2021.06.24
伝統を受け継ぎさらに進化したワカンとスノーシューの使い方
伝統を受け継ぎさらに進化したワカンとスノーシューの使い方
こんにちは!コピーライター兼登山家の松浦です。
あなたは雪深い山の中、それも積もったばかりの雪の中を歩いたことはありますか?
美しく輝く雪景色、積もったばかりの雪は、歩いていてもひんやり冷たく本当に心地よいものです。しかし、一歩歩くたびに膝の下までめり込むためものすごく歩きづらく、かなりの体力が必要です。
レジャーで訪れた観光客や登山家はそれを承知で雪景色の中歩いているので問題ありません。ただ、あなたはこんな風に不思議に思ったことはありませんか?
「雪の降る地域で暮らす人々はどうやって外を歩いているんだろう?」
毎日の生活の中、雪が積もる道を脚をめり込ませながら歩くのはあまりにも大変。お年寄りが住む地域も多いので生活に支障をきたしてしまいます。
もちろん、スノーモービルやソリを最大限活用しているでしょうが、それでも全く歩かないわけにもいかないでしょう。
では、雪国に住む人々は雪の中をどうやって歩いているのか?実は古来より、雪国に住む人々に伝わってきた伝統の道具があるのです。
それがワカンです。近年ではワカンが改良されて、より軽くより丈夫により使いやすくなっています。
また、海外のスノーシューという、よりレジャー用に近い道具も知られるようになりました。
どちらも雪の中をより快適に歩くための道具ですが、それぞれ特徴があります。
もしあなたが雪山登山をより快適に楽しみたいのであれば、ワカンとスノーシューのどちらかは必ず必要になります。
今回の記事では、そんなワカンとスノーシューそれぞれの特徴、使い方等を解説します。
どちらにするかはあなたの好みや山行スタイル次第、お好きな方をどうぞ!
ワカンとスノーシューの使い方1 スキーに青春を捧げた私
本日2017年4月8日。
平地ではすっかり春モードで、街ゆく人々のほとんどはコートを脱ぎ春らしいスタイルです。
その一方で、標高の高い場所ではまだまだ雪がわんさか積もっています。
雪解けの季節はもう少し先です。
特に、2000m級以上の山に登る人は雪山登山スタイルが必須です。
雪山登山が大好きな私は、まだまだ楽しめます!ワクワクしますね!
ただ、スキーやスノボを楽しめる季節は、さすがに過ぎ去ってしまったようです。
仕方ありません。また来年の楽しみに取っておくことにしましょう・・
ところで、あなたはスキーやスノボに代表されるウィンタースポーツをしますか?
雪山登山が大好きな私。当然、ウィンタースポーツも大好きです。とはいっても私がやるのはスキーだけですが。
実は私、大学の頃にスキー部に所属していました。上下関係の厳しいバリバリの体育会系です。
そして運動部であるため、シーズンオフの時期のトレーニングはかなり大変でした・・おかげで基礎的な体力がつき、今の登山にかなり役立っていますが。
大学を卒業した後も時々友人たちとスキーによく行きました。
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大学の時は、あまりスキーを楽しむ余裕がありませんでしたが、友人たちと行くスキーはのんびりと滑ることができ、そこで心の底からスキーを楽しむということができたように思います。
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冬場の防寒着、あなたはどんな服装をしますか。
ロングコート
ジャンバー
ジャケット
ダウンジャケット
などなど・・
平地ではいろんなタイプの防寒着があり、あなたも自分に合った防寒着をオシャレに楽しんでいる事でしょう。
もちろん私もです!
私は仕事ではロングコートを愛用しています。
仕事着はスーツなので、その上からロングコートを羽織る形になります。
また、プライベートではジャンパーを着たり、ジャケットを羽織ったり、その時の気分に応じていろいろとおしゃれを楽しんでいます。
そして実は、山でもオシャレを楽しんでいます!
最近は、登山用の服もオシャレなものがあり、登山ショップに行くとオシャレな登山服についつい目移りをしてしまいます。
もちろん、オシャレだからといって登山服としての機能を犠牲にしているわけではありません。
ファッショナブルでありながら、むしろ登山服としての機能が格段に向上しているものもあります。
やはり「山ガール」という言葉が流行するくらいに、登山が女性にも浸透してきていることも影響しているのかな?と思います。
ただ、いくらオシャレな登山服が発売され、多種多様な登山スタイルが生まれようとも、これだけは変わらないだろうというものもあるのです。
それは雪山登山の主役ともいうべきシェルジャケットです。
ところで、スキーの時も登山の時も同じく苦労するのが、フカフカの新雪を通る時です。
基本的にスキー場では、雪が降っても、メインのスキーコースは重機でしっかりと固められるので、新雪を滑ることは滅多にありませんが、登山ではそんなフカフカの新雪の中を歩くことはよくあります。
歩く度に雪の中に脚が膝まで埋まるのでなかなか前に進むことができず、体力の消耗もかなりのものです。
また、うっかり雪庇の方に行ってしまうと崖から真っ逆さま!ということもありうるので、本当に注意が必要です。
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言うまでもなく、雪山登山は極寒の山の中を歩くもので、その気温は、地域にもよりますが概ね氷点下5度〜10度、氷点下25度まで下がることもあります。
通常は、それだけの極寒の中を人が生きていくことはできません。
もちろん平地でも、北海道の旭川などは氷点下25度まで下がる時期もありますが、その分家の中は強力な暖房が効いています。家の中は暑いくらいだそうです。
しかし、氷点下25度の山の中を歩く場合、もちろん暖房器具などありません。
外からあなた自身を温める手段が何1つないのです!
湯沸し用、料理用のストーブはあるでしょうが、それであなたの体を温めるにはあまりにも役不足です。
唯一暖かい料理や飲み物を飲むと言う手段があるくらいです。
つまり、人が生きていけないくらいの極寒の中、山を登るには、極めて保温性と防寒性の高いアウターが絶対に必要なのです!
それがシェルジャケットなのです!
ワカンとスノーシューの使い方3 ワカンとスノーシューの歴史
そんな深い雪の中を、脚を埋めることなく歩くための登山道具をあなたは知っていますか?もしあなたが東北や北海道出身ならば、もしかしてご存知かもしれません。
そうです!雪深い地域では、古来よりそういう道具が存在していました。
今ではさらに洗練されたものに生まれ変わり、登山道具としても大活躍しているのです。
その道具を総称して「カンジキ」と言い、数種類存在するカンジキの中の1つに「輪カンジキ」があります。これです↓
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輪カンジキはやがて「ワカン」と呼ばれ、現在それが一般名称となって登山ショップに並んでいます。輪カンジキは竹でできていましたが、現在登山ショップで売られているワカンはより軽量で丈夫なアルミ製です。また、登山靴に装着しやすいように工夫されています。
これがそのワカンです↓
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また、ワカンと同様の使い方をする雪山道具も存在し、それを「スノーシュー」と言います。これは主にアメリカで発達した雪山道具です。
これがスノーシューです↓
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先ほども言ったように、このワカン、スノーシューは雪深い地域の登山では非常に有効・・いや場所によっては必須と言ってもいいでしょう。
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シェルジャケットの防寒性、保温性の高さは、まさに驚愕の一言です。
仮に、あなたが真冬の雪のちらつく夜にTシャツ1枚+シェルジャケットと言うスタイルでコンビニへ買い物に出かけたとしても、あなたは全くといっていいほど寒さを感じることはありません。
シェルジャケットの中にもう一枚ちょっと分厚めのロングTシャツでも着込めば、外で一晩過ごすことすら可能でしょう。
しかも、登山ショップで取扱うシェルジャケットのほとんどがゴアテックスの素材を採用しています。
つまり、外からの雨や雪などの水分を完全にシャットアウトし、同時にあなたの体から発散する水蒸気を外に排出し蒸れを防ぐという機能を有しています。
ゴアテックスについてはこちら
↓
登山用レインウェアに欠かせないゴアテックスとは?
いろんな機能を紹介しましたので、まとめるとこうなります。
●極めて高い防寒性、保温性
●外からの水分を完全シャットアウト
●内からの蒸れを排出
雪山登山を行う者にとってまさに
パーフェクトと言えるジャケットなのです。
ワカンとスノーシューの使い方4 ワカンはどう使う?
ただ、このワカン、スノーシューが役立つ場面は真冬でも限定されます。
これらを実際に履いて歩くのは、比較的平坦な新雪の多い登山道です。
傾斜のある登山道では12本爪アイゼンを履かなくてはならず、むしろ邪魔になってしまうケースもあります。
ワカンの場合、12本爪アイゼンを装着したままでも使えるので、ある程度の傾斜でも使用可能ですが、スノーシューの場合はアイゼンを外さなくてはなりません。
スノーシューの底面に滑り止めのギザギザが付いていますが、傾斜のある雪山の登山道では気休め程度にしかなりません。
私はワカンもスノーシューも使用経験がありますが、個人的にはワカンがベターだと思っています。その理由がこれです。
・スノーシューよりも軽量
・アイゼンを装着したままの使用が可能
・スノーシューよりも安価
もちろん、スノーシューも優れた登山道具ではあります。しかし、山が多く平坦な場所が少ない日本の山には、日本発祥の道具が最も適しているということなのかもしれません。
ワカンの装着の仕方はこちらをご覧いただければ、詳しくわかります↓
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もしあなたが雪深い地域での雪山登山を志すならば、1度ご検討ください。
ワカンとスノーシューの使い方4 スノーシューはどう使う?
一方、スノーシューはどうでしょうか?
[あなた]
これまでの話からすると、スノーシューよりもワカンの方が優れているわけでしょ?じゃあ、スノーシューの解説はいらないのでは?
いえいえ、そんなことはありません。確かに私はスノーシューよりもワカンの方が好きですが、登山スタイル次第ではスノーシューの方が優れている点だってあります。
スノーシューの優れている点、それは平坦な雪道のトレッキングならば断然歩きやすいというところです。
もともとワカンは急峻な山坂が多い日本で発展した道具です。日本ではワカンが使いやすいのは当然といえば当然かもしれません。
一方、スノーシューは平坦な雪道が多いアメリカやヨーロッパで発展した道具です。そのため、日本の雪道でも、主に雪道のトレッキングを主要目的とした山行スタイルならば、スノーシューをオススメします。
スノーシューの装着の仕方はこちらです↓
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ワカンもスノーシューも優れた道具です。ちゃんと使いこなせば、あなたの快適登山に一役買うことでしょう!
