2021.07.26

ガイドとして経験した史上最高の登山

ガイドとして経験した史上最高の登山
こんにちは!登山家の松浦です。
この記事では、私が担当したあるガイド登山について書いてみようと思います。ガイドしたのは2人の女性。あるビジネスセミナーに参加した時に、同じチームでともにビジネスを学んだ方々です。

お2人の名前は”カトリーナ”と”ナウシカ”。海外の方ではありません。ビジネスセミナーでのニックネームです。ちなみに私は”マッチャン”と名乗っていました。

登山の楽しみ方は人ぞれぞれ。山頂に到着して大成功!と言う人もいれば、山でお湯を沸かしてカップラーメンをすすって最高!と言う人もいます。中にはあえて雨が降る中の登山を楽しむ人だっているのです。

ただ、今回私が経験したガイド登山は、どんな趣味趣向の人にも「羨ましい!」と言わせる自信がある、まさに万人が認める最高の登山でした。

これほど最高の登山を経験してしまっては、以後の登山の楽しみが半減しまうのでは?と思うほどでした。しかし、どんな最高の思い出であっても人の記憶は薄れ、そして忘れ去られてしまうもの。

今後これほど最高のガイド登山を経験できるかどうかはわかりません。だから、せめて今回のガイド登山の記憶が鮮明なうちに文章に残しておきたい!そしていつか今回のガイド登山を超えるガイド登山を経験してみたい!

そんな思いと願いを込めてこの記事を書きます。今回の記事はきっと、あなたが登山を始めるきっかけになるはずです。

登山ガイド前の待ち合わせ

とある土曜日の朝、時刻は8時。私は滋賀県のJR湖西線和邇駅にいます。

天候は晴れ。空には多少の雲がかかっているようですが、それもはるか上空の雲。雨を降らす要素はありません。

なぜ私がこの和邇駅にいるのかと言うと、登山ガイドのためです。今日は”カトリーナ”と”ナウシカ”の仲良し女性コンビを山に案内しようとしているのです。

待ち合わせ時刻は8時30分。少々早く到着しました。私は人と待ち合わせをする場合、必ず設定時刻の15分〜30分早く到着するようにしています。

早めに着いて気持ちを整えようという意味もありますが、何よりも私は人を待たせることに異常なストレスを感じてしまうのです。

普段、ほとんどストレスを感じずに楽しく面白く仕事をしている私ですが、例えば、待ち合わせの時間に遅れそうになって駅から走らなくてはならないという時、精神的・肉体的疲労は頂点に達します。

人と待ち合わせて、今から共に何かをしよう、どこかに行こうとしているにも関わらず、いきなり疲労がピークに達してしまうわけです。

相手方をを待たせることへの申し訳なさが、このストレスの原因になっているとは思います。ただ、そうでなくともやはり心にいつもゆとりは持っておきたいもの。

ということで、私は8時30分という待ち合わせの時刻よりも30分早い8時に、和邇駅のベンチに座っているというわけです。

これから一緒に山に登る”カトリーナ”と”ナウシカ”はお2人とも登山は初心者であり、お2人に背負っていただく荷物はご近所散歩程度のもの。これです↓
"
・飲み水500ml程度
・割れにくいコップ
・汗拭きタオル
・スマホ、財布などの貴重品
・それらを入れる小さなザックもしくは両手が空くバッグ"


一方私は、登山で必要な物資、食料、水などを3人分準備、それらをパンパンになるまで詰め込んだザックはなんと80Lサイズです!重量は約20kg!

20kgザックはまあまあの重量ですが、ザックの中には今回の登山を100%楽しむためのものがこれでもかと詰め込まれています。

お2人の喜ぶ姿を想像すると、ザックの重さも快感ですね!

