2021.07.21

登山初心者が覚えておくべき怪我の応急処置法

登山初心者が覚えておくべき怪我の応急処置法
こんにちは!登山家の松浦です。
以前、こちらで山での遭難事故、トラブルについてお話ししました。

登山で遭難しないためにあなたが知っておくべきこと

今回はさらに、登山時の怪我についてより詳細にお話しようと思います。

登山中に足をグネってねんざしてしまった!派手に転倒して手首や足首、ヒザ、腰を痛めてしまった!うっかりと転倒して膝を擦りむいた、手を切った、といった出血を伴う怪我。

本当に不愉快ですよね。

怪我の程度次第ですが、いったん怪我を負ってしまうと、とにかく患部が気になって登山に集中ができなくなってしまいます。

「歩く度に患部が痛む・・・傷口の出血は止まったかな?傷から細菌を入らないように注意しなくては・・なんとか手当できないかな・・」

下山して家に帰るまで延々とそんなことに気を取られてしまうことになるのです。実際に私がそうでした。

もちろん、怪我してしまった以上仕方のないことかもしれません。しかし、せっかくの休日を満喫しようと山に来たのに、怪我の思い出しかない・・・なんてあまりにも寂しすぎますよね?

そこで、もしあなたが、ある程度の怪我や負傷ならばなんとか気にならない程度にまで応急処置ができるとすれば、怪我を恐れることもなく、安心して山を満喫できるのではないでしょうか?

もちろん、怪我をしないことが最優先であることは言うまでもありません。

ただ、他のトラブルと同じように、好き好んで怪我をする人など誰一人としていません。誰もが怪我をしてしまう可能性を持っているのです。

そこで、今回の記事では、より詳細に怪我を追ってしまった時の応急処置の手法についてお話します。登山前、自分自身にミニ保険をかける感覚でお読みいただければ幸いです。

それではどうぞ!

登山の怪我応急処置法 擦り傷・刺し傷

ある夏の日の登山中、まるでワナのように輪っか状に潜んでいた木の根っこに足を引っ掛け、激しく転倒してしまった私。比較的薄手のパンツを履いていたことが災いし、ヒザを大きく擦りむいてしまいました。
夏の登山であったため、水分補給用に大量に持っていた飲み水で傷口を洗浄できたのはよかったのですが、それ以外の応急処置の手段がありませんでした。

仕方なく、汗拭き用のタオルを傷口に巻いたものの、後から後から血が染み出してきてあっという間にタオルは血だらけ。なんとか歩行を続けたのですが、傷口が気になって仕方ありませんでした。

そのうち傷口がズキズキと痛みだしてきて、もはや登山どころではなくなりました。すぐに下山し、慌ててコンビニで消毒液とガーゼを購入したのでした・・・

これは、私の身に実際に起こった出来事です。

下山を決断した時、幸いにも山の中腹あたりだったためすぐに下山し、コンビニで消毒液とガーゼを購入できたのですが、簡単に下山できないところまで来ていたと考えるとゾッとします。

急いで下山しても数時間はかかるはずですし、注意力がおろそかになった状態で慌てて下山して転倒したり、滑落したりなど、さらなる怪我を負ってしまっていたかもしれません。

登山中でもある程度の傷は適切に応急処置できるように、ごく基本的な応急処置の知識と簡単な救急セットは極めて大事だと言えるでしょう。この記事を読んで、いざという時の対処法をしっかりとイメージしていただければ良いかと思います。

まずは綺麗な水でよく洗うこと
擦り傷の場合は、まず飲料水でケガしたところをよく洗い傷口が化膿しないようにすることが大切です。ただ、飲み水としてスポーツドリンクしかない人もいるかもしれません。

もちろん水分補給にはスポーツドリンクがベストではあるのですが、このような時のことを考えて水も持っていたほうがよい、ということです。

例えば、単独行ならば500mlのペットボトル一本は水にして、残りはスポーツドリンクにしたとします。その場合スポーツドリンクから先に飲みます。水はなるべく、無事下山するまで飲みきってしまわないようにします。下山口のバス停や車に着くまでは何があるかわかりませんから、非常食的な意味も兼ねて無くならないように配分して飲むのが理想的です。

ザックに入れておきたい消毒液
私が小学生だった頃、頻繁にお世話になっていました。放課後に道路、公園、砂利道、田畑などところかまわず友達と走り回っていた時、こけてヒザを擦りむいた状態で帰ってから待っていたのが、このマキロンでの消毒でした。

登山中の傷にももちろん極めて有効です。

また水で洗うといっても、沢の水にはどんな菌が入っているかわかりませんから、可能な限り水筒の飲み水を使って洗います。とは言っても登山ではその水筒の中の水は沢の水だったりしますから、やはり消毒液をメンバーで1つ持っていると安心です。

このタイプは標高が高くなり気圧が低くなると中の液体が漏れる心配があります。一度使ったものは漏れやすいのでビニールに入れることと荷物などでさらに潰さないように気をつけるとよいでしょう。

"傷の応急処置、基本ステップ

1.洗う
2.消毒
3.傷口の保護(絆創膏・ガーゼ・ガーゼ&テーピングテープ・包帯)
4.圧迫して止血*

*止血が必要な場合、かなりの緊急性を要す上に医療の知識が必要です。止血法についてはこちらを確認。"


不十分な応急処置の水洗い
傷を負った場合、とにかく初期のこの水洗いが非常に重要です。

応急処置での水洗いが不十分、あるいは細菌が入った水で洗浄してしまった場合、傷口が化膿してしまうことがあります。特に山では、土から細菌が傷口に侵入してしまうことがあり、より注意が必要です。

また、キズパワーパッドなどのような、乾かさずに傷口をくっつけるタイプの絆創膏を使う場合は、消毒液や軟膏を使ってはいけません。

刺し傷の応急処置
ここまで擦り傷の応急処置についてお話してきました。傷口の洗浄や消毒、保護がその基本的な方法でしたが、ここで1つ、例外となる傷口についてお話しします。

例外とは、刺し傷です。刺し傷の場合、無理やり抜いてしまうと出血を引き起こしたり傷口が広がったりしてしまいます。
そのため抜いたり洗ったりせずに、そのまま固定して大至急下山し、医療機関に任せます。手順は次のとおりです。ここでは、木の枝が刺さったものと仮定しましょう。

"1.刺さった枝が長い場合、切って短くし、下山のジャマにならないようにする。
2.刺さった枝を固定すべく、根本にガーゼなどを当てテーピングテープで傷口周辺を圧迫しつつ巻きつける。圧迫することは止血の役割もする。とくに枝が絶対に動かないようにする。
"

直接圧迫法を覚えておきましょう
滅多にないことですしそう願いたいのですが、万が一登山中に大量の出血があった場合についての対処法をお話します。

パートナーもしくはあなた自身が大量の出血を伴う傷を負ってしまった場合、かなり気が動転すると思います。しかし、動転してどうにかなるものではありません。負傷者の命を救うために、1つだけ止血法を覚えておきましょう。現在では直接圧迫法のみで行うのが主流となっています。

直接圧迫法の手順は次のとおりです。

"1.出血が多ければ、抑える手にビニール袋などをはめ血液に触らないようにする(傷への感染予防)。
2.傷口にきれいなガーゼ・ハンカチなどを当て、その上から手で圧迫する。
3.片手で止まらない時は、両手で体重をかけて圧迫する。
4.再出血が心配される時は布は外さない。止まりづらい場合は、傷口を心臓より高くする。"


これで、ほとんどの出血は止まります。止血法のより詳しい情報はこちら

薬の服用の効果
切り傷などで傷が痛む時、バファリンなどの鎮痛剤を飲むことも有効です。当たり前ですが、用法・用量を守りましょう!
傷による下山のタイミングは?
もちろん傷や出血の程度や本人の気持のショック度合いに依りますし、また長期山行であれば感染の心配もあります。大丈夫だろうと思って行程を進めた場合のエスケープルートの有無なども考えて判断したいところです。

ただし、以下の症状があれば直ちに下山してください!大至急治療する必要があります。

"・皮膚の下の黄色い脂肪が見えるくらい切ったり擦ったりした時 (→感染・縫う必要性の有無)
・刺し傷の時 (→ 医療機関で抜いてもらう)"




ザックに入れておきたい応急処置用道具
消毒液(擦り傷用)
個装滅菌ガーゼ(擦り傷用)
三角巾(刺し傷用)
テーピングテープ(刺し傷用)
サクラメン手袋(各種応急処置用)
バファリン(痛み止め)
西野さん
今回の主催者。ネットビジネス、特にコピーライターとして一言では言い表せないほどの実績を持つ私のメンター。
住吉さん
広島在住の3人の子を持つ母。弥山登山の経験者。
岩永さん
名古屋在住。背が高くスリムなモデル体型の男性。登山未経験者。
松浦
コピーライター兼登山家。当ブログの管理者。
初めまして!と、軽く挨拶をすませ、一路フェリー乗り場へ。宮島は離島なので、フェリーに乗る必要があります。

4人それぞれ切符を購入しフェリーへと乗り込むと、まずその人の多さにビックリです。こちらをご覧ください↓
これは、宮島全体を描いたガイドマップですが、数々の名物商店や土産物屋、宿泊施設が並び、一大観光地の様相を呈していています。また、宮島には厳島というもう1つの名称があり、その名を冠した厳島神社は、松島・天の橋立と並ぶ日本三景の1つに数えられます。

そんな宮島は「せっかくの休みだからちょっと外出しようか」という人にはピッタリの観光地なわけですね。
そんな観光地である宮島、外国人旅行客の数には圧倒されます。土産物も外国人向けのものが見受けられます。

例えばこれ↓
日本人はまず買わないだろうな・・と思われる日の丸と「日本」のコラボTシャツ。店主の商売センスに脱帽です 笑
私と小説「神々の山嶺」との出会いは、原作者である夢枕獏を経由したものでした。と言っても別に原作者に直接お会いできたわけではありません。

約10年前、当時ビジネスマン向けに発行していた月刊誌「KING」で、夢枕獏氏は自身の旅行記の連載を持っていました。わずか2〜3ページの短い連載ページでしたが、その文章は知性に溢れ、ユーモアセンスに富み、人を惹きつけるに十分な魅力を持ったものでした。

[わたし]
なんでもいい!この人の著書を読んでみたい!