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全面にストレッチ性に優れた素材を使用することで、高い運動性と体にフィットするスリムなシルエットを両立したジャケットです。前方からの冷たい風をブロックしつつ、ウエア内の蒸れを効果的に放出します。(価格 9000円+税)
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ストレッチ性と、防風・保温性を高い次元で兼ね備え、ウインタースポーツに最適なパーカです。素材が持つストレッチ性とひじ部分に採用した立体裁断により、抜群の運動性を実現。ウエア内の熱気を素早く放出可能なスムースピットジップや、細かなフィット感の調節が行えるトライアクスルフードなど、アウターとしての機能を多数備えています。
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|ハードシェルジャケット
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アウター
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インナー
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単体でも使用できるインナーを備え、季節や気温の変化に応じて3通りの使い方ができる汎用性の高いパーカです。独自の防水透湿性素材を採用したアウターは、単体で一枚地の軽快なアルパインウエアとしても活躍。エクセロフトを封入したインナーは、汗や湿気に濡れても高い保温力を維持します。アウターとインナーをセットすれば、優れた防水透湿性と抜群の保温性により、冬季登山やスノーアクティビティ全般で活躍する一着です。(価格 27800円+税)
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全面に保温性・速乾性に優れたエクセロフトを封入した、スノースポーツに最適なパーカです。シェル素材に高い透湿性を誇る独自の防水透湿性素材を使用し、蒸れにくく快適な着心地を実現。リフト券の収納に便利な左袖のポケットなど、スノースポーツに必要な機能を備えています。(価格 20000円+税)
以上、ここでご紹介したソフトシェルジャケット、ハードシェルジャケットはほんの一例です。他にも多数ありますので、是非登山ショップに行って実際に試着してみてくださいね!必ずあなたにとってベストなものがあるはずです。
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2021.06.22
ハードシェルとソフトシェル 賢く使い分ける手法とは
ハードシェルとソフトシェル 賢く使い分ける手法とは
こんにちは!コピーライター兼登山家の松浦です。
登山で使用する服は色々ありますが、これぞまさに登山専用!といった感じの服は、実はそんなに多くありません。
もちろん、登山ショップに行けば、登山を快適にしてくれる様々な服が所狭しと陳列されています。少々お高いのですが、品質は折り紙つき!本当に高いだけの価値はあります。
とはいっても、案外ユニクロのような安価な服を取り揃えている店に似たような服があったりします。インナーは特にそうです。
しかし、今回紹介するシェルジャケットは圧倒的な防寒性能、機能を兼ね備えた、まさに登山専用というにふさわしい超高品質ジャケットです。
これらのジャケットを一度身にまとってしまうと、その圧倒的性能に度肝を抜かれて、どんなに寒さに弱いあなたでも雪山登山に夢中になってしまうに違いありません!
そんな超高品質ジャケット、気温に応じてソフトシェルとハードシェルの2種類存在し、これらを効果的に使い分けることで、最高に快適な雪山登山を満喫することができます。
そんな2種類のジャケットの使い分け手法、あなたに伝授します。
冬場の防寒着、あなたはどんな服装をしますか。
ロングコート
ジャンバー
ジャケット
ダウンジャケット
などなど・・
平地ではいろんなタイプの防寒着があり、あなたも自分に合った防寒着をオシャレに楽しんでいる事でしょう。
もちろん私もです!
私は仕事ではロングコートを愛用しています。
仕事着はスーツなので、その上からロングコートを羽織る形になります。
また、プライベートではジャンパーを着たり、ジャケットを羽織ったり、その時の気分に応じていろいろとおしゃれを楽しんでいます。
そして実は、山でもオシャレを楽しんでいます!
最近は、登山用の服もオシャレなものがあり、登山ショップに行くとオシャレな登山服についつい目移りをしてしまいます。
もちろん、オシャレだからといって登山服としての機能を犠牲にしているわけではありません。
ファッショナブルでありながら、むしろ登山服としての機能が格段に向上しているものもあります。
やはり「山ガール」という言葉が流行するくらいに、登山が女性にも浸透してきていることも影響しているのかな?と思います。
ただ、いくらオシャレな登山服が発売され、多種多様な登山スタイルが生まれようとも、これだけは変わらないだろうというものもあるのです。
それは雪山登山の主役ともいうべきシェルジャケットです。
ようやく気持ちの良い季節になりましたね♬
この記事を書いている現在、2017年(平成29年)3月30日、まさに春本番です。
昨日までちょっと肌寒かったのですが、今日出勤のために玄関を出た瞬間、フワッと心地よい風が
吹き抜けていきました。
「今日も仕事がんばるぞっ!」
そんな気分にさせる心地よい春の風でした♬
そして登山にも最適な季節です。
ほんの1か月前までは完全防寒の雪山登山スタイルでしたが、今はもうそのスタイルだとちょっと大げさです。
もちろん油断はできませんが、春を意識した登山スタイルでも行けそうな気候になってきました。
私自身は雪山登山が大好きですけどね 笑
そんな春の登山でも、やはりこの季節特有の注意点はあります。
まず、雪崩です。よほど雪深い山でないと縁のないことと思われがちですが、春の気温となり積もっていた雪が溶けやすくなっているのです。
ほんのちょっとした雪への振動がきっかけとなって発生する雪崩。
当然、雪解けによる雪崩の発生はこの時期多発します。残雪の深い山に行くときは十分に注意する必要があります!
そんな雪崩についてはこちら
↓
雪山最大の脅威からあなたの命を守る雪山装備とは
その他にも春特有の注意点はありますが、ここでは特に日焼けの防止について解説します。
|
それでも夕方4時くらいになると、空腹で集中できなくなってしまいます。で、結局またコンビニへ直行し好物のスナック菓子やチョコを購入。
帰宅後は、夕食をきっちり食べ、しかもおかわりまでしてしまいます・・・
そんなに食べてるとやはり食費は気になってしまいますが、それはどうしようもありません・・
それよりも気になるのは体重!さぞ増えていることだろうと昨日、恐る恐る体重計にのってみました。
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あまり見たくありませんが、やはり体調管理は大事です!で、体重計の数値はというと・・・
全く増えていない!どころかなんと少し減少!しているのです!!
たまに、いくら食べても全く太らないといううらやましい体質の方がいらっしゃいますが、残念ながら私はそんな体質を持っていません。
食べれば食べた分だけ脂肪は蓄積され、それはしっかりと体重にも反映されます。
おそらく、私を含めた多くの方がそういう体質ではないでしょうか?
というよりも人間の身体はエネルギーを脂肪として蓄積するようにできているので、当たり前なのですが。
では、なぜ普段よりも食欲が旺盛で、しかも本能の赴くまま食物をむさぼっている私の体重が増えないどころか、むしろ減っているのか?
これには御多分に漏れず、やはり 登山が大いに関係しています。
以前、ダイエットについて記事を書いたことがありますが
↓
ありとあらゆるダイエット法の頂点に立つ登山という方法
それとはまた別の視点でダイエットについて解説していきますね。
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ソフトシェルとハードシェル2 シェルジャケットとは
言うまでもなく、雪山登山は極寒の山の中を歩くもので、その気温は、地域にもよりますが概ね氷点下5度〜10度、氷点下25度まで下がることもあります。
通常は、それだけの極寒の中を人が生きていくことはできません。
もちろん平地でも、北海道の旭川などは氷点下25度まで下がる時期もありますが、その分家の中は強力な暖房が効いています。家の中は暑いくらいだそうです。
しかし、氷点下25度の山の中を歩く場合、もちろん暖房器具などありません。
外からあなた自身を温める手段が何1つないのです!
湯沸し用、料理用のストーブはあるでしょうが、それであなたの体を温めるにはあまりにも役不足です。
唯一暖かい料理や飲み物を飲むと言う手段があるくらいです。
つまり、人が生きていけないくらいの極寒の中、山を登るには、極めて保温性と防寒性の高いアウターが絶対に必要なのです!
それがシェルジャケットなのです!
ソフトシェルとハードシェル3 シェルジャケットの機能
シェルジャケットの防寒性、保温性の高さは、まさに驚愕の一言です。
仮に、あなたが真冬の雪のちらつく夜にTシャツ1枚+シェルジャケットと言うスタイルでコンビニへ買い物に出かけたとしても、あなたは全くといっていいほど寒さを感じることはありません。
シェルジャケットの中にもう一枚ちょっと分厚めのロングTシャツでも着込めば、外で一晩過ごすことすら可能でしょう。
しかも、登山ショップで取扱うシェルジャケットのほとんどがゴアテックスの素材を採用しています。
つまり、外からの雨や雪などの水分を完全にシャットアウトし、同時にあなたの体から発散する水蒸気を外に排出し蒸れを防ぐという機能を有しています。
ゴアテックスについてはこちら
↓
登山用レインウェアに欠かせないゴアテックスとは?
いろんな機能を紹介しましたので、まとめるとこうなります。
●極めて高い防寒性、保温性
●外からの水分を完全シャットアウト
●内からの蒸れを排出
雪山登山を行う者にとってまさに
パーフェクトと言えるジャケットなのです。
で、そんなシェルジャケットですが、近年
ソフトシェルジャケットと
ハードシェルジャケットの2種類に分けられるようになりました。
私がここまであなたにお話ししたシェルジャケットは、ハードシェルジャケットのことだと思って間違いありません。極寒の雪山登山でも圧倒的防寒性、保温性を有する、それがハードシェルジャケットなのです。
【あなた】
では、ソフトシェルジャケットってなんだろう?ハードシェルジャケットほどの機能はないということかな?
なるほど・・・半分正解といったところですね。
ソフトシェルジャケットは、確かにハードシェルジャケットほどの防寒性、保温性はありません。ソフトシェルジャケットだけでは、雪山登山でのアウターレイヤーとしてはあまりにも役不足です。
しかし、ソフトシェルジャケットは防寒性、保温性を犠牲にすることによって獲得した素晴らしい機能を備えているのです!
では、このソフトシェルジャケットとハードシェルジャケットの違いを表にまとめてみましょう!
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ソフトシェル
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ハードシェル
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着心地
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普段着としても快適
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少しゴワつく
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防寒性
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雪山では役不足
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雪山でも寒さを完璧に防ぐ
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保温性
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雪山では役不足
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雪山でも十分暖かい
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透湿性
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効率よく汗を放出する
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ゴアテックスのものが多いのである程度は汗を放出するが、少し蒸れることもある
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撥水性
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雪や霧雨程度ならば十分効果あり
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レインウェアとしても十分な機能を発揮する
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ストレッチ性
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トレーナーのようなストレッチ性がある
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少し弱い
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価格
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比較的安価
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高価
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*赤字は比較的優れている点を指します。
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ソフトシェルは春秋に、ハードシェルは真冬に着るイメージですね。
ソフトシェルの優れている点は、ハードシェルほどではないにしろ、ある程度の防寒性、保温性を備えていながら透湿性、ストレッチ性をしっかりと備えている点です。着心地はトレーナーと比較しても遜色ありません。
ユニクロのフリースをさらに登山用に改良した服と言えます。
ソフトシェル1枚あれば、春秋の登山の服装に迷うことはなくなるはずです。
もちろん地域によっては、雪山でもアウターレイヤーとして大活躍です。是非とも1枚持っておきたい一品です!