そうこうしているうちに、まずカトリーナが到着。先にベンチに座っていた私をみて、素敵な笑顔で手を振ってくれます。
[カトリーナ]
いよいよですねっ!すっごく楽しみ♫

登山初心者だと服装を間違ってしまうことがありますが、カトリーナの服装は完璧な登山スタイル!登山でなくとも、アウトドアスタイルというものをよくご存知のようです。

しばらくカトリーナとベンチで雑談していると、ナウシカが到着。
[ナウシカ]
お待たせ〜♫

ナウシカも登山は初心者と聞いていましたが、服装は完璧!なんの文句もないスタイルで、ガイドする身としても嬉しい限りです。

こうして待ち合わせ時間の8時30分を待つまでもなく3名が揃い、ここから楽しい登山が始まります♫
西野さん
今回の主催者。ネットビジネス、特にコピーライターとして一言では言い表せないほどの実績を持つ私のメンター。
住吉さん
広島在住の3人の子を持つ母。弥山登山の経験者。
岩永さん
名古屋在住。背が高くスリムなモデル体型の男性。登山未経験者。
松浦
コピーライター兼登山家。当ブログの管理者。
初めまして!と、軽く挨拶をすませ、一路フェリー乗り場へ。宮島は離島なので、フェリーに乗る必要があります。

4人それぞれ切符を購入しフェリーへと乗り込むと、まずその人の多さにビックリです。こちらをご覧ください↓
これは、宮島全体を描いたガイドマップですが、数々の名物商店や土産物屋、宿泊施設が並び、一大観光地の様相を呈していています。また、宮島には厳島というもう1つの名称があり、その名を冠した厳島神社は、松島・天の橋立と並ぶ日本三景の1つに数えられます。

そんな宮島は「せっかくの休みだからちょっと外出しようか」という人にはピッタリの観光地なわけですね。
そんな観光地である宮島、外国人旅行客の数には圧倒されます。土産物も外国人向けのものが見受けられます。

例えばこれ↓
日本人はまず買わないだろうな・・と思われる日の丸と「日本」のコラボTシャツ。店主の商売センスに脱帽です 笑
私と小説「神々の山嶺」との出会いは、原作者である夢枕獏を経由したものでした。と言っても別に原作者に直接お会いできたわけではありません。

約10年前、当時ビジネスマン向けに発行していた月刊誌「KING」で、夢枕獏氏は自身の旅行記の連載を持っていました。わずか2〜3ページの短い連載ページでしたが、その文章は知性に溢れ、ユーモアセンスに富み、人を惹きつけるに十分な魅力を持ったものでした。

[わたし]
なんでもいい!この人の著書を読んでみたい!


そんな強烈な願望を持ち、すぐにyahooで夢枕獏氏の著書を調べてみました。数々の小説タイトルがヒットしましたが、ジャンルに偏りはなく、オカルト、SF、時代物、格闘技と多岐に渡っていました。

そんな中で一際私の目を引いた小説が「神々の山嶺」だったのです。夢枕獏氏の代表作ともいうべき作品とあり、何よりも私自身が登山にのめり込み始めた頃だったということもありました。

数日後の仕事帰りに、大阪は梅田の大型書店「紀伊国屋」へと立ち寄り小説コーナーを物色するとすぐに発見、分厚い単行本の「神々の山嶺」が上下巻に別れて陳列されていたのです。

1ミリも迷いことなく、ただちに上下巻を手にしてレジへと走り、ウキウキ気分で帰路につきました。

その日はちょうど金曜日。再び出勤する日までの2日間、私は「神々の山嶺」の世界に没頭することとなったのでした。

登山ガイドルートの紹介

さて、今回の登山ルートを紹介しておきましょう。
①JR湖西線和邇駅をスタート!そこからタクシーに乗って登山口へ。
②登山口から約2時間半〜3時間登りの後、権現山山頂(ピーク1)に到着。
③権現山山頂で昼食。
④権現山山頂からホッケ山(ピーク2)に向かって稜線を北へ約30分歩きます。
⑤ホッケ山から蓬莱山(ピーク3)に向かって稜線を約1時間歩きますが、途中、小女郎ヶ池に立ち寄ります。
⑥蓬莱山から打見山(ピーク4)までリフトで移動、そこからロープウェイで一気に下山します。
⑦バスで志賀駅へ。そこでゴールです!
救急救命法は、講習会などに参加して実地に習得するのが早道です。代表的な講習会に、日本赤十字社の全国の支部で実施している救急法講習会があります。日常生活や社会的な災害時にも役に立つ知識です。
以前、山に”似合う”車ということで記事を書いたことがありました。