そんな強烈な願望を持ち、すぐにyahooで夢枕獏氏の著書を調べてみました。数々の小説タイトルがヒットしましたが、ジャンルに偏りはなく、オカルト、SF、時代物、格闘技と多岐に渡っていました。

そんな中で一際私の目を引いた小説が「神々の山嶺」だったのです。夢枕獏氏の代表作ともいうべき作品とあり、何よりも私自身が登山にのめり込み始めた頃だったということもありました。

数日後の仕事帰りに、大阪は梅田の大型書店「紀伊国屋」へと立ち寄り小説コーナーを物色するとすぐに発見、分厚い単行本の「神々の山嶺」が上下巻に別れて陳列されていたのです。

1ミリも迷いことなく、ただちに上下巻を手にしてレジへと走り、ウキウキ気分で帰路につきました。

その日はちょうど金曜日。再び出勤する日までの2日間、私は「神々の山嶺」の世界に没頭することとなったのでした。

登山の怪我応急処置法 ねんざ・ひざ痛・骨折

ここでは、登山で最もよく起こりやすい足首のねんざ、ヒザ痛、転んだ時に手を突いて手首やヒジや肩を傷めた場合の対処法を説明しています。

どの場合も、RICE処置を基本原則としてケガした部位を固定し、自力下山する場合は負担をかけないように歩く事が大事です。
RICE処置とは?

"RICE処置とは、応急処置の基本であるRest(安静)Ice(冷却)Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の頭文字をとったもので、打撲やねんざなど、スポーツでよく起こるケガの多くに対応できる応急処置です。
処置が早ければ早いほどケガの回復は早くなるので、このRICE処置はとても有効な応急処置法といえます。

内出血や腫れ、痛みを抑えるのに効果的。打った、ぶつけた、ひねった、引っ張られた、といったスポーツで起こりやすいケガの多くに対応できます。RICE処置をすると、痛みや腫れがひどくなるのを防ぐばかりでなく、治りも早くなります。ただし、RICE処置はあくまで応急処置であり、治療ではありません。RICE処置のあとは、必ず整形外科かスポーツ医を受診しましょう。"



この場合に注意したいことは以下のとおりです。

・足の場合はトレッキングポールや木の枝を杖にして負担を軽くする
・荷物は他のメンバーが分担して持つか、デポ(その場に置き去りにすること)する
・血が止まるくらいきつく固定・圧迫していないか時々チェックする
救急救命法は、講習会などに参加して実地に習得するのが早道です。代表的な講習会に、日本赤十字社の全国の支部で実施している救急法講習会があります。日常生活や社会的な災害時にも役に立つ知識です。
以前、山に”似合う”車ということで記事を書いたことがありました。

「山に”似合う”車とは?雰囲気重視の車選び」

登山をするために「便利な」ということではなく、山に合う車は何か?ということで
私がシェアした車がミニクーパーでした。

街乗りのイメージが強い車ですが、実はかつてラリーで優秀な成績を収めたこともある
悪路にも強い、とてもパワフルな車なのです。

しかも、小さいボディーにも拘らず内装は広く、登山で使う程度の荷物ならば楽々入ります。
さすがに車中泊はちょっと辛いのですが、それは外にテントを張って解決!

まるで自分の相棒のような、親友のようなミニクーパーが最も山に似合う車と思っています。

足首のねんざ・骨折

ねんざは、登山中の怪我で比較的起こりやすいものに該当します。

例えば、うっかり変な角度で石を踏んで足首をグネってしまう場合、また転倒した弾みで手首を痛めてしまう場合などがよくある事例です。

特に、疲労が溜まって集中力が散漫になりやすい下山時などは、注意が必要です。

では、ねんざとはどういう状態のことをいうのか?

"ねんざは、関節に関節の許容範囲を超えた動きが与えられた為におきる損傷の一つである。多くは患部に痛みと腫脹、熱感を伴う。一般用語として多用されるが、医学用語としては更に損傷部位を限局し、○○靭帯損傷ということが多い。"

要は、靭帯や腱が伸びてしまったり一部切れてしまったりした状態です。足首を固定することでその後の下山の痛みを軽減することができます。

テーピングテープで足首の固定の仕方
テーピングテープには、いろんな種類があります。テープの幅ごとに分けられていますが、私の経験上38mmのものが最も使いやすいと思います。

これを1つザックに入れておけば、先ほど紹介したように、刺し傷の応急処置にも使えます。

足首をひねってしまって、なんとか歩けるけども歩くと痛い、という時に手軽な固定方法を下に紹介します



固定方法はこれに限らず、他にも多くのやり方があります。もしあなたが、かつて運動系の部活に所属していたならば、そこでテーピングの方法を学んでいるかもしれません。あなたが覚えた方法があるならば、それをそのまま実践するか、そこからさらに応用しても良いでしょう。

要は傷めた部位をこれ以上動かさないことと適度な圧迫をすることが重要です。そしてテープで固定した後は、靴ひもはいつもよりしっかりと締めて、足首が動くことのないようにしましょう。

テーピングテープを使ったことのない人へ
もしあなたが、テーピングテープなど使ったこともない、のであればこの商品をおすすめします。
だれでも簡単に貼ることが出来るように工夫されています。ひねった時だけでなく、マラソン大会の前等に足首に不安がある場合などにも保護・サポートの意味でも使用されています。

そして下山した後は、患部を冷やすことと固定することが大事です。

軽いねんざであっても、1週間位はもんだり無理に動かしてはいけません。無理に動かすと靭帯が緩んだままになり、治療が長びくだけでなくねんざぐせを残してしまいます。

靴の上から足首を固定する仕方
三角巾などで登山靴の上から足首を固定する方法で、靴を脱いだら腫れのためにまた履けなくなりそうな場合などに使います。

骨折が疑われるときなどは、さらに靴の上からかかとに副木を当て、より厳重に固定します。
紅葉谷コース
約700本もの紅葉やカエデを見ることができる紅葉谷公園を通るコースです。紅葉の季節には、素晴らしい景色を見ることができます。
大聖院コース
霊峰・弥山のふもとにある真言宗御室派の大本山である大聖院。宮島で最も歴史の古い寺院です。弘法大師空海が弥山を開基して以来1200年の歴史を持ち、皇室との関係も深いお寺でもあります。ここでの参拝を兼ねたコースです。
大元コース
桜の名所として知られ、厳島神社より古い歴史ある神社です。柿(かわら)葺屋根は日本で最も古いと言われ、現存する唯一のものです。ここでの参拝を兼ねたコースです。
今回の登山は、神社や寺院での参拝をメインにしたものであるので、選ぶコースは大聖院コース。

厳島神社を後にして、約5分歩くと大聖院に到着です。大聖院は概ね登山コースのスタート地点に位置します。
門の左右には大迫力の仁王像がお出迎え。いや、お出迎えと言うよりも「この聖域を汚す奴は許さん!」と、恐ろしく気合いの入った雰囲気です。この大聖院が歴史上いかに重要な寺院かということを物語っているかのようです。身の引き締まる思いで一礼して門をくぐると、その先には長い石階段がそびえ立っています。

石階段の左側をふと見下ろすと、そこには無数のお地蔵様が並んでいました。山ではところどころにお地蔵様が祀られていることはよくありますが、これだけ無数に並んでいるところは初めてみました。
しかもよくよく見ると、単なる石像ではなく、1体1体全て違う表情をしています。魂が込められたお地蔵様を具現化した姿のようにも見えて非常に興味深いものでした。

お地蔵様を横目にさらに階段を上がると、左手に釣り鐘がありました。どうやら誰でも自由に突いてもいいようです。
4人で順番に突くこととなり、それぞれ鐘突きに挑戦!鐘突き棒(撞木という)から垂れる縄を後ろに引き、振り子の原理に自身の力を加えて勢いよく釣り鐘を叩く!