では、ハードシェルはどうか?着心地や透湿性、ストレッチ性をある程度を犠牲にして、とにかく防寒性、保温性を追求しています。
それだけにハードシェル1枚あれば、日本のどんな山にでもアウターレイヤーとして大活躍です。
雪山にいくならば、ハードシェルは絶対に購入すべき!!自信を持っておすすめします!
【あなた】
なるほど!じゃあ、雪山で本当に寒い時はソフトシェルとハードシェルを重ね着すれば完璧だね!
ちょっと待ってください!
実はこのソフトシェルとハードシェルの身につけ方で注意すべき点が、これです。
確かに、ソフトシェルとハードシェルを重ねて着れば、もはや無敵の防寒性、保温性!と思いがちですが、この着方をすると
逆に保温性が阻害されてしまいます。
なぜか?
ソフトシェルは、確かにユニクロのフリースのような着心地ですが、やはり若干生地がしっかりしており、ややぶ厚めです。
そのため、ソフトシェルの上にハードシェルを着てしまうと、保温力を持った空間が潰されてしまい、無駄にゴワつくだけになってしまうのです。
例えば、ダウンジャケットは中にたっぷりと空気を含んだ羽毛が詰め込まれているから暖かいのであって、空気がなくなるとただのウインドブレーカーになってしまいますよね。
つまり、雪山登山でしっかりと保温力を保つならば、少し薄めのフリースのようなミドルレイヤーとその上にハードシェルを着込めばOK!殊更に何枚も着込む必要はありません。
ここまでシェルジャケットの効果についてお話しして着ましたが、そんな優れたシェルジャケットにもやはり欠点があります。
唯一、本当に唯一の欠点をあえて言うと・・・やはり少々高価です。
基本的に、登山ショップの商品は比較的高めに設定されていますが、ユニクロ等の商品で代用できるものも結構あります。
しかし、シェルジャケットについては代用できません。シェルジャケットに匹敵するようなものは存在しませんし、そうなると登山ショップで購入するしかないのです。
とはいっても、雪山登山を行う者にとっては、命を預けるジャケットとも言える道具なので致し方ありません。
ただ、
それだけの価値は絶対にあります。
もしあなたが、雪山登山を志すならば、
ピッケルやアイゼン、雪山用の登山靴等と並ぶ雪山必須道具として必ず手に入れるべき!と私は考えます。
ピッケルとアイゼンについてはこちら
↓
あなたにおすすめしたい雪山必須アイテムのアイゼン
雪山登山の最重要アイテムであるピッケルの使い方と持ち方
雪山用の登山靴についてはこちら
↓
圧倒的な性能で雪山リスクを回避する雪山用の登山靴
極寒の中を暖かく快適に過ごすために、是非とも手に入れてください。何よりも、あなたの命を守るために!!
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ストレッチ性と、防風・保温性を高い次元で兼ね備え、ウインタースポーツに最適なパーカです。素材が持つストレッチ性とひじ部分に採用した立体裁断により、抜群の運動性を実現。ウエア内の熱気を素早く放出可能なスムースピットジップや、細かなフィット感の調節が行えるトライアクスルフードなど、アウターとしての機能を多数備えています。
※縫い目に防水処理は施していません。(価格 17000円+税)
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モンベル 3in1 フォールライン パーカ Men’s
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アウター
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インナー
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単体でも使用できるインナーを備え、季節や気温の変化に応じて3通りの使い方ができる汎用性の高いパーカです。独自の防水透湿性素材を採用したアウターは、単体で一枚地の軽快なアルパインウエアとしても活躍。エクセロフトを封入したインナーは、汗や湿気に濡れても高い保温力を維持します。アウターとインナーをセットすれば、優れた防水透湿性と抜群の保温性により、冬季登山やスノーアクティビティ全般で活躍する一着です。(価格 27800円+税)
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2021.06.21
雪山最大の脅威からあなたの命を守る雪山装備とは
雪山最大の脅威からあなたの命を守る雪山装備とは
こんにちは!コピーライター兼登山家の松浦です。
新緑の季節や紅葉の季節に多くの登山客が訪れる山も、雪山の季節になるとほとんどいなくなる・・・
まあ、そうですよね。雪山の季節になると、多くの山小屋は閉鎖され、登山道は閑散たる雰囲気を醸し出します。
なぜなら雪山はレジャー向きではなく、人が生きるにはあまりにも厳しい世界であるからなのです。
山はすっぽりと雪に覆われ、登山道、樹木、何もかもが真っ白に雪化粧された世界。
その世界は思わず目を細めてしまうほど全てが光り輝いており、まるで天国に迷い込んだかのように美しいのですが、その反面、春夏秋の山とは比較にならないほどの危険が数多く潜んでいるのです。
登山家を滑落の危険に陥れる雪庇、容易に人を生命の危険にさらす極低温、春夏秋の登山道を全く別のもの多くのに変えてしまう積雪・・・
中でも、雪山登山に挑む登山家が最も気をつけなくてはならない、いや、いくら気を付けていても100%防ぐことは不可能な雪山最大の脅威。
そうです!雪崩です。
雪崩に遭遇し命を落とした登山家は数知れず。
そんな中、雪崩を回避しようと様々な方法で観測が行われ、雪崩についての研究が続けられてきました・・・が、
それでも神出鬼没な雪崩、未だ100%回避する方法は存在しません。
ではどうするか?
100%の回避が不可能・・・それならば、万が一雪崩に遭遇してしまった時、いかにして生き延びるか!その考えをもとにある道具が考案されたのです。
その道具は、今や雪山での装備としてなくてはならないものとなっています。
私自身、かつてその道具を装備していたおかげで雪崩から生還することができた過去を持っています。今こうしてあなたにこの記事を書いているのもその雪山装備のおかげであることは間違いありません。
今回の記事では、そんな雪崩の発生原因、回避方法、雪崩から生き延びる雪山装備、そして私がいかにして雪崩から生還したかをあなたに解説します。
もしあなたが雪山登山に挑戦するならば、まずはこの記事を読んでください!
雪山での事故を1件でも減らすために、そして何よりあなた自身のために・・・
それではどうぞ!
あまりにも美しい姿で私たちを楽しませてくれると同時に人を寄せ付けない聖域と化す雪山。
あえてそこに足を踏み入れようとする登山家は、己の身を守るために、雪山についての様々な知識を身につけ、雪山特有の様々な道具を準備すると同時に、比較的積雪量の少ない雪山から経験を積み、そこで徐々に雪山登山技術を身につけるのです。
そうして、積雪量が多い山での本格的な雪山登山が可能となるわけです。
かつて私も雪山登山の技術を身につけるためにその道を辿りました。
数年のブランクはあるものの、今でも、人一倍の雪山登山の知識と技術、そして経験を持っていると自負しております。
そんな雪山のエキスパートである私が「雪山で最も恐怖を感じる危険は何か?」と問われたならば、迷わず雪崩と回答します・・・
ようやく気持ちの良い季節になりましたね♬
この記事を書いている現在、2017年(平成29年)3月30日、まさに春本番です。
昨日までちょっと肌寒かったのですが、今日出勤のために玄関を出た瞬間、フワッと心地よい風が
吹き抜けていきました。
「今日も仕事がんばるぞっ!」
そんな気分にさせる心地よい春の風でした♬
そして登山にも最適な季節です。
ほんの1か月前までは完全防寒の雪山登山スタイルでしたが、今はもうそのスタイルだとちょっと大げさです。
もちろん油断はできませんが、春を意識した登山スタイルでも行けそうな気候になってきました。
私自身は雪山登山が大好きですけどね 笑
そんな春の登山でも、やはりこの季節特有の注意点はあります。
まず、雪崩です。よほど雪深い山でないと縁のないことと思われがちですが、春の気温となり積もっていた雪が溶けやすくなっているのです。
ほんのちょっとした雪への振動がきっかけとなって発生する雪崩。
当然、雪解けによる雪崩の発生はこの時期多発します。残雪の深い山に行くときは十分に注意する必要があります!
そんな雪崩についてはこちら
↓
雪山最大の脅威からあなたの命を守る雪山装備とは
その他にも春特有の注意点はありますが、ここでは特に日焼けの防止について解説します。
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それでも夕方4時くらいになると、空腹で集中できなくなってしまいます。で、結局またコンビニへ直行し好物のスナック菓子やチョコを購入。
帰宅後は、夕食をきっちり食べ、しかもおかわりまでしてしまいます・・・
そんなに食べてるとやはり食費は気になってしまいますが、それはどうしようもありません・・
それよりも気になるのは体重!さぞ増えていることだろうと昨日、恐る恐る体重計にのってみました。
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あまり見たくありませんが、やはり体調管理は大事です!で、体重計の数値はというと・・・
全く増えていない!どころかなんと少し減少!しているのです!!
たまに、いくら食べても全く太らないといううらやましい体質の方がいらっしゃいますが、残念ながら私はそんな体質を持っていません。
食べれば食べた分だけ脂肪は蓄積され、それはしっかりと体重にも反映されます。
おそらく、私を含めた多くの方がそういう体質ではないでしょうか?
というよりも人間の身体はエネルギーを脂肪として蓄積するようにできているので、当たり前なのですが。
では、なぜ普段よりも食欲が旺盛で、しかも本能の赴くまま食物をむさぼっている私の体重が増えないどころか、むしろ減っているのか?
これには御多分に漏れず、やはり 登山が大いに関係しています。
以前、ダイエットについて記事を書いたことがありますが
↓
ありとあらゆるダイエット法の頂点に立つ登山という方法
それとはまた別の視点でダイエットについて解説していきますね。
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言うまでもなく雪山には多種多様の危険が潜んでいます。
それを未然に防ぐため、あるいは冷静に対応するために数々と雪山登山道具があり、それらを適切に装備し、使うことができるならば、雪山も安全に登ることができます。
しかし、雪崩は別です。一旦雪崩に巻き込まれてしまうと、どんな雪山登山道具を持っていても、どんなに登山技術があろうとも、どれだけ経験を積もうとも極めて高い確率で命の危険に晒されてしまうのです。
先人たちの経験により、ある程度はどういうときに雪崩が発生するか、どういう地形で雪崩が発生しやすいか、何が起こると雪崩が発生するかの予想することはできます。
しかし・・・です。
未だに完璧な天気予報が不可能であるように、雪崩の発生を100%完璧に予想し未然に防ぐことなど不可能なのです。
いつ発生するかわからず、もし巻き込まれると助かる可能性は極めて低い!