「山に”似合う”車とは?雰囲気重視の車選び」

登山をするために「便利な」ということではなく、山に合う車は何か?ということで
私がシェアした車がミニクーパーでした。

街乗りのイメージが強い車ですが、実はかつてラリーで優秀な成績を収めたこともある
悪路にも強い、とてもパワフルな車なのです。

しかも、小さいボディーにも拘らず内装は広く、登山で使う程度の荷物ならば楽々入ります。
さすがに車中泊はちょっと辛いのですが、それは外にテントを張って解決!

まるで自分の相棒のような、親友のようなミニクーパーが最も山に似合う車と思っています。

登山ガイド1 和邇駅からタクシーで

さて、ここ和邇駅から登山口に向かうのですが、和邇駅から登山口までは歩くと1時間以上かかってしまいます。今回の目的は登山。一般道を1時間もかけて歩く意味はありません。

そこで、登山口まではタクシーで向かいます。

歩くと1時間以上かかる道のりもタクシーだと約5分。ここでかなりの時間短縮が可能です。
ここでタクシーを降りました。真正面に木々に囲まれた登山道が見えます。いよいよここから歩行開始です!
紅葉谷コース
約700本もの紅葉やカエデを見ることができる紅葉谷公園を通るコースです。紅葉の季節には、素晴らしい景色を見ることができます。
大聖院コース
霊峰・弥山のふもとにある真言宗御室派の大本山である大聖院。宮島で最も歴史の古い寺院です。弘法大師空海が弥山を開基して以来1200年の歴史を持ち、皇室との関係も深いお寺でもあります。ここでの参拝を兼ねたコースです。
大元コース
桜の名所として知られ、厳島神社より古い歴史ある神社です。柿(かわら)葺屋根は日本で最も古いと言われ、現存する唯一のものです。ここでの参拝を兼ねたコースです。
今回の登山は、神社や寺院での参拝をメインにしたものであるので、選ぶコースは大聖院コース。

厳島神社を後にして、約5分歩くと大聖院に到着です。大聖院は概ね登山コースのスタート地点に位置します。
門の左右には大迫力の仁王像がお出迎え。いや、お出迎えと言うよりも「この聖域を汚す奴は許さん!」と、恐ろしく気合いの入った雰囲気です。この大聖院が歴史上いかに重要な寺院かということを物語っているかのようです。身の引き締まる思いで一礼して門をくぐると、その先には長い石階段がそびえ立っています。

石階段の左側をふと見下ろすと、そこには無数のお地蔵様が並んでいました。山ではところどころにお地蔵様が祀られていることはよくありますが、これだけ無数に並んでいるところは初めてみました。
しかもよくよく見ると、単なる石像ではなく、1体1体全て違う表情をしています。魂が込められたお地蔵様を具現化した姿のようにも見えて非常に興味深いものでした。

お地蔵様を横目にさらに階段を上がると、左手に釣り鐘がありました。どうやら誰でも自由に突いてもいいようです。
4人で順番に突くこととなり、それぞれ鐘突きに挑戦!鐘突き棒(撞木という)から垂れる縄を後ろに引き、振り子の原理に自身の力を加えて勢いよく釣り鐘を叩く!