ゴ〜〜〜ン・・・

独特の音色が辺り一面に響き、周囲の山々へと吸収されていきます。心なしか私の脳みそにまで音色が吸収されたかのような錯覚を覚えました。いい音色でした・・・

釣り鐘を後にし、さらに階段を上がると、大聖院の本堂である摩尼殿に到着です。

本殿の中は非常に荘厳で近寄りがたい雰囲気がありましたが、本殿手前の広場は、仏具などの露天商があり、聖と俗がいい感じに融合している様子で非常に居心地の良い空間でした。

大聖院でゆっくりと休憩をとり、階段を下りていよいよ本格的な登山開始です。おっと、その前に大聖院からの風景を一眼レフに納めたので、ご紹介します。遥か遠くまで見渡せて素晴らしい風景でした。

ヒザの痛み

[あなた]
下山途中に着地した衝撃でヒザが痛くなった、ひねった、勢い余って岩にぶつけてしまった・・・

靭帯を傷めたり、半月板を損傷したり・・・ヒザは登山で最もダメージを受けやすい部位のひとつです。この場合もRICE処置を基本とし、自力下山する時はなるべく衝撃を加えないようにしましょう。

テーピングテープによる固定方法
ヒザのお皿を両方から包むように、下からテープを貼る
お皿を下から支えるように、一周する
ちょっと貼るだけでヒザへの負担がだいぶラクになります。

詳しくはこちら

便利なテーピング
包帯的に巻き直しができ、手で切れるしテープ同士がくっつくので留め具も要らないので便利なテーピングです。また、伸縮があるので適度なサポートができるし、何回も使えるのが良い点です。
さらに、テーピングを巻くのに慣れていないという人におすすめです。先ほどの「足首かんたん」の親戚のような商品で、 傷めてしまう前でも、ヒザの保護・サポートのためにも利用されています。

ヒザの骨折や脱臼が疑われるときの固定方法
おしりからカカトの下までを副木で覆って固定します。

詳しくはこちら

固形タイプ

つまり、基本的には液体タイプを使用し、チョークバッグにはカットした固形タイプのチョークを入れておきます。

そうすることで、粉末の飛散を最小限に抑えることができ、しかもより適量のチョークを手につけることができるようになるのです。

また、固形タイプのチョークは比較的安価であるため、経済的にも優れたセットです。

手首、肩、腕の付け根の痛み

登山道での転倒の際、身体をかばうために真っ先に地面に接触するのが手です。この時、転倒時の衝撃が強いと手首や肩まで痛めてしまうことがあります。

この時、当事者だったとしても、痛みを感じる箇所の症状まではわかりません。ねんざなのか、骨折なのか、脱臼なのか・・・

ただ、どの場合であっても、登山中では傷めた箇所を固定して痛みを最小限に抑えつつ下山し、病院へ行くしかありませんが、箇所次第では固定しつつ冷やす事もできます。

応急処置として適切に患部を固定をしておけば、その後の完治も早くなります。

前腕(手首からヒジ)や手首を傷めた場合の固定方法
①副木で手首からヒジまでをカバーする
②包帯やテーピングテープで副木を固定する
③ウデが水平になるように、三角巾やバンダナ、タオルなどで首から吊る
④別のヒモなどで胸に固定し、動かないようにする

吊るものを持っていない場合は、このようにTシャツをまくりあげて安全ピンなどで簡単に固定することができます。

ヒジを傷めた時の固定方法
ウデ全体を覆えるくらい長い副木を探し、ヒジ以外の上下を固定します。

肩(ウデの付け根)を傷めた時の固定方法
包帯などを使って、腕全体が動かないように上半身に巻きつけ、固定します。

打撲・ねんざ・骨折の基本原則はRICE処置
打撲・ねんざ・骨折は山で最も多い事故です。これらの応急処置はやはりRICE処置が基本となります。

実際に山でこの通りに処置するのは難しい場合が多いですが、正しく行えば痛みと腫れを押さえ、治りも早くすることができるので覚えておきましょう。関節痛、肉離れの時も同様です。

ここでRICE処置について、もう一度記載しておきましょう。極めて重要です。

[ R ] → Rest(安静)
ケガをした部位をそっとしておく。テーピングテープなどを使って固定する。

[ I ] → Icing(冷却)
冷やすことは痛みを軽減し、内出血を防ぎ、炎症を抑える。長時間行う必要があるので、山では宿泊予定地に雪渓や沢があった場合などしかできないかもしれない。時間は24~48時間、休みながら行う。

[ C ] → Compression(圧迫)
圧迫することで、出血と腫れを防ぐ。弾力包帯、三角巾、テーピングテープなどを使用する。圧迫しすぎてしびれたり白くなったりしないよう、そうなったら一旦緩め元に戻ったら再び圧迫する。

[ E ] → Elevetion(拳上)
ケガしたところを心臓より高くすることで痛みや腫れを減らすことが出来る。休憩時などに行う。もちろん他のケガした部位に悪影響が出ない範囲で行う。

副木に有効なサムスプリント
副木専用の道具でサムスプリントという商品があります。これです↓
まわりはウレタンですが中にアルミが入っており、自在に変形するのでどの部位にもフィットし充分な固定強度が得られるという商品です。ハサミでも切れます。

例えばこんな風に使います↓
医療用の道具で高価なため、1人1つという訳にはいかないと思いますが、メンバーの中に初心者や高齢者がいるパーティーのリーダーは持っていると良いでしょう。

他に副木に利用できるもの
・トレッキングポール
・ザックのフレーム
・新聞紙
・木の枝
などがあります。イメージしておくといざというときに役に立ちますね。

登山用具のトラブル

[あなた]
あっ!シューズの靴底がはがれてしまった!

⇒テープなどで応急修理し下山します。
基本的に、登山用具は頑丈に作られています。しかし、登山靴の素材によっては加水分解などが起こり、剥がれることがあります。日ごろから手入れをするとともに、準備時に用具の点検もしておきたいところです。

歩行に直接かかわる登山靴の場合、応急修理をしなければ歩けません。

靴底の剥離には、細引きと言われる登山用の細いロープ、テーピング用テープ、ガムテープなどが有効ですが、山と溪谷誌の実証実験によると、手ぬぐいを引き裂いてひも状にして巻くのが最も有効だそうです。

頭の隅に覚えておくと応急処理でなんとか履けるようにはなるでしょうが、登山を続行するには充分ではありません。予定していた山行を取りやめ、安全に早く下山しましょう。

山小屋

[あなた]
予約してないんだけどなんとか宿泊できないかなぁ・・

⇒事情を告げて、山小屋を利用する
宿泊を伴う山小屋の利用は、予約が必要な場合がほとんどです。開設期間の確認や現地情報の入手を兼ねて、できるだけ事前の連絡と宿泊予約をしましょう。

しかし「日帰りの予定だったが、途中で体調をくずしてしまい、近くの山小屋に泊まりたい」ということもあり得ます。そのときは、事情を告げて近くの山小屋を利用しましょう。

ただし、山小屋への到着が遅くなると、食事が簡易的なものになったり、混雑時には食堂や廊下に布団を敷いて就寝するということもあります。それでも体調のすぐれないままビバークすることを思えば、山小屋は心強く貴重な存在です。

こうした状況を考え、日帰りでも計画時にコース中の山小屋の位置や開設期間を把握しておくと、緊急時対策になります。

なお、すでに山小屋へ予約しているが別の山小屋に泊まることになった場合、連絡手段が得られる場所からすみやかにその旨連絡を入れなくてはなりません。あなたのマナーが試されます。
[あなた]
山小屋混んでるなぁ・・

⇒お互いのゆずり合いが、心地よく過ごすコツです。
入山者数の多いコース中の山小屋は、夏の週末や紅葉シーズンの連休などは非常に混雑します。

混雑を避けてゆったりしたいと考えたら、まずピーク時期をはずして計画しましょう。また、混雑状況については、予約時に確認することもできます。

しかし、休暇の事情でどうしてもピーク時期に出かけるのであれば、混雑を覚悟する、という心構えも必要です。

廊下でも寝られるようシュラフ(寝袋)を持参し、自炊の用意をするという登山者もいます。

山小屋側でも、食堂を片づけ、布団を敷いて寝室にあてる、といった対応をすることもあるので、まったく寝る場所もないという状況はまずありません。

混雑している山小屋では、装備を整頓し、就寝スペースを広く専有しないといったマナーが大切です。同室の登山者と声をかけ合い、貴重品以外の装備はまとめて廊下に出す、といった工夫も心がけましょう。利用者お互いのゆずり合いが、心地よくすごす最大のコツといえます。
[あなた]
車で登山口まできちゃたけど、どこに駐車したらいいんだろう・・

⇒マイカーでのアクセスは事前に駐車場の確認を
マイカー利用のアクセスは自由度がありますが、登山口の付近の駐車場の確認やマイカー規制情報など、事前準備は欠かせません。

駐車場については、どの登山口にも整備されているわけではなく、マイカー利用に向かないというコースもあります。また、駐車場が設けられていても、ピークシーズンは混雑で停められないこともあり、コースや時期によっては、その場合の対策を考えておく必要もあります。

情報を得るには、ガイドブックをはじめ、必要に応じて役場の観光課、観光協会に問い合わせましょう。

登山口にマイカーが置けなかった場合、適切な駐車場へ移動し、そこから歩いて、またはバスやタクシーを利用して登山口へ向かうことになります。どれくらい遅れるかによっては、コースを短縮するなど計画を見直す必要もあります。

なお、尾瀬や北アルプスの上高地・乗鞍岳、富士山などでは通年、または期間を定めてマイカー規制を実施しています。登山口までの経路を調べるときなど、マイカー規制の情報にも注意することが必要です。
[あなた]
しまった!忘れ物しちゃった!