それが雪崩なのです。
そんな厳しい雪山の環境。歩行するにしても特殊な道具、そして技術が必要になります。
今回は、雪山の歩行で必ず必要な道具の1つであるアイゼンについて解説します。
アイゼンとは、登山靴のソール部分に装着する、金属製の鋭い爪を備えた特殊道具。すなわちこれです↓
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まるでライオンか狼の牙のように鋭い歯が数本生えたかのようなアイテムです。
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この見た目から、このアイゼンを何に使用するかは容易に想像できると思います。
そうです!氷や氷化した雪の上を歩く際に滑り止めとして靴底に装着するものです。
この写真のアイゼンは12本爪のタイプですが、他にもこれだけの種類が存在します。
・4本爪(軽アイゼン)
・6本爪(軽アイゼン)
・8本爪
・10本爪
・チェーンタイプ
それぞれ解説しますね!
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登山靴のソール部分に装着するのは、どのアイゼンも同じですが、先ほどのアイゼンと比較すると明らかに爪の数が少ないことがわかります。実際にこのアイゼンの爪は4本です。
雪面歩行での滑り止めという役割を果たすことに変わりはありませんが、これで雪山登山を登ることは不可能です。
基本的に軽アイゼンは、雪のない季節の、標高の高い場所の残雪で使用するタイプのものです。
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本来雪の降る季節ではない春夏秋でも、標高が高い場所では雪が残っています。登山道で残雪があると、どうしてもそこを通らなくてはなりません。そんな時に、この軽アイゼンが活躍する!というわけです。
比較的小さくて持ち運びも楽なので、ザックの片隅に入れておくと、いざという時に重宝します。
ただしこの軽アイゼン、雪山登山では全く役に立ちません。雪山登山ではザックに入れる必要すらないと考えてよいでしょう。
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・・・とはいえ、私はあなたに「だから雪山登山はやめなさい」と言いたいわけではありません。
確かに先ほども言ったように、何の前触れもなく突然発生するかのような雪崩もあります。
ただ、実はどんな雪崩もある程度の予想は可能であり、雪崩についての知識があれば、雪崩の発生しそうな斜面を避けることも可能なのです。
例えば先日、
栃木県那須で雪崩により高校生数名が犠牲になるという痛ましい事故が発生してしまいました。登山家として本当に心が痛みます。
ただこの事故、ニュース等で事故の状況について詳しく報道されていましたが、そこから判断すると、もしかしたら避けることができた事故だったのではないか、とも考えられるのです。
もちろん現場にいたわけでもない私が事故についてどうこう言うのは愚の骨頂ですし、誰を責めるつもりもありません。
ただ、雪面の状況が報道の通りならば、事故のあった斜面は雪崩が起きやすい斜面であると判断することができるものであった可能性が高いのです。
「雪崩についてよく知ること」
これが最も重要なことだと思うのです!
そこで、今後雪山を事故現場などにしないために、そして1人でも雪崩による犠牲者を減らすためにあなたに雪崩について詳しく解説します。
雪崩は大きく3つの種類に分けることができます。
●吹雪で発生するもの
●面発生表層雪崩
●点発生表層雪崩
雪の質や積もり方や雪崩のメカニズムごとに区別されています。それぞれ解説していきますね。
|吹雪で発生するもの
天候が激しく変化する雪山では風が吹くと吹雪となり、積もる雪の層をを厚くしていきます。
ただ、積もる雪がいつも同じ質の雪であることはあり得ません。
当然、積もる雪には強弱があり、強い雪は強い雪層を作り弱い雪は弱い雪層を作ります。つまりこういうことです↓
●強い雪・・・雪同士の結合が強く溶けにくい。積もれば頑丈な雪層を作る。
●弱い雪・・・雪同士の結合が弱く、簡単に溶ける。積もってもすぐに崩れる雪層となる。
雪の強弱というのは雪同士の結合の強さを表し、結合が強ければ、頑丈な雪層ができます。頑丈な層は、崩れにくく雪崩も起きにくくなります。
つまり・・・です。
弱い雪層の上に強い雪層が重なり、そこに吹雪がぶつかるとどうなるか?
土台が弱いため、上の強い雪層は簡単に崩れ、それが雪崩となるのです。
例えば「ジェンガ」を想像してみてください。
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遊んだことがあるあなたはわかると思いますが、下の方の積み木ばかりを抜いていくと上の方がグラグラし簡単に崩れてしまいますよね?
これと同じように、土台が弱い雪層であるためにグラグラになった上の強い雪層に、強い吹雪がぶつかれば簡単に崩れ、雪崩となってしまうのです。ちょうどジェンガが崩れるように。
これが、最もよくある種類の雪崩であり、雪崩の発生する予測を極めて困難なものにしている理由でもあるのです。
|面発生表層雪崩
先ほども言ったように、雪は気象の変化の影響を受けて強い雪層と弱い雪層に分かれます。
たとえ同じ気象条件のもとで同じ質の雪が積もったとしても、積雪の位置が異なるため雪の温度が異なることがあります。
温度が異なる雪は結合しにくく、そこで強い雪層と弱い雪層の境界線が生まれます。
温度の差が大きくなれば境界線も大きくなり、ある一定ラインを越えれば、雪はその境界線で寸断されて雪崩となって落ちていきます。
これが面発生表層雪崩です。
|点発生表層雪崩
強い寒気によってサラサラした雪ばかりが積もると、雪同士は結合しません。
一般にパウダースノーと言われる雪のことです。
サラサラしているため、積もっても吹雪が吹けば簡単に舞い上がり雪崩となります。砂漠の砂嵐に似ているかもしれません。
これが点発生表層雪崩です。比較的規模が小さい雪崩になりやすいという特徴があります。
|弱層テスト
あなたがこれから登ろうとする雪山の斜面が、雪崩になりやすいかどうか。
実はそれを確かめる手段があるのです。それが弱層テストです。
弱層テストの手順は以下の通りです。
1.比較的安全な雪の斜面を選ぶ
2.雪の斜面に直径30cmほどの円(四角でもよい)を描く
3.描いた円の周囲を掘り、30cm〜50cmくらいの円柱を作る
4.円柱の側面を軽く押す、持ち上げるなどして、簡単に円柱が剥がれたら雪崩が発生しやすい斜面であることがわかる
雪崩はいつどこで発生するかわかりません。積雪の多い山を登る時は必ず実施するようにしましょう!
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数ある雪山の危険の中でも、雪崩が最も恐ろしいものであることはお判り頂けたと思います。
では、あなたはなぜ雪崩が恐ろしいか、なぜ簡単に人の命を奪うのか、ということはお判りでしょうか?
もしかしたらあなたは、雪崩についてこのように思っているかもしれません。
そこで、もしあなたが雪崩に遭遇してしまった場合、あなたの命はどのように奪われるのかをリアルに想像していただくために、かつて、私が遭遇した雪崩の体験をお話します。
現在私は雪山登山の真っ最中。
あたり一面真っ白な雪の世界で、言うまでもなく極寒の地です。
人が生きていくにはあまりにも厳しい環境ですが、一面真っ白な世界と上を見上げれば真っ青な空。
本当に美しい世界です。「聖域」とはまさにこのような世界のことをいうのかもしれません。
前日の大雪の影響で自分の背丈以上の雪が積もっており、登山道は完全に隠れています。
周りの木々を頼りになんとか歩を進めているような状態です。
1時間ほど歩き、少し開けた場所に出たので、そこで休憩することにしました。
雪で隠れた丸太を見つけ、ササッと雪を払って腰を降ろし、フーっと一息。
おもむろにザックからテルモスを出し、熱湯に近い熱さの湯をコップに注いで、ズズズゥー・・・
「うまいっ!!」
こう言う時に飲む熱々の湯は本当に格別です!
湯を飲みながら、そこから見える真っ白な美しい世界を楽しんでいたその時でした・・
上の方からドッカーンという大音響があたり一面に響き渡り、ものすごい勢いの突風に襲われ、私は吹き飛ばされたのです!
一体何事だ!?となんとか身体を起こしたのですが、その次の瞬間、眼と鼻、そして口に弾丸のように雪が飛び込んできて、上からものすごい圧力で体が地面に押さえつけられたのです。
そこから身体を持ち上げられ、地面に叩きつけられ、を何度も繰り返しながら斜面をものすごい勢いで流されたのです。
なんとか流れは止まったものの、全身を何度も地面に叩きつけられた影響で頭は朦朧とし、そして口や鼻の奥深くまで雪が詰め込まれたためなかなか雪を吐き出すこともできず、その間呼吸もできませんでした。
幸運なことに、手が動貸すことができたので、口の雪を手で搔き出し、なんとか呼吸を確保することができました。
フーッと息をついて、なんとか落ち着きは取り戻したものの一体自分がどうなってしまったのか全くわかりませんでした。
いや、それよりもここからどうすべきなのか・・一体ここはどこなのか、あまりにもわからないことが多すぎて、その場から動くことに若干の恐怖を感じていました。
もしかしたら崖ギリギリのところにいるのでは?
動いた瞬間、崖から真っ逆さまに落ちるのでは?
そんな思いがよぎりましたが、ずっと雪の中に埋もれているわけにもいきません。
勇気を振り絞って、日が差す方向の雪を恐る恐るかき分け、なんとか顔を出すとそこは・・・一面雪の平原、雪以外の何もない世界が広がっていました。
ゆっくりと体を起こすと、腕と脚に若干の痛みを感じるものの歩けないほどではない。
しかし、ほんの2〜3分前まで手に持っていたテルモスや身につけていたサングラス、帽子、ピッケル、ウエストポーチそしてザックさえも私の目の前から消え去ってしまっていました。
慌てて探し出そうと脚を一歩踏み出した瞬間、ハッと気づきました。
もし、私が居るここが雪庇だったら一歩歩いた瞬間に崖から真っ逆さま!
そこでもう1度あたりを注意深く見渡し、そして自分の足元をしっかりと確認し、周りの木々も確認。
「よし!これなら大丈夫!」
改めて一歩を踏み出し、自分の荷物を探し始めました。
10分ほど探すと、約20m先の木の枝に引っかかった私のザックを発見!
