水性・・水を素早く吸収する機能であり、主に大量の汗をかく夏の登山で必要とされる機能。

次に速乾性です。


先ほども言いましたように、汗で濡れたままの肌着をいつまでも皮膚に触れさせては体温を奪うことになってしまいます。

そこで極力熱を吸収せずに、アンダーレイヤーの機能だけで水分を排出することができる機能が必要となってくるのです。


まとめると、アンダーレイヤーに求められる機能は、吸湿性・吸水性・速乾性
それぞれの機能が高いアンダーレイヤーこそが優秀なアンダーレイヤーと言えるでしょう。

登山時の服装を支えるアンダーレイヤーの必要枚数

そういった機能を備えたアンダーレイヤーは、登山ショップで簡単に購入できます。

あなたが登りたい時期、つまり季節にマッチしたアンダーレイヤーを店員さんに尋ねましょう。

登山ショップでなくても、ユニクロに行けば速乾性に優れた肌着は安価で購入できます。

もしあなたが、たった一度試しに山に登るだけでわざわざ肌着を買いたくない!というのであれば、
あなたが今持っている肌着を2枚〜3枚リュックに詰めていきましょう。

汗をたっぷり吸収した肌着の速乾性が乏しくても、新しい肌着に着替えることで、
たっぷりと汗を吸い取ってくれる完璧に乾いた肌着になります。



つまり、あなたが普段着てい肌着を数名持っていくことで、吸湿性、吸収性、速乾性を兼ね備えた優秀なアンダーレイヤーを持っていくことと同じ効果を得ることができるのです!

アンダーレイヤーを使った最も効果的な保温方法とは

先ほども言ったように、登山ショップに行けば優秀なアンダーレイヤーがすぐに手に入ります。ユニクロでも安価で高機能なアンダーレイヤーが簡単に手に入ります。

もちろんそれらを手に入れたならば、寒い時期の登山でも暖かく快適に歩くことができます。

しかし、そんな高機能なアンダーレイヤーを着るよりもさらに効果的な保温方法があるのです!

どんな方法か?

それは、アンダーレイヤーの重ね着です。
あなたが普段切るような肌着の上に、さらに同じ肌着をもう1枚着込む!それだけです。

それだけで、登山服全体の保温効果は飛躍的にアップします。
私も雪山登山で試したことがありますが、マイナス10℃の気温の中で暑さすら感じるほどの保温効果を確認することができたのです。

ただ、この方法は今着込んでいる登山服のほとんどを一度脱がなければならないため、結構手間です。

山小屋や避難小屋を利用できる状況にある場合に有効な手段です。
覚えておくといいでしょう!

最後に

ここまで、登山時の服装におけるアンダーレイヤーの重要性について解説してきました。

日本には美しい四季があると言われているように、山は熱帯地域のような真夏から、
ほんの少しの油断で簡単に凍死してしまう極寒の真冬まで様々な顔を見せます。

もちろん登山時の装備や服装も大きく異なります。

そんな中で1年を通じて変わらないものの1つ、それがアンダーレイヤーの重要性なのです。
ここまで解説してきたように、季節に応じてアンダーレイヤーの知識をしっかり身につけて、
準備した上で山に登っていただきたいと思います。

アンダーレイヤーがしっかりしていれば、あなたの登山は最高に快適です!!
お約束します。

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