⇒必需品を忘れたら登山は中止。出発前には装備リストでチェック
・雨具を入れ忘れた
・テント山行なのにテントのポールを忘れた
・運転をスニーカーでしていて登山靴を忘れた
・冬山なのにアイゼンを忘れた

登山口で、歩き始めて、テント場で、はじめて気がつく忘れ物もあります。代用できるものがない場合、本格的な登山コースに必携用具がない場合、登山を中止して引き返すべきでしょう。

水や食料も、同行者からわけてもらうといった確実な方法がなければ、登山を続けることはできません。地図や季節によっては防寒着なども同様です。

ツアー登山などの場合、旅行会社から事前に渡される装備表に沿った準備をしていない場合は、ツアーに参加できないことも考えられます。

登山口によっては、入山者ひとりひとりの用具が、その山域と季節に合っているか、必携品があるかのチェックがあるところもあります。

忘れものを防ぐには、前日までに、登山計画書とともに装備リストを作成して、出発前にチェックするのが基本です。

実際に私も、真夏の登山でテント場まで来てテントがザックに入ってないことに気がついたという苦い経験があります。この時は、断腸の思いで下山しました。

山岳保険

もしものときを考え、山岳保険に加入しましょう!
一刻を争う遭難事故ではヘリコプターでの捜索や救助などが行われますが、この救助にかかる費用をご存知でしょうか?

さまざまなケースが考えられるので、一概に「費用は〜円です」とは言えませんが、稼働1分間で1万円が相場とも言われ、何百万とも何千万とも言われています。

ヘリコプターは防災ヘリが出動した場合は、救急車と同じく自治体負担となるが、民間のヘリコプターが出動した場合は費用は本人負担となります。

また、近年の遭難事故の増加により、自治体によっては防災ヘリも本人負担にしようとする動きもあります。救急車も同様ですよね?

いざ遭難した場合は、一刻を争うので、防災ヘリや民間ヘリなどを選ぶことはできません。また遭難事故に遭遇した場合、救助にかかる費用はこれだけではなく、莫大な費用がかかると言われています。

万が一に備え、山歩き特有の事故や遭難救助の費用もカバーできる山岳保険・ハイキング保険の加入をおすすめします。

山岳・ハイキング保険には、1回ごとに掛ける短期型1年を通じて加入するタイプがあります。

年に5回以上登山するならば、保険料は年間加入タイプが割安です。

また、岩登りや雪山までを広くカバーする山岳保険と、軽登山を対象としたハイキング保険では、保障内容も保険料も異なります。

オールラウンドの山岳保険は年間7000円~10000円、ハイキング保険が年間3000円~5000円となっています。

加入にあたっては資料を入手して検討し、自分の山歩きに合った保険を選ぶとよいでしょう。

山岳・ハイキング保険取り扱い会社は下記の通りです。参考にしてください。

・やまきふ共済会
・日本費用補償少額短期保険
・日本山岳救助機構合同会社(jRO)
・日本勤労者山岳連盟 労山特別基金
・モンベル アウトドア保険

最後に

登山時の怪我は、日常生活における怪我よりも深刻な状況に追い込まれやすくなります。

普段の生活でねんざしたならば救急車を呼べば良い。地域にもよりますがほとんどの場合、ものの5分であなたの元に駆けつけてくれます。後は、病院へまっしぐら。救急搬送にかかる費用は、国が負担してくれます。

しかし、登山中ではそうはいきません。もちろん救急隊や救助隊が駆けつけてくれますが、場合によっては、あなたがどこにいるかも分からない、あなたの居場所を捜索するところから始めなくてはならないのです。

そうなると、あなたは自分自身で応急処置をするしかないのです。あなたが応急処置の道具をザックに入れているか否か、そして応急処置の知識を持っているか否か、そこが運命の分かれ道になるのです。

最悪の場合、あなたが遺体となって発見されることもあり得るのです。当たり前ですが、誰もがそんな事態を防ぎたいはずです。

そんなことにならないためにも、登山初心者であるあなたには、是非ともここで紹介した応急処置方法を身につけていただきたいと思います。

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2021.07.21

登山で遭難しないためにあなたが知っておくべきこと

登山で遭難しないためにあなたが知っておくべきこと
こんにちは!登山家の松浦です。
都会の喧騒、会社や学校での人間関係、家庭でのイザコザ・・・現代人の悩みは尽きません。あなたも、そしてもちろん私もそうですが、現代の日本で生活を営む以上、そんなストレスから逃れる術はありません。

朝起きたら胃がキリキリ痛む・・・嫌になってきますよね!?

そんな生活に嫌気がさし、せめて週末くらいは美しい自然に囲まれた中で思いっきり汗を流したい!とばかりに、山に来られる人が多くいらっしゃいます。

ただ・・実は山にも危険がいっぱいなのです。ニュースなどでご存知かもしれませんが、山での遭難や滑落などの事故が多発しています。

もちろん、あなたを脅すつもりはこれっぽっちもありません。むしろ、癒しを求めて山に来るあなたには、大いに癒されていただきたい!山に来て本当によかったと思っていただきたい!そして何より怪我なく五体満足で帰っていただきたいのです。

そのために、今回の記事では、登山遭難しないためにはどうすれば良いか、万が一遭難してしまったらどう対処したらいいかをお話したいと思います。

山で怪我をする人、山で死亡する人を限りなくゼロに近づけたい!そんな私の切なる思いをこの記事に込めてあなたにお贈りします。

ぜひとも最後までご覧ください。それではどうぞ!

山で困った時の対処法

山での遭難事故は増え続けています。計画不足、体力不足、経験不足が主な原因と言われています。
ただ、あなたが大きな遭難事故に遭遇するまえに、対処できることもたくさんあります。ここでは最低限知っておきたいことと、その対処法を紹介します。
西野さん
今回の主催者。ネットビジネス、特にコピーライターとして一言では言い表せないほどの実績を持つ私のメンター。
住吉さん
広島在住の3人の子を持つ母。弥山登山の経験者。
岩永さん
名古屋在住。背が高くスリムなモデル体型の男性。登山未経験者。
松浦
コピーライター兼登山家。当ブログの管理者。
初めまして!と、軽く挨拶をすませ、一路フェリー乗り場へ。宮島は離島なので、フェリーに乗る必要があります。

4人それぞれ切符を購入しフェリーへと乗り込むと、まずその人の多さにビックリです。こちらをご覧ください↓
これは、宮島全体を描いたガイドマップですが、数々の名物商店や土産物屋、宿泊施設が並び、一大観光地の様相を呈していています。また、宮島には厳島というもう1つの名称があり、その名を冠した厳島神社は、松島・天の橋立と並ぶ日本三景の1つに数えられます。

そんな宮島は「せっかくの休みだからちょっと外出しようか」という人にはピッタリの観光地なわけですね。
そんな観光地である宮島、外国人旅行客の数には圧倒されます。土産物も外国人向けのものが見受けられます。

例えばこれ↓
日本人はまず買わないだろうな・・と思われる日の丸と「日本」のコラボTシャツ。店主の商売センスに脱帽です 笑
私と小説「神々の山嶺」との出会いは、原作者である夢枕獏を経由したものでした。と言っても別に原作者に直接お会いできたわけではありません。

約10年前、当時ビジネスマン向けに発行していた月刊誌「KING」で、夢枕獏氏は自身の旅行記の連載を持っていました。わずか2〜3ページの短い連載ページでしたが、その文章は知性に溢れ、ユーモアセンスに富み、人を惹きつけるに十分な魅力を持ったものでした。

[わたし]
なんでもいい!この人の著書を読んでみたい!


そんな強烈な願望を持ち、すぐにyahooで夢枕獏氏の著書を調べてみました。数々の小説タイトルがヒットしましたが、ジャンルに偏りはなく、オカルト、SF、時代物、格闘技と多岐に渡っていました。

そんな中で一際私の目を引いた小説が「神々の山嶺」だったのです。夢枕獏氏の代表作ともいうべき作品とあり、何よりも私自身が登山にのめり込み始めた頃だったということもありました。

数日後の仕事帰りに、大阪は梅田の大型書店「紀伊国屋」へと立ち寄り小説コーナーを物色するとすぐに発見、分厚い単行本の「神々の山嶺」が上下巻に別れて陳列されていたのです。

1ミリも迷いことなく、ただちに上下巻を手にしてレジへと走り、ウキウキ気分で帰路につきました。

その日はちょうど金曜日。再び出勤する日までの2日間、私は「神々の山嶺」の世界に没頭することとなったのでした。

道迷い

[あなた]
しまった!道がわからない!ここまどこなんだ?迷ってしまった!