その後、その近くでウエストポーチも発見!ウエストポーチには貴重品が入っていたので少なからずホッとしました。
その他のものも探しましたが、20分ほど探してから再び全身が痛み始めたので断念。
諦めて下山しました。
下山した次の日、腕と脚が痛むので、念のために病院で診察を受けましたが、特に異常は見つからず「打撲」という診断結果をいただきました・・・
ピッケルは、その形状から単に杖のように使用しても十分使用できますが、やはりより正しい持ち方を覚えてこそ、さらなる効果を発揮させることができます。
特に雪の急斜面を登る時、ピッケルはその効果を最大限発揮させることができます。
その持ち方をここで解説いたします。
まず、比較的平坦な登山道の歩行時には、カラビナホールあたりを手のひらで包むような感じで持ち、親指と人差し指でつまむように持ちます。この時、ピックを前方にしましょう。
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スピッツェを地面に刺しながら歩くと、杖代わりになって歩きやすくなることもあります。ピッケルはこの持ち方が基本となります。
雪の急斜面を登る時は、このように持ちます。
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このように持つことによって、ピックを雪の斜面に突き刺しやくなります。雪の斜面を登る時は足だけで登ることはできません。ピックを斜面に突き刺して身体を保持して登る必要があるのです。
このようなスタイルになります↓
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また、雪の斜面が非常に滑りやすいということは、あなたもよくお分かりのはずです。スキーやスノボ、ソリなどはその特性を存分に生かしたスポーツですよね。
登山でも素早く斜面を降りるために、お尻で滑ることがあります。この時、ピッケルがブレーキの役割を果たすのです。こんな風に↓
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また、うっかり尻餅をついてしまってそのまま斜面を滑り落ちてしまったという時は、このピッケルでブレーキをかけて身体を止めなくてはなりません。滑った先が崖だとそのまま滑落してしまうためです。
比較的安全あ雪の斜面でピッケルでブレーキをかける練習をしておくことをオススメします。
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当時、私が体験した雪崩は比較的規模が大きいものでありましたが、私が流された斜面が緩やかだったこと、そしてヘルメットをかぶっていたことが幸いし、大事には至りませんでした。
かなり運が良かった方だったと思います。
もし、雪崩に流されて居る最中にヘルメットが外れてしまっていたら・・体と共に頭も叩きつけられておそらく失神していたはずです。
そうなると、誰かに助けられることなくそのまま低体温症を発症し最悪の場合、命を落としていたでしょう。
アイゼンを装着した時の歩行は、 フラットフィッティングが基本です。
フラットフィッテイングについてはこちら
↓
プロ登山家と初心者の違いはちょっとした歩き方のコツにあった!
なぜなら、フラットフィッテイングで歩くことによって、アイゼンの爪を効率よく雪面に突き刺し、アイゼンの滑り止め効果を遺憾無く発揮することができるのです。
こちらをご覧ください↓
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この写真では、アイゼンに①〜⑫までの爪があり、この中で歩行で使用する爪は③〜⑫になります。
③〜⑫の爪をしっかりと雪面に突き刺すイメージを持って歩行することが非常に大切です。
①、②の爪は、急斜面の雪面を登る時に使う爪です。
また、アイスクライミングでは主に①、②の爪を垂直の氷壁に引っ掛けてこのように↓登っていきます。
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いずれあなたも使う時が来るかもしれませんね♫
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あなたの命を守る雪山装備8 雪崩が発生しやすい斜面は?
気象条件に大きく左右される雪崩の発生。そのため雪崩の発生を予測することは非常に困難です。
しかし、いつ雪崩が発生するかがわからずとも雪崩が発生しやすい斜面を知ることはできます。
なぜなら、雪崩が発生する斜面は何かしらの特徴を有しているためです。
あなたの命を守る雪山装備9 樹木のない斜面で雪崩注意
雪崩はあまりにも強力なため、斜面にある何もかもを押し流していきます。
私もあなたも、そしてそこに存在する樹木もです!
雪崩が発生しやすい斜面に樹木が育つことはなく、そこは開けた斜面となります。
つまり、周囲が樹木で密集しているにもかかわらず一部だけ開けた斜面があれば、そこは要注意ということになります。
あなたの命を守る雪山装備10 雪崩から生還ビーコン
仮にあなたが単独で雪山登山に挑戦するとしても必ず装備してほしいもの、それがビーコンです。
ビーコンとは小型の電子機器であり、このように定義されています。
”積雪時における登山や山スキーなど、雪崩に遭遇する危険のある場合に携行する小型の機器であり、電波の発信及び受信が可能である。同行者が雪崩に巻き込まれて雪の中に埋没してしまった場合、埋没した人が携行しているビーコンから発信される電波を救助者のビーコンで受信することにより、埋没した人の位置を探索できる。(Wikipediaより)”
機能はトランシーバーによく似ています。つまり、もしあなたが雪崩に遭遇し雪の中に埋没してしまった場合、1秒でも早くあなたを救い出すためにこのビーコンを身につけなくてはならないのです。
雪崩遭難者の救出は時間勝負!早ければ早いほど命が助かる可能性は高くなります!
あなたの命を守る雪山装備11 雪崩を知ることで回避
先ほどもお話ししましたが、私が今回雪崩についてあなたに解説したのは、あなたに「山は危険だからやめなさい」と言いたいからでは決してありません。
もちろん雪崩は恐ろしいし、簡単に人の命を奪う最強の災害です。
しかし、あなたが雪崩についての知識を持ち、雪崩から生還する準備をしていれば、雪崩など恐るるに足りません!
たとえ万一の事態が発生しても、あなたが持つ雪崩についての知識、雪山装備はそのままあなたの命を救うことになるのです。
【あなた】
雪崩に発生ポイントがわかっていたためにそこを避けることができた!!
【あなた】
運悪く雪崩に遭遇してしまったが、ビーコンを身につけていたために素早く救助された!
実際にそんなことが起こるのです!
そして、何よりも雪山の危険を「知る」ことで、雪山に対する恐怖を取り払い雪山での登山を快適に楽しむことができるのです!
雪山は、知識、経験、技術、そして準備が整っていれば最高に美しく楽しい世界!!そんな世界をぜひ体験してください!
2021.06.21
あなたにおすすめしたい雪山必須アイテムのアイゼン
あなたにおすすめしたい雪山必須アイテムのアイゼン
こんにちは!コピーライター兼登山家の松浦です。
今回はアイゼンについてお話しします。
ちょっと聞きなれない言葉かもしれませんが、アイゼンとは雪山登山時の必須アイテムである滑り止めアイテムのことです。
例えば、雪道を車で走行する場合、スリップを防ぐためにタイヤにチェーンを巻きますよね!
同じように雪山の登山道、それも斜面を登る時は、必ず滑り止めのアイテムを装着しなくてはなりません。
普段の生活ではまずお目にかかれないアイテムなので、初めて見るとギョッとするかもしれませんが、雪山ではこれが絶対に必要です。
もちろん、他の登山用アイテムがそうであるように、アイゼンにも数種類あり、雪山の状況次第で最適なアイゼンを使わなくてはなりません。
ただ、このアイゼン・・決して安くありません。
だから今回は、この組み合わせを持って入ればほとんどの雪山に対応できるというおすすめのアイゼンを紹介しようと思います。
雪山デビューを控えたあなたには是非とも読んでいただきたいと思います。
それではどうぞ!
あなたにおすすめのアイゼン1 アイテムが命運を握る雪山
以前にもあなたに解説したことがありますが、雪のない季節、つまり春夏秋の登山と雪山登山は、全く別ものと考えなくてはなりません。
もちろん登山として難易度の高いのは、雪山登山です。
一面銀世界の雪山。その姿は見る者を魅了し「その山に登ってみたい!」と多くの登山家を引き寄せます。
しかし、そこは人が生きるにはあまりにも厳しい世界です。
本来、人間には体温を一定に保つ機能が備わっていますが、雪山の極めて低い気温は、時に人の体温すら容易に奪ってしまいます。
ただそこに居るだけで命の危険にさらされる雪山の環境。
だからこそ、雪山登山は雪のない季節の登山とは全く別物であり、雪山登山に挑戦するためには
多くの道具が必要となってくるのです。
そして、その道具一つ一つがあなたの命を守ることになるのです!
ようやく気持ちの良い季節になりましたね♬
この記事を書いている現在、2017年(平成29年)3月30日、まさに春本番です。
昨日までちょっと肌寒かったのですが、今日出勤のために玄関を出た瞬間、フワッと心地よい風が
吹き抜けていきました。
「今日も仕事がんばるぞっ!」
そんな気分にさせる心地よい春の風でした♬
そして登山にも最適な季節です。
ほんの1か月前までは完全防寒の雪山登山スタイルでしたが、今はもうそのスタイルだとちょっと大げさです。
もちろん油断はできませんが、春を意識した登山スタイルでも行けそうな気候になってきました。
私自身は雪山登山が大好きですけどね 笑
そんな春の登山でも、やはりこの季節特有の注意点はあります。
まず、雪崩です。よほど雪深い山でないと縁のないことと思われがちですが、春の気温となり積もっていた雪が溶けやすくなっているのです。
ほんのちょっとした雪への振動がきっかけとなって発生する雪崩。
当然、雪解けによる雪崩の発生はこの時期多発します。残雪の深い山に行くときは十分に注意する必要があります!
そんな雪崩についてはこちら
↓
雪山最大の脅威からあなたの命を守る雪山装備とは
その他にも春特有の注意点はありますが、ここでは特に日焼けの防止について解説します。
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それでも夕方4時くらいになると、空腹で集中できなくなってしまいます。で、結局またコンビニへ直行し好物のスナック菓子やチョコを購入。
帰宅後は、夕食をきっちり食べ、しかもおかわりまでしてしまいます・・・
そんなに食べてるとやはり食費は気になってしまいますが、それはどうしようもありません・・
それよりも気になるのは体重!さぞ増えていることだろうと昨日、恐る恐る体重計にのってみました。
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あまり見たくありませんが、やはり体調管理は大事です!で、体重計の数値はというと・・・
全く増えていない!どころかなんと少し減少!しているのです!!
たまに、いくら食べても全く太らないといううらやましい体質の方がいらっしゃいますが、残念ながら私はそんな体質を持っていません。
食べれば食べた分だけ脂肪は蓄積され、それはしっかりと体重にも反映されます。
おそらく、私を含めた多くの方がそういう体質ではないでしょうか?
というよりも人間の身体はエネルギーを脂肪として蓄積するようにできているので、当たり前なのですが。
では、なぜ普段よりも食欲が旺盛で、しかも本能の赴くまま食物をむさぼっている私の体重が増えないどころか、むしろ減っているのか?
これには御多分に漏れず、やはり 登山が大いに関係しています。
以前、ダイエットについて記事を書いたことがありますが
↓
ありとあらゆるダイエット法の頂点に立つ登山という方法
それとはまた別の視点でダイエットについて解説していきますね。
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さてその雪山登山、先ほども言ったように雪山登山特有の道具がいくつかあります。
それらは雪山登山必須のもので、これらを持たずに雪山に挑戦することはあり得ません。
どれも命に関わるものであるためです。
ここではそのうちの1つピッケルについてあなたに解説します。
雪山登山に挑戦する登山家を見ればわかりますが、その手には必ずピッケルがあります。ピッケルとは何に使うものなのか?