ゴ〜〜〜ン・・・

独特の音色が辺り一面に響き、周囲の山々へと吸収されていきます。心なしか私の脳みそにまで音色が吸収されたかのような錯覚を覚えました。いい音色でした・・・

釣り鐘を後にし、さらに階段を上がると、大聖院の本堂である摩尼殿に到着です。

本殿の中は非常に荘厳で近寄りがたい雰囲気がありましたが、本殿手前の広場は、仏具などの露天商があり、聖と俗がいい感じに融合している様子で非常に居心地の良い空間でした。

大聖院でゆっくりと休憩をとり、階段を下りていよいよ本格的な登山開始です。おっと、その前に大聖院からの風景を一眼レフに納めたので、ご紹介します。遥か遠くまで見渡せて素晴らしい風景でした。

登山ガイド2 権現山山頂へ

登山前に伝えるたった2つの最重要事項
登山開始前に、私はカトリーナとナウシカに2つのことをお伝えしました。

トレッキングポールを両手に持って歩くこと
歩幅をいつもの半分にして歩くこと
まずカトリーナとナウシカには、事前に私が準備していたトレッキングポールを2本ずつ持っていただきました。

トレッキングポールを使うことで、歩行時の脚の負担は驚くほど軽減される!

最近では平地でのウォーキングでも使われることがあるので、よく知られていることです。しかし、実際に使ってみると、その絶大な効果にお2人ともかなり驚いた様子。

それ以降、下山するまでお2人ともトレッキングポールを使っての登山となったのでした。

街中をウィンドゥショッピングをする時の歩き方と、登山道の歩き方は大きく異なります。

かといって、登山初心者であるお2人に登山道の歩き方を特訓することもできませんし、そんな時間もありません。そもそもきっとお2人はそんなことは求めていないはずです。

かといって、間違った歩き方でハァハァゼィゼィ言いながら必死になって登山しても楽しくありません。

そんなわけで私は、お2人に登山道を登る時の歩幅はいつもの半分とすることをお伝えしました。歩幅を半分にしてチョロチョロと歩くこと、たったそれだけのことで体への負担も半分、いやそれ以下になります。

登山の楽しみは、雄大な自然の中に身をおきながら、山からの壮大な風景を楽しむこと、そして木々や登山道の脇に咲く花を愛でることにあります。

体力にも気持ちにも余裕があってこそ、そんな登山の楽しみを満喫できるのです。

鋭い感性のカトリーナ
傾斜がきつく、石あり岩あり倒木ありの登山道ですが、まるで美しいBGMのような小鳥のさえずりや風の音の中をゆっくりと、しかし確実に歩を進めるカトリーナとナウシカ、そして私。

疲れを極限まで抑制するチョロチョロ歩きとトレッキングポールのおかげで、息切れすることなく3人で談笑しながら頂上を目指します。

私はお2人を安全に頂上へ導こうと、登山道の危険に目を光らせながら歩いていました。

そんな中カトリーナが突然立ち止まり、登山道の脇をジーっと見つめています。

何事かと思いカトリーナが見つめる先に目をやると・・・なんとも小さな可愛らしい花が咲いています。
[カトリーナ]
まあ!可愛い♫

普段登山道を歩いていても登山道の脇に咲く小さな花などに全く目もくれない、それどころか気づきもしない私ですが、よくよく見てみると小さいながらも堂々と咲き誇る姿がなんとも微笑ましい!

そんな山の新たな一面に気づかせてくれた、鋭い感性のカトリーナに感謝です!

最初の休憩ポイント
そうして登山道の脇道を存分に楽しみながら、歩くこと約30分。傾斜が続く登山道の中でも貴重なフラットな場所に到着しました。まるで階段途中の踊り場のようですが、ここが最初の休憩ポイントです。

ハァハァと軽く息切れしながらあたりを見回すと、ただフラットなだけの場所ではありません。斜面は見渡す限り木々で覆われているにもかかわらず、ここだけ木々もなく、心身ともにゆっくりとできる広場になっているのです。

広場の端には、まるで公園のベンチのような座り心地の良さそうな丸太が設置されています。

さっそくここに3人で座り、それぞれザックの中から水筒を取り出し、水を1口飲んでホッと一息。

ここまで険しく急な山道を登ってきたのですから当然体力は消耗しているはずですが、カトリーナもナウシカも全く疲れた様子がなく、むしろ登山前よりも元気なくらいです!