⇒道に迷ったら引き返す、見通しのきく場所へ登ることが原則
山の遭難事故で、最も件数が多いのが道迷いです。

予定とは違う道に進んでしまったり、道ではない場所へ入りこんでしまったら、いったん行動を中断し、落ち着いて対処を考えましょう。

「このまま進めば目的地に着くはず」といった思いこみは深刻な事態を招きます。歩きつづけるうちにさらに状況が悪化しかねません。

コースの誤りに気づき、進んできた道が判別できる状況なら、地図で確認できる地点までもどることが第一。もしヤブなどに入りこんでしまったら、できる限り安全なルートを探りながら尾根上へ向かって登ります。見通しのきく地点まで登れば、周囲の地形から現在地を把握しやすく、解決の糸口も見えてきます。

下るほうが楽だからと、安易に下ってしまうと、滝や急流に阻まれ、立ち往生してしまう、または足を踏み外して転落・滑落事故を起こしてしまうことがあります。沢へ下るのは危険だと認識しておきましょう。

もちろん、道迷いを起こさないためには、出かける前にコースを下調べし、地図を必ず携行して歩き、行動中はこまめに地図を開いて位置確認をしながら歩く習慣をつけることが大切です。
[あなた]
もし、日が暮れて道がわからなくなってしまったら、どうしたらいいんだろう?

⇒早めに「ビバーク」を決断します
登山中に何かアクシデントが生じ、やむなく一夜を過ごす事態をビバークといいます。

できれば避けたいビバークですが、日没後に無理して行動するより、山中にとどまり、体力を温存して朝を待つと判断したほうがよいケースもあります。その意味で、ビバークは危険回避手段のひとつといえます。できる限り安全な場所を探して、一夜を明かす準備を整えましょう。

このとき、寒気や風雨から身を守るのが、ツェルトやエマージェンシーシート、ロウソク、固形燃料などの用具です。

ツェルトは簡易型のテントで、立ち木やロープを使って設営したり、また状況によっては、単に頭からかぶって風雨をしのぎます。1~2人用、3~4人用などのサイズがありますので、人数に応じて備えると、いざというとき役立ちます。長いコースや泊まりがけの山歩きに出かけるようになったら、ぜひ備えておきたい用具です。

エマージェンシーシートは、手のひらに収まる程度のサイズに折りたたまれたアルミ箔状のシートで、広げて身を包むと保温効果があります。

ロウソク、固形燃料は、暖をとるだけでなく、シェラカップなどでお湯をわかすこともできます。これらをコンパクトにまとめて、非常食やヘッドランプ、救急薬品類とともに携行していると、山歩きの安心度も高まります。

ケガ
[あなた]
転倒して、膝をすりむいてしまった!ナイフで手を切ってしまった!

⇒傷口を洗い流し絆創膏などで手当てを
傷口を洗い流し、消毒液や絆創膏などで手当てをします。

ただし、山ではどこでも流水が得られるわけではないので、傷口を洗い流すための真水を持っていなければなりません。

飲料とは別に、小型のペットボトルなどに真水(水道水)を入れて携帯すると、救急用に役立ちます。飲料の補助にもなりますが、下山するまで、少量でも残しておくことが肝心です。

応急手当てのため、消毒液絆創膏、山行日数によっては解熱剤胃腸薬など、最低限の薬品類をコンパクトにまとめて携帯しましょう。
[あなた]
歩行中に油断して足をグネってしまった!足を骨折してしまった!

⇒適切な治療を受けるまで、応急手当で症状の悪化を防ぐ
下山して医療機関で治療を受けるまで、症状が悪化しないよう応急手当てをします。

ネンザの場合、ネンザした関節が動かないよう、タオル、テーピングなどで固定します。

足首をネンザし、靴を履いたまま下山する必要があるときは、靴の上から固定することもあります。靴を脱いでしまうと、患部が腫れ、再び靴が履けなくなる可能性があるからです。

下山するときは、パートナーの肩をかりたりして、患部になるべく負担をかけないようにして歩きましょう。

骨折の場合も、患部を固定することで症状の悪化を抑えます。

布類だけでは不充分なので、副木やその代わりなるもの(折たたみ傘やストックなど)をあてて固定します。タオルや衣類などクッションとなるものを巻きつけて、患部を押さえつける力が均等に分散するようにします。患部の上下の間接までを固定するのが基本です。

そのほか山の救急医療に関して、詳しくは、下記の書籍を参考にしてください↓
救急救命法は、講習会などに参加して実地に習得するのが早道です。代表的な講習会に、日本赤十字社の全国の支部で実施している救急法講習会があります。日常生活や社会的な災害時にも役に立つ知識です。
以前、山に”似合う”車ということで記事を書いたことがありました。

「山に”似合う”車とは?雰囲気重視の車選び」

登山をするために「便利な」ということではなく、山に合う車は何か?ということで
私がシェアした車がミニクーパーでした。

街乗りのイメージが強い車ですが、実はかつてラリーで優秀な成績を収めたこともある
悪路にも強い、とてもパワフルな車なのです。

しかも、小さいボディーにも拘らず内装は広く、登山で使う程度の荷物ならば楽々入ります。
さすがに車中泊はちょっと辛いのですが、それは外にテントを張って解決!

まるで自分の相棒のような、親友のようなミニクーパーが最も山に似合う車と思っています。

天気・自然現象

[あなた]
天気予報を確認して来たのに、予報大外れ!雨に降られてしまった!

⇒まず雨具で体を冷やさないように
雨が降り出すときは、暗い雨雲や湿った風など、たいてい兆候を感じるもの。これからの区間、難所の続くような場所では、行動前に天候を判断することも大切です。

いざ強い雨に遭ったら、すぐに行動を中断、雨具を着用して体をぬらさないことが大切です。

雨に濡れると体温をうばわれかねませんので、雨具を着て体を冷やさないように。持っていればザックカバーを装着し、着替えなどの荷物も濡らさないようにしましょう。

防寒対策をしたら、今後の行動を考えます。例えば、こういった手段が考えられるでしょう。

・近くの山小屋に行って様子を見る
・コースを短縮してエスケープルートを下山する
・往路を引き返す
現在地や天気の先行きによって判断はさまざまですが、無理をぜず安全を確保することが第一です。
[あなた]
雷だっ!恐ろしい!!

⇒山小屋や、できるだけ低い場所へ退避
山で遭遇する雷は、極めて危険です。山での落雷による事故例は少なくありません。

落雷に遭いやすい稜線や高原で雷鳴を聞いたら、20~30分以内には頭上に雷雲が来ると予測できます。

もちろん雷の発生時には、積乱雲などの兆候があり、観天望気によって雷を予測し、早くから山小屋に待機して様子を見たり、予定を切り上げて下山を開始する、といった対策も可能です。

しかし、思いがけず雷鳴を聞き、近くに避難できる山小屋もないという状況では、わずかな時間に対処しなければなりません。

基本的に雷は高い場所に落ちるので、できるだけ低い場所、稜線なら鞍部や窪地のような地形に退避し、しゃがんで雷をやり過ごします。

そして大きな雷鳴が去ったら、山小屋へ移動したり、比較的安全な樹林帯へと下山する、という対処になります。

雷については、こうすれば絶対に安全というものはなく、かなり緊迫した状況での応急的な対処といえます。本来は、つねに天候の変化に気を配り、早くから判断して行動に結びつけていくことが大切です。

テレビやラジオの天気予報の情報でも「今日は午後から雷があるかもしれない」という最低限の予測と心構えは可能です。登山をきっかけに、雲を眺めて独自の天気予報をしてみる習慣を持ってみてもいいかもしれません。

こちらの書籍を参考にして見てください↓
紅葉谷コース
約700本もの紅葉やカエデを見ることができる紅葉谷公園を通るコースです。紅葉の季節には、素晴らしい景色を見ることができます。
大聖院コース
霊峰・弥山のふもとにある真言宗御室派の大本山である大聖院。宮島で最も歴史の古い寺院です。弘法大師空海が弥山を開基して以来1200年の歴史を持ち、皇室との関係も深いお寺でもあります。ここでの参拝を兼ねたコースです。
大元コース
桜の名所として知られ、厳島神社より古い歴史ある神社です。柿(かわら)葺屋根は日本で最も古いと言われ、現存する唯一のものです。ここでの参拝を兼ねたコースです。
今回の登山は、神社や寺院での参拝をメインにしたものであるので、選ぶコースは大聖院コース。

厳島神社を後にして、約5分歩くと大聖院に到着です。大聖院は概ね登山コースのスタート地点に位置します。
門の左右には大迫力の仁王像がお出迎え。いや、お出迎えと言うよりも「この聖域を汚す奴は許さん!」と、恐ろしく気合いの入った雰囲気です。この大聖院が歴史上いかに重要な寺院かということを物語っているかのようです。身の引き締まる思いで一礼して門をくぐると、その先には長い石階段がそびえ立っています。

石階段の左側をふと見下ろすと、そこには無数のお地蔵様が並んでいました。山ではところどころにお地蔵様が祀られていることはよくありますが、これだけ無数に並んでいるところは初めてみました。
しかもよくよく見ると、単なる石像ではなく、1体1体全て違う表情をしています。魂が込められたお地蔵様を具現化した姿のようにも見えて非常に興味深いものでした。

お地蔵様を横目にさらに階段を上がると、左手に釣り鐘がありました。どうやら誰でも自由に突いてもいいようです。
4人で順番に突くこととなり、それぞれ鐘突きに挑戦!鐘突き棒(撞木という)から垂れる縄を後ろに引き、振り子の原理に自身の力を加えて勢いよく釣り鐘を叩く!