●山を登る時、降りる時のバランスの補助
●風が強い時の姿勢の補助
●登山道で転倒した時の滑落防止の支点
●氷雪に打ち込んで体を保持
つまり、主に雪道を歩く時の杖として使用するため、歩行時は常に手に持つことになるのです。
時にはピッケルを雪面に打ち込んで雪面を登ることもあります。
また、常に角度のある道を歩くことになるため、足を滑らせて転倒してしまうとどこまでも滑り落ちてしまいます。
滑り落ちた先が崖になっていると、もはや助かりません。
そんな時、このピッケルを雪面に打ち込んで滑落を止めることができるのです。
まさに攻守ともに大活躍!!というわけですね。
そんな厳しい雪山の環境。歩行するにしても特殊な道具、そして技術が必要になります。
今回は、雪山の歩行で必ず必要な道具の1つであるアイゼンについて解説します。
アイゼンとは、登山靴のソール部分に装着する、金属製の鋭い爪を備えた特殊道具。すなわちこれです↓
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まるでライオンか狼の牙のように鋭い歯が数本生えたかのようなアイテムです。
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この見た目から、このアイゼンを何に使用するかは容易に想像できると思います。
そうです!氷や氷化した雪の上を歩く際に滑り止めとして靴底に装着するものです。
この写真のアイゼンは12本爪のタイプですが、他にもこれだけの種類が存在します。
・4本爪(軽アイゼン)
・6本爪(軽アイゼン)
・8本爪
・10本爪
・チェーンタイプ
それぞれ解説しますね!
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登山靴のソール部分に装着するのは、どのアイゼンも同じですが、先ほどのアイゼンと比較すると明らかに爪の数が少ないことがわかります。実際にこのアイゼンの爪は4本です。
雪面歩行での滑り止めという役割を果たすことに変わりはありませんが、これで雪山登山を登ることは不可能です。
基本的に軽アイゼンは、雪のない季節の、標高の高い場所の残雪で使用するタイプのものです。
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本来雪の降る季節ではない春夏秋でも、標高が高い場所では雪が残っています。登山道で残雪があると、どうしてもそこを通らなくてはなりません。そんな時に、この軽アイゼンが活躍する!というわけです。
比較的小さくて持ち運びも楽なので、ザックの片隅に入れておくと、いざという時に重宝します。
ただしこの軽アイゼン、雪山登山では全く役に立ちません。雪山登山ではザックに入れる必要すらないと考えてよいでしょう。
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「山の天気は変わりやすい」と昔から言われるように山ではコロコロと天気が変わります。
また地形など局地的な状況で、天候は大きく変わるため実際に何時に雨が降るかなどを知ることはできません。しかし、広域での天気予報で「天気が荒れるかどうか」 は一般的な平地の天気予報で誰もが知ることができます。
【気象予報士】
明日は低気圧が近づいて荒れ模様です
という予報ならば、あなたが登る山も十中八九荒れ模様です。
この際、前日の天気予報が当たるか否かは置いておきましょう。それは特段重要なことではありません。
それよりも
「こういう可能性がある」ということは山でも当てはまる、ということをよく覚えておくことが最も重要であり、一般的な天気予報の利用方法です。もちろん、
それは雷においても同様です。
|テレビ等で確認
天気予報を確認し、
「雷を伴う」という表現があるかに留意。
|インターネットで確認
Yahoo!天気・災害
気象庁天気予報
日本気象協会tenki.jp
ウェザーニュース
日本気象株式会社 てんきとくらす
ヤマケイオンライン
|電話で確認 177番
今日・明日・明後日の天気予報を電話(自動音声)で聞くことができます。平地用ですが参考にすることはできます。
市外局番+177番
例えば上高地なら 0263177 で長野県中部気象台発表の天気予報が流れます。 注意報・警報、天気、降水確率、予想気温等が順番に流れます。
|山中での確認方法
●スマホのアプリ(電波の入りやすいところでは有効。事前に使いやすいものをインストールしておく)
●山小屋や自然センター等に張り出してある天気図
●AMラジオ
山中で積極的に天気情報を確認するにはラジオが適しています。スマホよりバッテリーのもちが良く、予備の準備も簡単です。また、ラジオは、スイッチを入れて歩くことでクマ除けにす人気の無い登山道では熊よけとしてつけながら歩くという人も居ます。
次に8本爪、10本爪、12本爪です。
12本爪のアイゼンは先ほど紹介しましたよね↑
雪山登山で主に使用するものはこの3種類になりますが、当然のことながら
爪の本数が多い方が滑り止め効果が高く安全性も増します。
また、爪の本数が少ないことのメリットもあまり考えられません。強いていうならば、ちょっとお求めやすい価格ということでしょうか。
しかし、もしあなたが雪山登山に挑戦するならば、
12本爪のアイゼンをオススメします。
価格は少しだけ上がりますが、間違いなくそれに見合う価値があります。
最後に、 チェーンタイプです。これは長い爪のついたものとは少し用途が異なります。
全体がチェーンで構成されており、ソール部分には細かい爪が18本ついています↓
|
その形状から、深い雪を歩くには役不足ですが、凍りついた岩や平坦な雪道を歩く時に最大の効果を発揮します。
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あなたにおすすめのアイゼン6 どのアイゼンを持つべきか
ちなみに私が所有するアイゼンは、これです↓
●
4本爪(軽アイゼン)
●
12本爪
●
チェーンタイプ
雪山登山に限らず、登山で最も注意すべきトラブルの1つが、
転倒、滑落であり、雪や氷はその最大の原因となり得ます。
とは言っても、転倒、滑落に気をとられすぎると、そもそも快適な登山ができません。
つまり、安全と快適のバランスが非常に大切であり、そのバランスを考えた結果、この3つを揃えておくことがベストだということです。もちろん、私個人の見解ですが。
ただ、オールシーズンで登山を経験している私ですが、今のところこの3つ以外のアイゼンの必要性を感じたことはありません。
是非とも参考にしてください!
ピッケルは、その形状から単に杖のように使用しても十分使用できますが、やはりより正しい持ち方を覚えてこそ、さらなる効果を発揮させることができます。
特に雪の急斜面を登る時、ピッケルはその効果を最大限発揮させることができます。
その持ち方をここで解説いたします。
まず、比較的平坦な登山道の歩行時には、カラビナホールあたりを手のひらで包むような感じで持ち、親指と人差し指でつまむように持ちます。この時、ピックを前方にしましょう。
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スピッツェを地面に刺しながら歩くと、杖代わりになって歩きやすくなることもあります。ピッケルはこの持ち方が基本となります。
雪の急斜面を登る時は、このように持ちます。
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このように持つことによって、ピックを雪の斜面に突き刺しやくなります。雪の斜面を登る時は足だけで登ることはできません。ピックを斜面に突き刺して身体を保持して登る必要があるのです。
このようなスタイルになります↓
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また、雪の斜面が非常に滑りやすいということは、あなたもよくお分かりのはずです。スキーやスノボ、ソリなどはその特性を存分に生かしたスポーツですよね。
登山でも素早く斜面を降りるために、お尻で滑ることがあります。この時、ピッケルがブレーキの役割を果たすのです。こんな風に↓
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また、うっかり尻餅をついてしまってそのまま斜面を滑り落ちてしまったという時は、このピッケルでブレーキをかけて身体を止めなくてはなりません。滑った先が崖だとそのまま滑落してしまうためです。
比較的安全あ雪の斜面でピッケルでブレーキをかける練習をしておくことをオススメします。
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あなたにおすすめのアイゼン7 アイゼンを生かす歩行技術
アイゼンを装着した時の歩行は、 フラットフィッティングが基本です。
フラットフィッテイングについてはこちら
↓
プロ登山家と初心者の違いはちょっとした歩き方のコツにあった!
なぜなら、フラットフィッテイングで歩くことによって、アイゼンの爪を効率よく雪面に突き刺し、アイゼンの滑り止め効果を遺憾無く発揮することができるのです。
こちらをご覧ください↓
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この写真では、アイゼンに①〜⑫までの爪があり、この中で歩行で使用する爪は③〜⑫になります。
③〜⑫の爪をしっかりと雪面に突き刺すイメージを持って歩行することが非常に大切です。
①、②の爪は、急斜面の雪面を登る時に使う爪です。
また、アイスクライミングでは主に①、②の爪を垂直の氷壁に引っ掛けてこのように↓登っていきます。
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いずれあなたも使う時が来るかもしれませんね♫
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あなたにおすすめのアイゼン8 アイゼンは習うより慣れ
今回はアイゼンについてあなたに解説しましたが、
ピッケル同様、アイゼンもまた使い方を習うよりも、
実際にあなたが雪山で使用することによって慣れるべきものです。
この記事を書いている現在2017年4月2日の夜。
今年の雪山登山の季節はほぼ終わり、12本爪のアイゼンを山で装着する機会は次の冬まで持ち越しです。
次の冬、雪山であなたに巡り合うことができれば、本当に嬉しく思います。
あなたと雪山で巡り合う日を夢見て!
ピッケルについての記事はこちら
↓
雪山登山の最重要アイテムであるピッケルの使い方と持ち方
2021.06.18
雪山登山の最重要アイテムであるピッケルの使い方と持ち方
雪山登山の最重要アイテムであるピッケルの使い方と持ち方
こんにちは!コピーライター兼登山家の松浦です。
今回は雪山登山での必須のアイテムであるピッケルと、その使い方と持ち方についてお話しします。
里山を軽くハイキングする程度ならば必要ありませんが、急斜面が続く登山道、特に雪山登山では、ピッケルなしでの登山はあり得ません。
T字型のアイテムで、つるはしにも似ているピッケル。
その形から、どう使えばいいのかの見当がつくかもしれません。
しかし、ピッケルの効果を100%生かし切るには、正しい持ち方、そして使い方に関する正しい知識と練習が必要です。
決して難しくはありません。この記事を読むだけで、正しい持ち方と知識が簡単に身につくはずです。
ピッケルの使い方1つで、周りの登山家のあなたを見る目が変わってきますよ!
それではどうぞ!
別の記事でも何度かお話ししたことがありますが、私は雪山登山が大好きです。もちろん、夏の登山も好きですが。
ただ、夏の登山と雪山登山のどちらが好きか?と問われたならば「雪山登山!!」と即答するでしょう。
では、雪山の何があなたを惹きつけるのか?と問われると・・・「何となく!」と回答してしまいます。もちろん、雪山登山の魅力を1つ1つ書き出せば、いくつも出てきます。
雪景色が神秘的、害虫が存在しない、空気がうまい、山料理の鍋物が美味い、などなど・・・
その一方で、実は雪山登山は、春夏秋の登山と比べてもかなり大変です!
