2021.06.28

登山風景のカメラ撮影 至高のテクニック 第三巻

登山風景のカメラ撮影 至高のテクニック 第三巻
こんにちは!コピーライター兼登山家の松浦です。

登山風景のカメラ撮影技術、今回のテーマはこの3つです。

・主役表現方法
・想像力利用方法
・水平線と地平線


これらの技術はカメラの機能ではなく、いかにして美しく景色をカメラに収めるか、つまりあなたのセンスが問われる技術です。

金があれば、高級機種を買うことはできます。しかし、高級機種でなくとも、この3つの技術を身につければ、人の感情を動かす写真を撮ることができるのです!

逆に言えば、いくら高級機種を使っていても、この3つの技術が身についていなければ、人の感情を動かす写真を撮ることはできません。

登山風景のカメラ撮影で欠かせない3つの技術、是非とも身につけていただきたいと思います!

登山風景のカメラ撮影技術7 主役表現方法

想像してみてください。

"あなたは今、登山道を頂上に向かって歩いているところです。

左右のどちらを見ても鬱蒼とした森林で、ここからでは山の壮大な景色も見ることができません。

そんな登山道をしばらく歩くと、真正面に何やら開けた感じの広場が見えてきました。

「よし!あそこにたどり着いたら一息入れよう。」

先ほどの休憩から2時間歩いていたあなたは、その広場で休憩することにしました。

さあ、もう少し!と歩くあなたは、ようやくその広場にたどり着き、その広場を一目見てハッと息を飲みました。

「一体なんなんだ、ここは?」

そこには見渡す限りの大平原が広がっており、そのど真ん中に満開に花を咲かせた桜の木が1本だけポツンとしかし悠然と立っていたのです・・・"

・・・と仮に、あなたがそんな情景に巡り合ったとします。

もちろん、登山道の途中で見渡す限りの大平原など、私もお目にかかったことはありませんが 笑

でも、大平原のど真ん中に1本の満開の花を咲かせた桜・・・
どこか詩的でそして想像しただけで美しいですよね!

私でなくても誰でも、そんな風景を見たら写真に収めたくなりますよね?

で、ここであなたに質問です。

あなたはそんな桜の木をどのようにカメラに収めますか?

以前の私ならば、おそらく画面いっぱいに桜の木が入るように撮ったと思います。

あなたももしかしたらそうかもしれません。


[あなた]
桜の木が画面の主役なんだから、当然画面のど真ん中にフレームいっぱいにドーンと!



いいですね!桜の木の美しさが表現され、そして迫力のある写真になりそうです!

でも、別の見方をして見ると、大平原の中に1本だけポツンと取り残された桜の木という見方もあります。

本来は、他の仲間とともに華やかに優雅に咲くはずだった桜の木。何かしらの事情でこの大平原に一本だけ取り残されてしまった。それでも仲間を想い、毎年美しい花を咲かす・・・

桜の木の美しさと同時に、儚さや切なさも表現できそうですよね。
こんな風に↓
画面の主役は桜の木ですが、あえてその主役を小さく撮るのです。この写真では、桜の木を右端に配置し、左側にはあえて大きなスペースを持たせました。

すると、仲間とはぐれてたった一本だけポツンと取り残された美しい桜の木の中にも儚さや切なさ、さらには孤独や寂しさすら表現することが可能になるのです。

残念ながら、この写真しかありませんでしたが、これよりももっと小さく引きで撮ると良かったかもしれませんね。

これを踏まえた上で、あなたならばどのように撮りますか?

登山風景のカメラ撮影技術8 想像力利用方法

またまた想像してみてください。

"あなたは山の麓のハイキングコースを仲間と歩いています。

美しくのどかな風景が続くハイキングコース。あなたのテンションは上がり仲間との話も弾みます。

そうしてしばらく歩いていると、なんとも美しい湖を発見しました。

湖の奥にそびえる山が湖に反射して、まるで「逆さ富士」のような美しい風景です・・"


ここで、またまたあなたに質問です。

そんな美しい風景を写真に収めたくなったあなた。さて、どのように撮りますか?


[あなた]
ここはやはり湖全体と奥にそびえる山が画面に収まるように!



いいですねえ!山の美しい風景写真が撮れそうです。私もきっとそんな風に撮ったでしょうね。

しかし、ここはあえて湖と山の一部だけ写真に収めるというテクもあるのです。
こんな風に↓
つまり、このように、あえて主役である湖と山の全体を撮らず一部だけ撮ることで、画面の外の世界を見る者に想像させるのです。

そうすると写真を見るものは、あなたの写真を見て、そこからさらに広大な湖に思いを巡らすことになるのです。

場合によっては、画面に全体を写してしまうと、何ら見る者の想像を掻き立てることなく、しかもより縮こまった写真になってしまうのです。

せっかくだから、美しい風景をできるだけ写真の中に収めたい気持ちはよくわかりますが、こんな撮り方もあるということを覚えておいてください。

登山風景のカメラ撮影技術9 水平線と地平線

普段の生活ではなかなかお目にかかれませんが、一旦山に登ると、すぐに見ることができる登山風景写真の名脇役!

そう!水平線と地平線です。

風景写真でも容易に撮ることができ、しかも主役となる山や木などをしっかりと引き立てて、より完成度の高い風景写真にしてくれます!

しかし・・・いや、だからこそこの水平線、地平線の撮り方には極めて重要な大原則があります。

それは「フレームに対して平行に撮ること」です。

写真には様々な撮り方があり、その中にはあえて基本を無視することで、却って写真が美しくなるようなこともあります。

しかし、この「フレームに対して平行に撮ること」という大原則に限っては例外はありません。

どんな状況においても水平線、地平線は必ずフレームに対して平行に撮ってください。

「三分割構図」で学んだ縦横の3本線を指標にすれば、簡単に配置することができるはずです!

おさらい

今回は、以下についてあなたにシェアしました。

・主役表現方法・・主役をあえて小さく撮るテク
・想像力利用方法・・見る者の想像を掻き立てるテク
・水平線と地平線・・フレームと平行に!


前回の内容も合わせて、ぜひ山での撮影に取り入れてみてくださいね。

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