そんなお2人。ここまで登ったんだから素晴らしい絶景を楽しめるだろうと当たりを見回しますが、目に入るのは生い茂った木々ばかり。

残念ながら、ここは山の中腹です。身体を休めるには絶好の広場ですが、背の高い木々に囲まれているため絶景を楽しむことはできません。絶景はもう少し上までおあずけですね。

それでもここまで登ってきたというちょっとした達成感もあり、カトリーナもナウシカも実に元気!お互いの身の上話にも花が咲きます!

とはいえ、頂上まではまだ時間がかかります。話が一段落したところで、さあ!行きましょう!と声をかけ、再び歩き出します。

疲れた私たちに声援を送る鳥
ここからの登山道は、これまでと比較するとやや急で、道幅も極端に狭くなります。そのため先頭が私、真ん中がナウシカ、後ろがカトリーナという一列並びで登ることにしました。

登れば登るほど険しさを増す登山道。でもその分自然も豊かで、より強い自然エネルギーを肌で感じることができます。

ただナウシカとカトリーナの様子を見ると、明らかに先ほどよりも口数が減っている様子。さすがにキツいようです。

焦らずゆっくり登りましょう!と声をかけようとした、ちょうどそのときだったと思います。鳥の鳴き声が聞こえてきたのです。

もちろんここは山の中。鳥の鳴き声など珍しくもなんともありません。ピー、ヒョロロロゥ、クーックーッ、カァー・・・鳴き声の種類を上げればキリがありません。

ところがその時の鳴き声は、モウスコシ モウスコシと聞こえるのです!

それに最初に気づいたのはナウシカでした。
[ナウシカ]
ん?なんかモウスコシって言ってない?

もちろん鳥が人の言葉を話すはずがありませんし、鳥の鳴き声がたまたまそう聞こえるだけだということはわかっています。

しかし、その時の私たちにはまるで鳥が「もう少しだからがんばれ!」と応援してくれているかのように思えたのです。
[カトリーナ]
なんだか私たちを応援してくれているみたいね♫

[わたし]
フフフ 本当ですね♫

山は人の想像を超える世界、そんなこともあります。3人で笑っていると、なんだかカトリーナもナウシカも元気を取り戻したかのように見えたのでした。

山の美しい青空に気づいた私
さて、あなたは青空を心の底から美しいと思ったことはありますか?別に深い意味はありません。質問そのままの意味です。

恥ずかしながら、私はありませんでした。
[わたし]
空が青いのは当たり前。

そんな風に考えていました。

しかしこの日を境に、私は雲1つない突き抜けるような青空を「美しい」と感じることができるようになったのです。

それに気づかせてくれたのはカトリーナでした。
[カトリーナ]
ウワー!空の青さが本当に綺麗ねっ♫

見上げると確かに雲1つない青空が広がっています。綺麗な青色であることはわかりますが、私にとってそれは特に珍しいことではありませんでした。

なぜなら、私が類い稀な「晴れ男」だからです。

晴れ男?

"
行く先々の天気が決まって晴れになると(冗談めかして)言われる男性のこと。

同種の晴れ気質を備えたような女性は「晴れ女」と呼ばれる。

行く先々がたいてい雨天になると言われる男は「雨男」と呼ばれる。(Weblio辞書より)"


もちろん根拠はありません。普通に考えれば、1人の人間が気象状況に及ぼす影響など皆無と言っていいでしょう。

ただ、どういうわけか私が行くところは晴れることが本当に多いのです。雨の予報にもかかわらず晴れることもあるくらいです。

私の長年の登山歴の中でも、レインウェアを着用したことは両手で数えるほどしかありません。山は天候が変化しやすいと言われるにもかかわらずです。

雨の予報すら晴天に変えてしまうほどの晴れ男!!

登山ガイドとしてそんな才能を持つ私なので青い空など珍しくもなんともないのですが、改めてじっくりと雲ひとつない青空を眺めてみると、生まれたばかりの葉の鮮やかな緑と美しい青空のコンビネーションはもはや芸術です!

登山暦10年以上の私が、まさかここで青空の美しさに心を奪われてしまうなんて夢にも思いませんでした・・・

それに気づかせてくれたカトリーナに心の底から感謝です!!