ゴ〜〜〜ン・・・

独特の音色が辺り一面に響き、周囲の山々へと吸収されていきます。心なしか私の脳みそにまで音色が吸収されたかのような錯覚を覚えました。いい音色でした・・・

釣り鐘を後にし、さらに階段を上がると、大聖院の本堂である摩尼殿に到着です。

本殿の中は非常に荘厳で近寄りがたい雰囲気がありましたが、本殿手前の広場は、仏具などの露天商があり、聖と俗がいい感じに融合している様子で非常に居心地の良い空間でした。

大聖院でゆっくりと休憩をとり、階段を下りていよいよ本格的な登山開始です。おっと、その前に大聖院からの風景を一眼レフに納めたので、ご紹介します。遥か遠くまで見渡せて素晴らしい風景でした。

体調の急変

[あなた]
なんだか体調がおかしい・・高所で頭痛やめまいがする・・

⇒高山病にかかったら少しでも下山する
高山病(高度障害)は、気圧と酸素濃度の低下に体が適応できずに起こるもので、頭痛やめまい、吐き気などの症状が表れます。ヒマラヤなどの高峰や高地で起こるものばかりではなく、日本の山でも標高2500~3000m以上でこうした症状を自覚することがあります。

高山病にかかると、登り続ける限り、症状が緩和に向かうことはありません。下山することが唯一に近い対処法で、たいていの場合、高度にして500mほど下山すると、だいぶ楽になります。

高山病を防ぐには、無理のない行程を組むことが第一。標高差の大きいコースは、一気に登らず、適度に休憩をはさみながらゆっくりと登ります。休憩時には腹式呼吸での深い呼吸を意識し、行動中は、水分をよく補給し、トイレをがまんしないこともポイントです。

高山病についてはこちら

富士登山でスマートに高山病対策
[あなた]
なんだか寒くて・・震えが止まらない!

⇒風雨を避け、服を着替えて、温かい飲み物とエネルギー補給で回復
寒さに寄る身震いは低体温症の初期症状です。

濡れた身体が強風や寒さで体温が奪われ、激しく疲労してしまうため、エネルギー補給が追いつかないと低体温症になり、最悪の場合、疲労凍死となってしまうことがあります。

体力を過信したことによる無理な行動、天候急変や悪天候時の無理な行動では、真夏の登山でも起こります。

雨風を避けられる場所を確保し、乾いた衣服に着替え、寝袋などで保温し、温かい飲み物を飲んだり、ブドウ糖を補給したりすることで早期の回復を試みましょう。
固形タイプ

つまり、基本的には液体タイプを使用し、チョークバッグにはカットした固形タイプのチョークを入れておきます。

そうすることで、粉末の飛散を最小限に抑えることができ、しかもより適量のチョークを手につけることができるようになるのです。

また、固形タイプのチョークは比較的安価であるため、経済的にも優れたセットです。

危険な生物

[あなた]
ヒィーー!!スズメバチだ!!クマだぁぁぁ!!

⇒スズメバチもクマもまずは出没情報に注意
スズメバチは、動きが活発になる晩夏から秋にかけて被害がよく報じられます。山では崖下など、雨の当たらない乾燥した場所によく巣を作ります。

巣の周辺では警戒役のスズメバチが飛んでいますので、巣を見つけたり、数匹でも飛んでいるのを見かけたら、すみやかにその場を去るのが第一の対策です。

山でもっとも遭遇したくない野生動物といえば、クマ。対策にはクマに対して人間の存在を知られるクマ避けの鈴がよく知られています。

スズメバチもクマも、まずは出没情報に注意しましょう。

万が一、クマに遭遇してしまったら、あわてず静かにクマの目を見て、じわじわと後退します。クマの気をそらすためにはザックを足もとに置き捨てます。大声で威嚇したり、いきなり逃走するのは禁物。クマが見えない場所まで後退してから、逃げるようにします。
[あなた]
ヒィーー!!ダニに刺されたー!!足にヒルがぁぁ!!

⇒肌をなるべく露出しないこと
ダニは草むらやヤブに生息しています。ヤブを通過するときは肌を露出しないことが大切です。

ヒルは、本州の広範囲に生息していますが、密度の高い繁殖地はスポット的に知られていますので、まず計画している山域のヒル情報に注意しましょう。

繁殖地を通らなければならないときは、レインウェアを着こんでフードをかぶり、さらにレインスパッツで足もとを防御します。万が一、ヒルに吸われていたら、酢や塩をかけて取り除きます。

関連書籍をぜひ参考にしてください↓

登山用具のトラブル

[あなた]
あっ!シューズの靴底がはがれてしまった!

⇒テープなどで応急修理し下山します。
基本的に、登山用具は頑丈に作られています。しかし、登山靴の素材によっては加水分解などが起こり、剥がれることがあります。日ごろから手入れをするとともに、準備時に用具の点検もしておきたいところです。

歩行に直接かかわる登山靴の場合、応急修理をしなければ歩けません。

靴底の剥離には、細引きと言われる登山用の細いロープ、テーピング用テープ、ガムテープなどが有効ですが、山と溪谷誌の実証実験によると、手ぬぐいを引き裂いてひも状にして巻くのが最も有効だそうです。

頭の隅に覚えておくと応急処理でなんとか履けるようにはなるでしょうが、登山を続行するには充分ではありません。予定していた山行を取りやめ、安全に早く下山しましょう。

山小屋

[あなた]
予約してないんだけどなんとか宿泊できないかなぁ・・

⇒事情を告げて、山小屋を利用する
宿泊を伴う山小屋の利用は、予約が必要な場合がほとんどです。開設期間の確認や現地情報の入手を兼ねて、できるだけ事前の連絡と宿泊予約をしましょう。

しかし「日帰りの予定だったが、途中で体調をくずしてしまい、近くの山小屋に泊まりたい」ということもあり得ます。そのときは、事情を告げて近くの山小屋を利用しましょう。

ただし、山小屋への到着が遅くなると、食事が簡易的なものになったり、混雑時には食堂や廊下に布団を敷いて就寝するということもあります。それでも体調のすぐれないままビバークすることを思えば、山小屋は心強く貴重な存在です。

こうした状況を考え、日帰りでも計画時にコース中の山小屋の位置や開設期間を把握しておくと、緊急時対策になります。

なお、すでに山小屋へ予約しているが別の山小屋に泊まることになった場合、連絡手段が得られる場所からすみやかにその旨連絡を入れなくてはなりません。あなたのマナーが試されます。
[あなた]
山小屋混んでるなぁ・・

⇒お互いのゆずり合いが、心地よく過ごすコツです。
入山者数の多いコース中の山小屋は、夏の週末や紅葉シーズンの連休などは非常に混雑します。

混雑を避けてゆったりしたいと考えたら、まずピーク時期をはずして計画しましょう。また、混雑状況については、予約時に確認することもできます。

しかし、休暇の事情でどうしてもピーク時期に出かけるのであれば、混雑を覚悟する、という心構えも必要です。

廊下でも寝られるようシュラフ(寝袋)を持参し、自炊の用意をするという登山者もいます。

山小屋側でも、食堂を片づけ、布団を敷いて寝室にあてる、といった対応をすることもあるので、まったく寝る場所もないという状況はまずありません。

混雑している山小屋では、装備を整頓し、就寝スペースを広く専有しないといったマナーが大切です。同室の登山者と声をかけ合い、貴重品以外の装備はまとめて廊下に出す、といった工夫も心がけましょう。利用者お互いのゆずり合いが、心地よくすごす最大のコツといえます。
[あなた]
車で登山口まできちゃたけど、どこに駐車したらいいんだろう・・

⇒マイカーでのアクセスは事前に駐車場の確認を
マイカー利用のアクセスは自由度がありますが、登山口の付近の駐車場の確認やマイカー規制情報など、事前準備は欠かせません。

駐車場については、どの登山口にも整備されているわけではなく、マイカー利用に向かないというコースもあります。また、駐車場が設けられていても、ピークシーズンは混雑で停められないこともあり、コースや時期によっては、その場合の対策を考えておく必要もあります。

情報を得るには、ガイドブックをはじめ、必要に応じて役場の観光課、観光協会に問い合わせましょう。

登山口にマイカーが置けなかった場合、適切な駐車場へ移動し、そこから歩いて、またはバスやタクシーを利用して登山口へ向かうことになります。どれくらい遅れるかによっては、コースを短縮するなど計画を見直す必要もあります。

なお、尾瀬や北アルプスの上高地・乗鞍岳、富士山などでは通年、または期間を定めてマイカー規制を実施しています。登山口までの経路を調べるときなど、マイカー規制の情報にも注意することが必要です。
[あなた]
しまった!忘れ物しちゃった!

⇒必需品を忘れたら登山は中止。出発前には装備リストでチェック
・雨具を入れ忘れた
・テント山行なのにテントのポールを忘れた
・運転をスニーカーでしていて登山靴を忘れた
・冬山なのにアイゼンを忘れた

登山口で、歩き始めて、テント場で、はじめて気がつく忘れ物もあります。代用できるものがない場合、本格的な登山コースに必携用具がない場合、登山を中止して引き返すべきでしょう。

水や食料も、同行者からわけてもらうといった確実な方法がなければ、登山を続けることはできません。地図や季節によっては防寒着なども同様です。

ツアー登山などの場合、旅行会社から事前に渡される装備表に沿った準備をしていない場合は、ツアーに参加できないことも考えられます。

登山口によっては、入山者ひとりひとりの用具が、その山域と季節に合っているか、必携品があるかのチェックがあるところもあります。

忘れものを防ぐには、前日までに、登山計画書とともに装備リストを作成して、出発前にチェックするのが基本です。

実際に私も、真夏の登山でテント場まで来てテントがザックに入ってないことに気がついたという苦い経験があります。この時は、断腸の思いで下山しました。

山岳保険

もしものときを考え、山岳保険に加入しましょう!
一刻を争う遭難事故ではヘリコプターでの捜索や救助などが行われますが、この救助にかかる費用をご存知でしょうか?