しっかりと計画を立てる必要があるし、装備も夏山と比べるとはるかに多い。ザックの重さも比較になりません。
当日の天候も気になるところですし、何よりも春夏秋の登山とは全く異なる危険がたくさんあります。
うっかり雪庇に入ると滑落の危険大ですし、春夏秋とは景色が全く変わるので遭難もしやすい。
緊急のビバーク(緊急時の野営)となると、凍え死ぬ可能性も出てきます。
極寒の地を描いたドラマや映画で「寝るなっ!寝たら死ぬぞっ!」と寝そうになる仲間の頰をパンパンたたくシーンを見たことありますか?
雪山登山ではあれが現実に起きるのです。
雪山を知らない人が、春夏秋の登山と同じ装備で挑戦してしまうと、いとも簡単に命の危険にさらされる・・それが雪山登山なのです。
では、なぜ私がそんな雪山登山を好むのか?
先ほどは「何となく!」と回答しました。あと、サラッと雪山登山の良いところを紹介しました。
しかし、改めて自分がなぜ雪山登山が好きなのかを考えてみると、これだけの理由がありました。
●寒い方が自分の体質的に合っている
●見渡す限り一面銀世界の美しい山の姿が好き
●夏によく見る虫を気にする必要がない
●雪山特有の登山道具を使いこなすのが楽しい
●困難な山に挑戦する自分に酔える
●山料理の鍋物が本当に美味い
あなたはこの私の考えをどう思いますか?
残念ながら、私の考えに賛同してくれる人はあまりいません 笑
それでも、もしあなたがこれを読んで、賛同せずとも雪山登山に少しでも興味を持ってくれたならば、これほど嬉しいことはありません!
基本はやはり雪のない季節の登山ですが、ゆくゆくはあなたにも雪山に挑戦していただきたいと思っています。
ようやく気持ちの良い季節になりましたね♬
この記事を書いている現在、2017年(平成29年)3月30日、まさに春本番です。
昨日までちょっと肌寒かったのですが、今日出勤のために玄関を出た瞬間、フワッと心地よい風が
吹き抜けていきました。
「今日も仕事がんばるぞっ!」
そんな気分にさせる心地よい春の風でした♬
そして登山にも最適な季節です。
ほんの1か月前までは完全防寒の雪山登山スタイルでしたが、今はもうそのスタイルだとちょっと大げさです。
もちろん油断はできませんが、春を意識した登山スタイルでも行けそうな気候になってきました。
私自身は雪山登山が大好きですけどね 笑
そんな春の登山でも、やはりこの季節特有の注意点はあります。
まず、雪崩です。よほど雪深い山でないと縁のないことと思われがちですが、春の気温となり積もっていた雪が溶けやすくなっているのです。
ほんのちょっとした雪への振動がきっかけとなって発生する雪崩。
当然、雪解けによる雪崩の発生はこの時期多発します。残雪の深い山に行くときは十分に注意する必要があります!
そんな雪崩についてはこちら
↓
雪山最大の脅威からあなたの命を守る雪山装備とは
その他にも春特有の注意点はありますが、ここでは特に日焼けの防止について解説します。
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それでも夕方4時くらいになると、空腹で集中できなくなってしまいます。で、結局またコンビニへ直行し好物のスナック菓子やチョコを購入。
帰宅後は、夕食をきっちり食べ、しかもおかわりまでしてしまいます・・・
そんなに食べてるとやはり食費は気になってしまいますが、それはどうしようもありません・・
それよりも気になるのは体重!さぞ増えていることだろうと昨日、恐る恐る体重計にのってみました。
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あまり見たくありませんが、やはり体調管理は大事です!で、体重計の数値はというと・・・
全く増えていない!どころかなんと少し減少!しているのです!!
たまに、いくら食べても全く太らないといううらやましい体質の方がいらっしゃいますが、残念ながら私はそんな体質を持っていません。
食べれば食べた分だけ脂肪は蓄積され、それはしっかりと体重にも反映されます。
おそらく、私を含めた多くの方がそういう体質ではないでしょうか?
というよりも人間の身体はエネルギーを脂肪として蓄積するようにできているので、当たり前なのですが。
では、なぜ普段よりも食欲が旺盛で、しかも本能の赴くまま食物をむさぼっている私の体重が増えないどころか、むしろ減っているのか?
これには御多分に漏れず、やはり 登山が大いに関係しています。
以前、ダイエットについて記事を書いたことがありますが
↓
ありとあらゆるダイエット法の頂点に立つ登山という方法
それとはまた別の視点でダイエットについて解説していきますね。
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さてその雪山登山、先ほども言ったように雪山登山特有の道具がいくつかあります。
それらは雪山登山必須のもので、これらを持たずに雪山に挑戦することはあり得ません。
どれも命に関わるものであるためです。
ここではそのうちの1つピッケルについてあなたに解説します。
雪山登山に挑戦する登山家を見ればわかりますが、その手には必ずピッケルがあります。ピッケルとは何に使うものなのか?
●山を登る時、降りる時のバランスの補助
●風が強い時の姿勢の補助
●登山道で転倒した時の滑落防止の支点
●氷雪に打ち込んで体を保持
つまり、主に雪道を歩く時の杖として使用するため、歩行時は常に手に持つことになるのです。
時にはピッケルを雪面に打ち込んで雪面を登ることもあります。
また、常に角度のある道を歩くことになるため、足を滑らせて転倒してしまうとどこまでも滑り落ちてしまいます。
滑り落ちた先が崖になっていると、もはや助かりません。
そんな時、このピッケルを雪面に打ち込んで滑落を止めることができるのです。
まさに攻守ともに大活躍!!というわけですね。
実は私、山に登るのは月に2~3回です。
もちろん、もっともっと登りたいのですが、仕事等の事情もありこのくらいのペースで登るのがやっとです・・
山に登る魅力はここで何度も解説しているとおりですが、魅力の1つが 非常に高度な有酸素運動であるということです。
登山では決して走ることはありません。
( トレイルランニングという競技がありますが、それとはまったく別です)
ある程度大きな荷物を背負って、山の木々や壮大な景色を愛でながらのんびりと山道を登っていきます。
もしあなたが正しい姿勢、正しい歩行技術を身につけているならば、その歩行は全身運動となっています。
正しい歩行技術についてはこちら
↓
プロ登山家と初心者の違いはちょっとした歩き方のコツにあった!
脚の筋肉はもちろんのこと、体幹、腕の筋肉も隈なく使用し、脂肪は極めて効率よく燃焼していきます。
例えば、日帰り登山での脂肪燃焼の量をカロリーで表すと、 約2000キロカロリー!
もちろん、様々な要素が絡むためおおよその数値になりますが、この消費カロリーは20kmのマラソン、つまりハーフマラソンの完走時に匹敵します。
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ハーフマラソンを完走することは並大抵のことではありません。
私は人一倍登山経験があると自負しておりますが、お恥ずかしながらハーフマラソンを完走する自信はありません 笑
仮に、全身ボロボロになりながらもどうにか完走したとしても、翌日、全身筋肉痛で起き上がることすらできないでしょう。
そして「もう二度とゴメンだっ!!」と固く誓うに違いありません 笑
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「山の天気は変わりやすい」と昔から言われるように山ではコロコロと天気が変わります。
また地形など局地的な状況で、天候は大きく変わるため実際に何時に雨が降るかなどを知ることはできません。しかし、広域での天気予報で「天気が荒れるかどうか」 は一般的な平地の天気予報で誰もが知ることができます。
【気象予報士】
明日は低気圧が近づいて荒れ模様です
という予報ならば、あなたが登る山も十中八九荒れ模様です。
この際、前日の天気予報が当たるか否かは置いておきましょう。それは特段重要なことではありません。
それよりも
「こういう可能性がある」ということは山でも当てはまる、ということをよく覚えておくことが最も重要であり、一般的な天気予報の利用方法です。もちろん、
それは雷においても同様です。
|テレビ等で確認
天気予報を確認し、
「雷を伴う」という表現があるかに留意。
|インターネットで確認
Yahoo!天気・災害
気象庁天気予報
日本気象協会tenki.jp
ウェザーニュース
日本気象株式会社 てんきとくらす
ヤマケイオンライン
|電話で確認 177番
今日・明日・明後日の天気予報を電話(自動音声)で聞くことができます。平地用ですが参考にすることはできます。
市外局番+177番
例えば上高地なら 0263177 で長野県中部気象台発表の天気予報が流れます。 注意報・警報、天気、降水確率、予想気温等が順番に流れます。
|山中での確認方法
●スマホのアプリ(電波の入りやすいところでは有効。事前に使いやすいものをインストールしておく)
●山小屋や自然センター等に張り出してある天気図
●AMラジオ
山中で積極的に天気情報を確認するにはラジオが適しています。スマホよりバッテリーのもちが良く、予備の準備も簡単です。また、ラジオは、スイッチを入れて歩くことでクマ除けにす人気の無い登山道では熊よけとしてつけながら歩くという人も居ます。
こちらがピッケル、そしてその各部位の名称です。
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以下、ピッケルの各部位について解説します。
1.ピック
氷雪に打ち込んで、斜面を登る支点とする。滑落時もここを氷雪に打ち込んで滑落を止める。
2.カラビナホール
ピッケルの落下防止のためのピッケルバンドを通す穴。カラビナをかけることもある。
3.ブレード
雪や氷をここで削り、山を登る時、降りる時の足場を作る。急斜面での休憩場所作りや雪洞を掘る時にも使う。
4.シャフト
ピッケルの握りの部分。ゴムでコーティングされているものもある。
5.スピッツェ
山を登る時、降りる時、ここを斜面に刺しつつバランス補助で使用する。
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登山ショップに行けば、形も長さも様々なピッケルが陳列されています。デザインで選ぶことも大事ですが、もし可能ならば、縦走用と登攀用の2種類のピッケル購入をおススメします。
縦走用ピッケルは、比較的傾斜角の緩い斜面を歩行するためのものであり、主に杖として使用することになるため、比較的長いピッケルである必要があります。
登攀用ピッケルは、比較的急な斜面を登る時に大活躍します。使い方は後ほど詳しく説明しますが、登攀用ピッケルは短い方が使いやすいでしょう。
縦走用と登攀用、それぞれのピッケルの違いは長さであり、他に違いはありません。長さの目安はこんな感じです↓
●縦走用ピッケル:男性は65~75cm 女性は60~70cm
●登攀用ピッケル:男性は50~60cm 女性は45~55cm
もちろん、縦走用と登攀用で1本のピッケルを使っても問題ありません。ちなみに私は1本のピッケルを兼用しています。
ピッケルを使用する上で最も気を付けなくてはならないのは、 手から落としてしまうことです。特に、急な斜面でピッケルを落としてしまうと、斜面をどこまでも滑り落ちてしまうため回収不可能です。また、雪山の急斜面だと、ピッケルが下の登山家に当たってしまう危険性もあります。
そんなときのために、ピッケルバンドというものがあります。そんな大げさなアイテムではありません。