さて、険しい登山道もいよいよ終盤です。登山道は相変わらず急坂ですが、周辺の木々の種類に変化が見受けられます。

高山で自生する種類のものが目立つようになってきたのです。
高山で自生する木々や草花の特徴は、比較的背の低いものが多いということです。あくまでも私の持論、経験則ですが。
[わたし]
さあ!あとすこしですよ!

ナウシカとカトリーナを励まそうと声をかけると、お2人とももはや声を出す余裕が無いようです。でも、その表情は本当に満たされ、元気一杯!といった様子。

これならば頂上までしっかりとついて来てくれる!と確信し、安心して頂上へと向かって歩を進める私。

やがて、青空と山の境界線がすぐ間近に見えてきました。そう!権現山の頂上です。私が登山前にお伝えした通りに歩幅を小さくしてゆっくりゆっくり、でも確実に頂上へと進むお2人を見守り、噛みしめるように歩きます。

そうしてついに!権現山頂上へと到着したのでした。もちろん、ナウシカもカトリーナも無事に到着!心地よい疲労感と最高の達成感、そして最高の笑顔を私に見せてくれたのでした。
固形タイプ

つまり、基本的には液体タイプを使用し、チョークバッグにはカットした固形タイプのチョークを入れておきます。

そうすることで、粉末の飛散を最小限に抑えることができ、しかもより適量のチョークを手につけることができるようになるのです。

また、固形タイプのチョークは比較的安価であるため、経済的にも優れたセットです。

登山ガイド3 絶品山料理

私の登山ガイドの目玉は、何と言っても絶品山料理!自分で絶品と言ってもなんら罪悪感を覚えないほど、山ではどんなものでも美味しく感じてしまいます。

本日のメニューはこんな感じです↓

"フルーツポンチ
カルボナーラ
五目ごはん
バターコーヒー/バターティー
"


良く言えば和洋折衷、悪く言えばデタラメなラインナップですが、これでも山の頂上からの絶景を眺めながら食べると通常の何十倍も美味しく感じます。

ザックを下ろした私は真っ先に、折りたたみ椅子を2つザックから取り出します。まずはカトリーナとナウシカに座ってもらい、酷使した脚を休めていただきます。

その間に私はミニテーブル、登山用ガスストーブ、コッヘル、コップ、ミネラルウォーター、サイダー等を取り出し、前菜の準備をします。

ミニテーブルにコップを2つ並べ、事前にカットしておいたリンゴ、キウイ、オレンジを投入します。そこにサイダーを並々と注いでフルーツポンチの完成!
お2人にフルーツポンチを味わっていただいている間に、私はパスタを茹でます。
しっかりと茹で上がったところで湯を切り、カルボナーラソースを投入!弱火で温めながらパスタとソースをじっくりと絡めます。しっかりと絡まったところで2品目のカルボナーラの完成!
3品目の五目ごはんは山用のフリーズドライ食品です。お湯を注ぐだけで完成!
4品目はバターコーヒー/バターティーです。
バターコーヒーについてはこちらをご覧ください

登山家もダイエッターも大絶賛 グラスフェッドバターで作ったコーヒーとは
[ナウシカ]
すごく美味しかった!!

[カトリーナ]
まさか山頂でこんな料理を味わえるなんて!もう最高!

自分が料理したものを「美味しい」と言ってもらえると、なんだか自分が高級料理店のシェフになったような気がして本当に嬉しいものです。

うっかり自分の分を作ることを忘れてしまった!!にもかかわらず、そんな喜びに浸ったのでした 笑

登山ガイド4 権現山頂上からホッケ山頂上へ

さて、権現山登頂を果たした、山頂で絶品山料理も食べた、あとは下山するだけ!と言いたいところですが、ここまでまだ全体の行程の半分です。

ここからホッケ山、蓬莱山の山頂を通り、ゴール地点の打見山山頂のロープウェイまで楽しい登山は続くのです。

さてホッケ山。権現山の北側に位置する山です。権現山の標高が997mであるのに対して、ホッケ山の標高は1050m。堂々たる1000m級の山です。

しかしホッケ山は、山頂を目指すぞ!と登頂の対象となることはまずありません。なぜなら、南北を権現山と蓬莱山に挟まれ、東西は木々が生い茂っているため、ホッケ山単独の登山ルートが存在しないのです。従ってホッケ山は、縦走ルートの中継ポイントとしての役割を果たすことがほとんどです。