さまざまなケースが考えられるので、一概に「費用は〜円です」とは言えませんが、稼働1分間で1万円が相場とも言われ、何百万とも何千万とも言われています。

ヘリコプターは防災ヘリが出動した場合は、救急車と同じく自治体負担となるが、民間のヘリコプターが出動した場合は費用は本人負担となります。

また、近年の遭難事故の増加により、自治体によっては防災ヘリも本人負担にしようとする動きもあります。救急車も同様ですよね?

いざ遭難した場合は、一刻を争うので、防災ヘリや民間ヘリなどを選ぶことはできません。また遭難事故に遭遇した場合、救助にかかる費用はこれだけではなく、莫大な費用がかかると言われています。

万が一に備え、山歩き特有の事故や遭難救助の費用もカバーできる山岳保険・ハイキング保険の加入をおすすめします。

山岳・ハイキング保険には、1回ごとに掛ける短期型1年を通じて加入するタイプがあります。

年に5回以上登山するならば、保険料は年間加入タイプが割安です。

また、岩登りや雪山までを広くカバーする山岳保険と、軽登山を対象としたハイキング保険では、保障内容も保険料も異なります。

オールラウンドの山岳保険は年間7000円~10000円、ハイキング保険が年間3000円~5000円となっています。

加入にあたっては資料を入手して検討し、自分の山歩きに合った保険を選ぶとよいでしょう。

山岳・ハイキング保険取り扱い会社は下記の通りです。参考にしてください。

・やまきふ共済会
・日本費用補償少額短期保険
・日本山岳救助機構合同会社(jRO)
・日本勤労者山岳連盟 労山特別基金
・モンベル アウトドア保険

最後に

日常とは異なる世界を楽しむ登山、人の手が入らない山の美しさがあなたを癒やしてくれますが、人の手が入らないということは、自然の脅威もそのままあなたについてまわります。

山では全てがあなたの責任です。そのことをしっかりと認識し、準備を整えた上で登山を行うべきではありますが、近年、山での遭難事故が後を絶ちません。

好きで遭難事故を起こす人などいない、いるはずがない!もちろん、そんなことはわかっていますが、しっかりと準備を整えたベテラン登山家であっても遭難事故に遭遇することがあるのです。

もしあなたが登山初心者であるならば、登山準備をしっかりと整えて、心構えをしっかりと持った上で登山に望んでいただきたいと思います。

もうこれ以上、山の遭難事故のニュースを見たくない!!心底そう思います。

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2021.06.01

山に住むクマとの共存方法を伝授

山の事故をスマートに回避!怪我編
こんにちは!コピーライター兼登山家の松浦です。
今回は、登山中のトラブルで最も恐ろしいものの1つ、クマとの遭遇、そしてその対策についてお話します。

もしあなたが登山初心者ならば、絶対に覚えていただきたい知識の1つです。
なぜなら、自然豊かな山にはある一定数のクマが生息しているためです。

なんとなくマスコット的であり可愛らしいイメージのあるクマですが、いざ登山するとなるとそうも言ってられません。
それ相応の準備が必要です。

人の性格や体格がそれぞれ異なるのと同じように、クマもいろいろです。比較的おとなしいクマもいれば、凶暴なクマもいるでしょう。
種類によっては、人よりもやや小さめだったり、人よりもはるかに大型だったりします。
特に、北海道に生息するクマはかなりの大型です。

しかし、たった1つ全てのクマに共通する点があり、それが、人を襲う可能性があるということなのです。

実は過去いくつものクマによる被害事例が発生しており、どの事例おいても被害者は死亡、もしくは重傷を負っています。

この記事の冒頭では、まず熊にまつわる7つの事件を紹介します。どれも目を覆いたくなるような事件ですが、クマと遭遇してしまうとどうなるか。その現実をしっかりとお伝えせねばなりません。

その後、主にこの3点に焦点を当ててお話いたします。

●クマと遭遇しないためにはどうしたらいいか?
●万が一遭遇してしまったら?
●何よりクマとはどういう動物なのか?


なにも熊と生存権をかけて戦争するわけではないのです。
熊についてより理解を深めることが、あなたにとっても熊にとっても良いことだと思います。

それではどうぞ!

クマにまつわる9つの事件

毎年春以降、全国でクマの目撃が相次いで報告されます。
そうしたなか、山に入った人がクマに食べられてしまうという凄惨な事故もおこってしまいました。

人を恐れるばかりか、人を食べ物と認識してしまった個体ではないかといわれています。
本来は臆病な性格のクマですが、やはり食肉目の大型動物であることは事実、十分な注意が必要なのではないでしょうか。


|男性がクマに襲われ額や腕をかまれ怪我
山梨県都留市で、イノシシを駆除するための罠を確認するため山林に入った男性が、クマに襲われました。男性は額や腕をかまれ負傷をしましたが、命に別状は無かったそうです。

「自分と同じくらいの大きさのクマだった」と男性。

「この付近は確かに山林が近いが、住宅も多い。
こんなところでクマに襲われるなんて思わなかった。」と話していました。


|カメラで捉えられた養蜂箱を壊すクマの姿
人的被害は無かったものの、青森県八戸市ではこれまでになかったクマの行動が報告されています。


かねてよりミツバチの養蜂箱が壊される被害があったため、市は付近に3台のカメラを設置しました。録画された映像には夜間クマが養蜂箱を前足で破壊して中のハチミツを食べる姿がありました。

養蜂箱の持ち主は「何十年も養蜂をやっているがこんなことは初めてだ」と話していました。



|測量作業中の男性がクマに襲われる
岩手県盛岡市の山中で、測量作業をしていた男性会社員がクマに襲われ左腕と背中にケガを負う事件がおきました。

同僚と二人で入山した男性は、木を伐採しているところでクマに襲われました。男性は持っていたハンマーでクマに抵抗、するとクマは去っていきました。男性はクマよけのスプレーと鈴を携帯していたそうです。



|タケノコ採りの女性、死亡した状態で発見される
秋田県仙北市の山林で、タケノコ採りに来ていた女性が遺体で見つかりました。女性は頭や肩に傷を負っており、状況からクマに襲われたものみられています。

女性は年に何度も山菜を採りに山に入っており、クマよけの鈴を付けるなどクマの危険は認識していたと言います。この日も鈴を2つ付けていたことが分かっています。

秋田県では昨年の5月から6月にかけて、クマに襲われて4人の人が死亡しています。



|島根県で鮎釣りの男性が熊に襲われ指切断
島根県浜田市の八戸川で鮎釣りをしていた男性が、体調1.5mのツキノワグマに襲われ小指を失う重症を負いました。

男性は河原で釣りの準備をしていた際、突然正面からクマに襲われたそうです。
命に別状がなかったのが不幸中の幸いです。



|鳥取市中心部で熊出没
鳥取市の市街地にも近い登山道で、70代の男性ハイカーがクマ2頭に遭遇するという事件が発生しました。

2頭の体長はいずれも150cm程度、男性はそのうち1頭に10mほど追いかけられたそうです。市は看板を設置するなど注意を促しています。



|秋田で4人が犠牲に。熊の体内から人体の一部
秋田県では山菜を採りに山へ入った人が相次いで襲われる事故が起こり、4人もの尊い命が失われてしまいました。

地元の猟友会員が遺体発見現場付近でクマを発見し射殺。体長130cmのこのクマの胃の中からは、被害者の体の一部が見つかりました。



|福岡大ワンゲル部・ヒグマ襲撃事件
クマによる事件は過去にも起きています。1970年の北海道カムイエクウチカウシ山で、福岡大学のワンダーフォーゲル部のメンバー5名がヒグマ1頭から執拗な追跡を受け、その結果3名が殺害されてしまいました。多くの日本人とりわけ登山愛好家を震撼させた事件です。


|三毛別羆事件
およそ100年前の北海道でおきた三毛別羆事件(さんけべつひぐまじけん)では、巨大なヒグマが数度にわたり民家を襲い、7名が死亡し3名が重症を負いました。討伐隊によりヒグマは射殺され事件は終焉。日本最大級の動物による食害事件として現代でも語り継がれています。