要は、ピッケルを身体に括り付けるためのバンドです↓
”ピッケルのバンドは要らない。これは、近藤さんの流儀。経験からの話も加味されてのことですが、万が一にも転倒や滑落をしてしまった場合、ピッケルと身体がバンドで結ばれていることでのマイナス面を考えてのこと。ピッケルで身体を止められるのは、ほんの一瞬の判断でしかありません。もし、そこで止められずに滑っていってしまえば、斜面を転がり落ちる身体とともに、バンドにつながったピッケルが凶器となって降り注いできます。
「だから、ピッケルにはまったくバンドは付けない方がいい。手首とピッケルをつなぐ方法のほか、初心者がよくやるシュリンゲで身体に巻き付けているのはもっと危険なので止めておいた方がいい。むしろ、バンド類を付けずに手に一体化させて、つねに握っている感覚を覚え込ませるようにするべき。ヨーロッパのガイドでピッケルにバンドを付けている人は稀ですね」”
AKimamaより
雪山ではどんな危険が潜んでいるかわかりません。
ピッケルバンドを使用しない方が良いという考えは、おそらく過去にピッケルバンドを装着していたことによる負傷があったことによるものと考えられます。ここにあるように 「手に一体化させて、つねに握っている感覚を覚え込ませる」ことが最善の策なのかもしれません。
ピッケルバンドを使用するか否か、あなたの考え方次第です。ちなみに私は、ピッケルバンドを手に括り付けます。
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ピッケルは、その形状から単に杖のように使用しても十分使用できますが、やはりより正しい持ち方を覚えてこそ、さらなる効果を発揮させることができます。
特に雪の急斜面を登る時、ピッケルはその効果を最大限発揮させることができます。
その持ち方をここで解説いたします。
まず、比較的平坦な登山道の歩行時には、カラビナホールあたりを手のひらで包むような感じで持ち、親指と人差し指でつまむように持ちます。この時、ピックを前方にしましょう。
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スピッツェを地面に刺しながら歩くと、杖代わりになって歩きやすくなることもあります。ピッケルはこの持ち方が基本となります。
雪の急斜面を登る時は、このように持ちます。
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このように持つことによって、ピックを雪の斜面に突き刺しやくなります。雪の斜面を登る時は足だけで登ることはできません。ピックを斜面に突き刺して身体を保持して登る必要があるのです。
このようなスタイルになります↓
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また、雪の斜面が非常に滑りやすいということは、あなたもよくお分かりのはずです。スキーやスノボ、ソリなどはその特性を存分に生かしたスポーツですよね。
登山でも素早く斜面を降りるために、お尻で滑ることがあります。この時、ピッケルがブレーキの役割を果たすのです。こんな風に↓
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また、うっかり尻餅をついてしまってそのまま斜面を滑り落ちてしまったという時は、このピッケルでブレーキをかけて身体を止めなくてはなりません。滑った先が崖だとそのまま滑落してしまうためです。
比較的安全あ雪の斜面でピッケルでブレーキをかける練習をしておくことをオススメします。
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この他にもピッケルま様々な使い方をすることができます。例えば、長く続く雪の斜面の途中で足場を作りたい時、ピックの反対側であるブレードで斜面を削って足場を作ることができます。
また、スピッツェを雪に深く差し込んで、カラビナをかけてザイルを結べば、ピッケルを支点にして懸垂下降をすることができます。
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ただ、この使い方はかなりの高等テクニックです。この使い方を覚えたいあなたは、実際に雪の斜面に立ってベテラン登山家からレクチャーを受けましょう。
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もしあなたが雪山登山をするならば、どんなに低山であったとしても必ずピッケルを手に入れた上で、登山に挑戦してください。
雪山でのピッケルはあなたの歩行を助けるだけでなく、時にはあなたの命を守るかけがえのない相棒となるはずです。
そして手に入れたらとことん使い込んでください!使えば使うほどあなたの手に馴染んで、あなただけのピッケルとなるはずです。
そうなったら、もう雪山登山が楽しくて仕方がない!と感じるようになりますよ。そう!今の私のように!
2021.06.08
雪山大好きなあなたにおすすめしたいアイスクライミング
雪山大好きなあなたにおすすめしたいアイスクライミング
こんにちは!コピーライター兼登山家の松浦です。
あなたはアイスクライミングというものを知っていますか?
日本の八ヶ岳や南アルプス、海外ではヒマラヤ山脈で見られる氷瀑という現象があります。
氷瀑とは、極寒の地の滝が凍って巨大な雪の壁となる現象のことです。
この氷瀑をクライミングの要領で登ってしまおうというのがアイスクライミングです。
今はレジャー的な要素が強いアイスクライミングですが、標高5000m以上の山を登頂するために必須の技術です。
日本では、このアイスクライミングを体験できる場所はかなり限られますが、もしあなたが雪山登山に興味を持ち始めたならば、そして雪山大好きならば、是非とも体験していただきたいと思います。
あなたの登山技術の向上に繋がり、何よりも本当に面白い!雪の壁を登り切った時、何物にも代えがたい達成感が全身を貫き、そしてその瞬間あなたはアイスクライミングの虜になるはずです。
この記事で、その一端をぜひ体験してみてください!
雪山大好きなあなたへ1 アイスクライミングについて
以前の記事で、八ヶ岳の山小屋
「赤岳鉱泉」について書いたことがありました。
そこでは、特に冬に多くの登山家が訪れること、そして「アイスキャンディー」と呼ばれる人工の氷壁があり、そこでアイスクライミングが体験できることを解説しました。
今日は、そのアイスクライミングについてあなたに解説しようと思います。
先ほどもお話ししましたが、アイスクライミングとは、自然にできた山の氷壁をアックス、アイゼンなどの道具を使ってよじ登ることを言います。
アックスとはこれです↓ピッケルの1種ですが完全にアイスクライミング専用です。
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アイゼンはこれです↓登山靴の裏にいくつもの爪がついており、積雪時の登山やアイスクライミングではこれが必要です。
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元々は、山の頂上に立つための技術であり、あえて困難な状況での登頂を目指す、冒険心溢れる登山家によって次第に広まりました。
というと、あなたはこう思いませんでしたか?
【スタッフ】
しかし、何もわざわざ氷壁を登らなくても、他にも山頂へと続くルートがあるのでは?
実はその通りです 笑
特に、日本ではアイスクライミングができるほどの氷壁ができる山は限られますし、わざわざ氷壁を登らずとも山頂へのルートはちゃんとあります。
つまり、アイスクライミングに挑戦しようという登山家は、自らの登山技術の幅を広げようという
目的があるのではないかと思います。
あるいは、海外の山に挑戦しようという登山家かもしれません。
日本では、冒険心溢れる登山家が挑戦するアイスクライミングですが、海外にはアイスクライミングの技術が必須となる山が多くあります。
なぜなら、標高5000mを超える山が多く存在し、標高が非常に高いため年中雪や氷に覆われているのです。
例えば、 エベレスト!言わずと知れた世界一標高の高い山で、その標高は8848m。
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もちろん私は登ったことはありませんが、その山頂に立つためには極めて高度な登山技術、そして
アイスクライミングの技術が必須なのです!
エベレスト登頂を夢見て、来るべきその日のために日本でアイスクライミングの技術を磨く登山家も多いはずです!
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雪山大好きなあなたへ3 私のアイスクライミング体験
で、私自身はというと、実は赤岳鉱泉で何度かアイスクライミングを体験したことがあります。
初めて挑戦した時は、実は5mも登れませんでした・・・
そのときの感想はというと・・とにかく腕がパンパンですっ!!
アイスクライミングでは、両手にアックスを両手に持ち氷壁にアックスを打ち込みながら登っていくのですが、アックスを打ち込むとき、そして打ち込んだアックスで自分の体重を支えるとき、初心者は必要以上に体力を消耗してしまいます。
実はこれ、アイスクライミング初心者がよくやってしまうミスです。初心者は、どうしても腕に頼りがちになってしまいます。
ベテランになると、腕と脚に力をうまく分散させて、腕でアックスを打ち込み、脚で体重を支えるので体力を温存させることができるのです。
つまり、登るときの基本はボルダリングやクライミングとあまり変わりません。決定的に違うのは、両手両足に道具を装着することでしょう。
すなわち、アイスクライミングで最も重要なポイントはこの2つです。
●バランス感覚
●アックスとアイゼンを100%信用できるか
クライミングの基本を身につけて、この2つのポイントをクリアすれば、アイスクライミングは決して難しいものではありません。
初めての挑戦で悔しい思いをした私は、来シーズンに向けてボルダリングの技術を磨き、そして翌年の2回目の挑戦で8mの高さまで登ることができました。
次はいつ挑戦できるかわかりませんが、その時はなんとかてっぺんまで登ってみせるぜ!と思っています!
アイスクライミングの魅力は、100%自分の力で登っている感覚があるということだと思います。
どういうことか?
ボルダリングやクライミングでは、基本的に自然の岩場を登る対象とします。
もちろん登るルートを変えることもあるとは思いますが、基本的に岩の形は変わりません。どんなに困難なルートでも誰かが攻略法を見出せば、それを教えてもらうことで次第に登れるようになります。
しかしアイスクライミングの場合、登る対象が氷であるため毎シーズン氷壁の形が変化します。
毎年、氷壁はその表情をまるっきり変え、それがアイスクライミングをより困難にしているのです。
従って、去年までのルート攻略法が全く意味を成さなくなり、毎年自ら氷壁を攻略しなくてはなりません。
つまり、その氷壁を攻略して登り切ったとき、それは100%自分の力で登ったことになるのです!
毎年、自分でルートを切り開いていく楽しみ!そもそも氷壁にアックスを打ち込んで登るわけですから、文字通りルートを切り開いていくと言えます!
もしあなたが、アイスクライミングに興味を持ったのならば、あなたの家の近所の岩場やクライミングジムでクライミングの感覚と基本を身につけて、その上で赤岳鉱泉のアイスキャンディーに挑戦することをオススメします。
赤岳鉱泉に悠然と立ちはだかるあのアイスキャンディーを見れば、きっとあなたの冒険心を駆り立ててくれますよ!!