ただ、権現山山頂とホッケ山山頂を結ぶ稜線の風景はとても美しく、歩く者を存分に楽しませてくれます。

また、進行方向右にはまるで太平洋のように、眼下に大きく広がる琵琶湖。北と南に大きく広がる琵琶湖は、1000m上空から見渡しても北端は水平線の遥か先、全貌を視界に捉えることはできません。日本一大きな湖と言われる所以です。

カトリーナとナウシカは、先ほどよりもずっと口数が少なくなっています。さすがにここまで歩くと疲れて話す余裕がない?いいえ、違います。

お2人の表情に疲れは出ていません。むしろ、足取りも軽くなっているようです。

権現山登頂までは、ひたすら傾斜のキツい登り坂。周りを見渡しても、木々が生い茂るばかり。それだけに登頂を果たしたときの達成感は格別なものがありました。

しかし今はどうか?登山道は幅こそ狭いが、傾斜は緩く比較的整備され歩きやすい。そして眼下に広がる広大な琵琶湖。きっと、カトリーナもナウシカもあまりに美しい景色を目の当たりにして感動のあまり胸がいっぱいになっているのではないかと思うのです。

登山には感動を味わう側面もある!!

登頂の達成感ばかりに気持ちが行きがちな登山ですが、そんな側面もあると改めて気づかされました。

そうして稜線を歩くこと約30分、私たちはホッケ山山頂に到着したのでした。

登山ガイド5 ホッケ山頂上から蓬莱山頂上へ

ザックを下ろし周囲を見渡すと、ホッケ山山頂は比較的荒涼としています。石と岩ばかりが目立ち、あとはわずかに草が自生するばかり。

ただ、それだけに絶景を遮るものはほとんどありません。東をみれば広大な琵琶湖、西をみれば比良山系の山々が連なる大自然の絶景を眺めることができます。

ここで5分ほど絶景を堪能し、水筒の水をクイッと一飲みして再びザックを背負ったのでした。

悲哀伝説の小女郎ヶ池
さて、ホッケ山頂上から北へやや下ると進行方向左側に池が見えます。とても小さな池ですが、そこは、1000m級の山々が連なる比良山系、いや滋賀県全体でも最も標高の高い場所に位置する池、その名を小女郎ヶ池と言います。
[あなた]
ちょっと寄り道になりますが、行ってみますか?

[ナウシカ]
うん!行こう!

決断力が素晴らしいナウシカの一言で、小女郎ヶ池に立ち寄ることにしました。
この小女郎ヶ池、古来よりある夫婦の悲哀伝説が存在するのですが、私がこの池を始めて見たときに不思議に感じたことがあります。

それは極めて閉鎖的な環境であるにもかかわらず、富栄養化が進んでいないことです。

富栄養化?

"湖沼、内海、内湾などの閉鎖性水域では生活排水、工場排水、農業肥料などが流入し、窒素、リンなどが増加する。日光を受けて藻類や植物プランクトンなどの水生植物が増殖し、これが枯死・腐敗して窒素、リンを水中に放出する。赤潮、アオコなどは、こうした富栄養化で起きる。2004年度の環境基準(BODまたはCOD)の達成率は、河川89.8%、海域75.5%、湖沼50.9%。琵琶湖、霞ケ浦、諏訪湖など代表的な湖沼で未達成。(知恵蔵より)"

つまり、魚やプランクトンの栄養源となるものが、消化しきれないほど大量に存在することによって生じる池の汚染を言います。

もちろん小女郎ヶ池に生活排水や工場排水が流れ込むことはありえませんが、それでも閉鎖された水域では富栄養化が進みやすいと言われます。

ところが小女郎ヶ池には魚やプランクトンが生息しているにもかかわらず、池の水は極めて透明です。もし真夏にここを訪れたら、ここで泳ぎたい衝動に駆られることでしょう。

おそらく自然な見た目を保ちつつ人の手による管理がなされているか、雪解け水や雨水の流入と地下水としての流出がバランスよく行われているのか、あるいは悲哀伝説の主人公である女性の神秘的な力によるものなのかもしれません。
小女郎ヶ池に立ち寄ってから本来のルートに戻った私たちは再び稜線の歩行を再開、蓬莱山頂上を目指します。

昼食や休憩を挟んではいるものの、ここまで歩きっぱなしのカトリーナとナウシカの表情にも若干の疲れが見え始めたようです。

お2人とも足取りはとてもしっかりしているものの、立ち止まって「フーゥッ」と一息つく回数が増えてきたのです。

そこで私は歩行速度をさらに抑え、小休止の回数を増やして、カトリーナとナウシカの体力の回復させつつ、疲れを出来るだけ軽減させるように努めました。

そうして歩くこと約1時間、ついに目の前に蓬莱山の山頂が見えてきたのでした。

登山ガイド6 テーマパークと化した蓬莱山頂上

蓬莱山。もちろん比良山系の一角を成す堂々たる1000m級の山ですが、そこはもう1つの顔を持ちます。

もう1つの顔。それは、びわ湖バレイという観光スポットです。

あともう1つの坂を登りきれば蓬莱山頂上に到着という場面、ようやく登り切って私たちが山の上で見たものは、登山中とは思えないほどの軽装の人々、そして多くの人工物でした。

蓬莱山に限らず、1つの山には多くの登山ルートが存在します。険しいが歩行だけで登ることができるルート、岩登りの技術を要するルート、川の流れに逆らうようにして登るルートなどなど・・・

しかし、蓬莱山にはありとあらゆる登山ルートの中でも最も簡単で、最も早く登ることができるルートが存在するのです。そのルートで登るならば、ザックも登山靴もトレッキングポールも必要ありません。

男性はジーパンとスニーカー、女性はスカートやハイヒールでも登ることができるのです。

そのルートとは・・・そう!ロープウェイです。

蓬莱山、打見山の斜面の一部は、びわ湖バレイという会社の所有となっており、冬にはスキー場、春夏秋には今回のようにレジャースポットとなり多くの人々で賑わいます。

権現山登山口から歩き続け蓬莱山山頂までたどり着いた我々は、何物にも代えがたい大いなる達成感と程よく心地よい筋肉疲労を手に入れました。

ここで今回の歩行を完結することこそが最もふさわしい。カトリーナとナウシカそして私の意見が一致し、蓬莱山頂上を今回のガイド登山のゴールとしたのでした。

後日談

登山完了した後リフトとロープウェイで一気に下山し、無事それぞれの家に帰宅した私たち。

なんのトラブルもなく、何よりもカトリーナとナウシカをJR湖西線志賀駅のホームまで送ることができたことが、登山ガイドとしての何よりの喜びです。

後日、カトリーナからメールをもらいました。

そこには、今回の登山の日がカトリーナにとって天国に一番近い日であったこと、突き抜けるような青空の中山に登ることができて人生の楽しみを見つけることができたこと、そして魂が解放される1日であったことが書かれており、登山ガイドとして涙が出るほどの喜びを感じることが出来たのです!

また、ナウシカからもお礼のメッセージと、山で撮った多くの画像と私が昼食を作っている所の動画も送っていただきました!自分自身の動画を自分で見るという経験が全くなかった私にはなんとも恥ずかしいものでしたが、最高の思い出となりました!

これを読んでいるあなたが、今回の私たちの登山をどのように感じられたかはわかりませんし、登山の目的や楽しみ方は人それぞれです。しかしそれでも今回の登山は、全く非の打ちどころのない万人が認める最高の登山であると確信しています。

今回の記事を読んで、もしあなたがこんな登山をしてみたいと思ってもらえたのであればこれほど嬉しいことはありません。

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