熊の種類やその気になる生態

日本国内に生息するクマは2種類です。それぞれの特徴を確認しておきましょう。


|ニホンツキノワグマ(ツキノワグマ)
生息地
本州および四国に生息し、九州では絶滅したとされています。

サイズ
体長:120cm~150cm
体重:オス約80~130kg、メス50~80kg

食べ物
雑食性とされていますが、主に植物を主食としています。動物の死骸食べる他、まれにカモシカなどを捕食することがあります。

冬眠から覚める・・・新芽や若葉、ドングリ
春から夏・・・花や木の実、竹の子などの山菜、蜂やアリ。木苺などの甘い果実
秋・・・ブナやナラ類の実、果実など

生態
基本的には臆病な性格で、人間の気配を感じると見つからないよう逃げていきます。ただし視界の悪いところでバッタリと出会ってしまったり、子供を連れた母グマが子供を守るために、人間に襲いかかることもあります。食べ物の匂いに非常に敏感で、食べ残しの匂いに釣られて近づいてくることもあります。


|エゾヒグマ(ヒグマ)
生息地
北海道の森林および原野。

サイズ
体長:160〜230cm
体重:120〜250kg、個体によっては400kgに達することも。

食べ物
ヒグマも雑食性で主に植物を食していますが、シカの死骸なども食します。1990年代に農林業への被害が増えたため大量のシカの有害捕獲を行った結果、ヒグマがシカの味を覚え現在では生きたシカも襲って食べるようになっています。

春から初夏・・・フキなどの植物の若葉
夏から秋・・・ヤマブドウなどの果実やドングリ

性格
陸上に住む動物としては日本最大です。走り、泳ぎ、木登りいずれも得意としています。普通は人を避けて暮らしていますが、残飯などの食べものの匂いに釣られて、人の生活圏に侵入することがあります。人を見たら必ず襲ってくるような攻撃的な動物ではありませんが、遭遇したときは慎重な対応が必要とされます。

クマに遭遇してしまったら

本当に滅多に無いことですが、登山中にバッタリとクマと出会ってしまったらどうしたらいいか?あなたはきっとパニックになって、もしかしたら死を覚悟してしまうかもしれません。

しかし、慌てないでください。
そんな最悪とすら思える事態に対してもちゃんと打つ手はあるのです。あなたが冷静になって(これが難しいかもしれませんが・・)対応すれば、事なきを得ることはできます。

では以下に、その打つ手を紹介いたします。


驚いて大声を出さない
突然大きな音をたてるとクマがパニックになり襲いかかってくることがあります。思わず悲鳴をあげてしまうかもしれませんが、そこはぐっと我慢して冷静に。


走って逃げない
クマは逃げるものを追いかける習性があります。間違ってもダッシュで逃げるようなことはしないでください!

熊が全力で走ると時速60km/hもの速さになります。ウサイン・ボルトよりはるかに速いのです。間違いなく追いつかれ、そして襲われます。


クマの方を向きながらゆっくりと後ずさりしてその場を離れてください。


死んだふりをしない
雑食性のクマは死んだ魚や動物を食べることがあります。倒れて死んだふりをするあなたをご馳走だと判断するかもしれません。

死んだふりが有効という説もありますが、それはその時のクマの状況次第です。もし、その時クマが空腹の状態だったら、死んだふりをしているあなたを貪り食うでしょう。

そうなると、やはり死んだふりという対策はあまりにも危険と言わざるを得ません。


クマ撃退スプレー
クマと遭遇しこちらに近づいてくるようなら、クマ撃退スプレーを顔に向けて吹きかけましょう。

ただ、いつどこで遭遇するかもわからないクマ。ザック奥深くにしまい込んでいては役に立ちません。すぐに取り出せるようにしておきましょう。
カウンターアサルト

トウガラシが主成分のクマ撃退スプレーです。
安全な非可燃ガスを使用して射程郷里は約9m。野犬やイノシシにも対応します。
クマ鈴を鳴らす・ラジオをかける

先ほども言いましたが、基本的にクマは臆病な動物です。
あなたがクマに遭遇したくないのと同様に、クマだって人間なんかと出会いたくないのです。

クマとの遭遇であなたはパニックに陥ると思いますが、実はクマも同じ心境なのです。

【クマ】
人間とバッタリ出会ってしまった!!どうしたらいいんだぁぁ!!


クマだって自分を守るのに必死!その結果、人を襲うという悲劇が生まれてしまうのです。

従って、こちらがラジオや鈴などで音を鳴らしながら歩けば、クマの方から避けてくれるのです。

ただし、先ほど紹介した秋田の事件にように、クマ鈴をつけていた人が襲われてしまったケースもありますので過信はしないようにしましょう。

クマよけ用の鈴です↓
あと最近は、熊よけ爆音電子銃というものも販売されています。約120dBの耳をつんざくほどの強烈な電子警告音で、クマよけ イノシシよけ や遭難時・緊急時の SOS 救難信号にも使える優れものです↓
なるべく一人の行動を避ける

クマに襲われた被害者の多くが、一人でいるところを狙われています。
山へはなるべく複数で入り、大きな声で会話をするのが有効という専門家もいます。


また複数いる場合は万が一襲われたときも応急手当や救助の要請がしやすいというメリットもあります。


残飯や生ゴミは絶対に捨てない
匂いに敏感なクマは残飯に引き寄せられてしまいます。
その結果、本来人を避けるはずのクマと人とが遭遇してしまうのです。

そもそもクマどうこうというよりも、人としての最低限のマナーです。
野山に食べ物を捨てるなどという行為は絶対にやめてください。

また注意点としては、なるべく香りが弱い食べ物を携行することをお勧めします。また、携行する食料もなるべく匂いがしないよう密閉することをお勧めします。

山はクマの住みか

何度も言いますが、本来クマは臆病な動物です。

クマからすれば、得体の知れない人間なんかと会いたくないし、そもそも熊のテリトリーに入り込んでいるのは私やあなたの方なのです。

「熊は危険な動物!追い払おう!」ではなく、あなたが山に登るときは、クマのテリトリーに入っていることを十分認識し、クマと出会わないように最善の策を取らなくてはなりません。

また今から登ろうとする山で、クマの目撃情報があるかどうかを事前に確認しておくことも大事です。

厄介にも思えますが山にクマがいることは日本の自然が豊かな証でもあるのです。

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2021.05.31

虫と上手に共存するための虫除け登山方法とは?

虫と上手に共存するための虫除け登山方法とは?
こんにちは!登山家の松浦です。
夏真っ盛りの今、今回は山で虫と上手に共存する方法をシェアします。

虫と共存?つまり、出来るだけ虫を気にせず、快適に登山やキャンプをする方法のことです。

虫を気にせず快適に山で過ごすためには、何と言っても虫に刺されないこと!これですよね!

これさえ身につければ、あなたはきっと山でこれまで以上に快適に過ごすことができるようになるはずです。

虫に刺されて、痒みでボリボリ掻いたり、腫れを気にしたり・・・しなくていいのです!

それではどうぞ!

虫除け登山をすべき理由

虫・・・夏は登山のハイシーズンですが、これだけはどうにも好きになれません・・・

私は昔からよく虫に刺されました。そういう体質なのかもしれません。もちろん登山中も例外ではなく、虫のせいで登山の楽しさが半減してしまうこともよくありました。

普段の生活では、虫刺されといえば蚊ですね。なんか腕が痒いなと思ったら、プックリと膨れ赤く腫れ上がる・・・

その度に「ちくしょー!やられた!」と悔しがる・・・でポリポリ掻きむしってお肌を傷つける・・実に不愉快です。
しかし・・・です。

山での虫さされは「痒い」だけでは済まない場合があるのです。なぜなら、山には蚊だけでなく、他にも様々な人を刺す虫がたくさん飛び回っているのです!場合によっては、登山どころではなくなり、即刻下山して病院に駆け込まなくてはならない事態にもなってしまうのです。

これが虫除け登山をすべき理由です。

虫除け登山の対象となる代表的な虫

実は「虫除け」と言う方法は、普段の生活よりもむしろ山で頻繁に使われます。
普段の街の生活では、虫は退治すべき対象です。

キンチョール」で蚊やハエ、そしてゴキブリを退治、「アリの巣コロリ」でアリを巣ごと一網打尽、さらには高圧洗浄機で蜂の巣を叩き潰す・・・

良いか悪いかは別にして、普段の我々の生活ではこんなことが行われています。

私もかつてアパートで一人暮らしをしていた時、部屋のゴキブリを一網打尽にしようと「バルサン」を焚いたことがありました。
ただ、山という世界に一歩足を踏み入れると、そこは虫たちの楽園。
私やあなたを含めた人間たちが侵入者となります。

つまり、山に入った瞬間、虫たちは「退治すべき対象」から「近寄らせない対象」へと変化します。

当然ですよね?山に無数に飛び交う虫たちをいちいち退治するわけにはいきませんから。

ちなみに、部屋では絶対に遭遇したくない、不潔の代名詞とも言えるゴキブリも、実はその95%以上が山に生息しています。家の中で見かけるゴキブリは全体のほんの一部に過ぎないのです。

山で見るゴキブリ・・・まあそれはそれで気持ち悪いかもしれませんが、山では無数にいる虫たちの中のたった一匹に過ぎません。それをいちいち退治しようとは思いませんよね?

私なら山でゴキブリを見てもなんとも思いません。虫だけに無視します。

実は、山にはゴキブリなどよりもよほど注意すべき虫たちが他にも多数いるのです。その代表格こそが、アブとブヨ、そして蜂です。



|見た目がデカいアブ
普段の生活ではなかなか見ることはありません。こんな虫です。
一言でアブと言っても、その種類は多数あります。この画像のアブだけを気をつけていれば良いというわけではありません。

アブのおおまかな特徴は以下の通りです。

”大きさ    : 約2cm、蜂くらいの大きさ

活動時期   : 7月〜9月

活動時間帯  : 早朝、日没あたり

刺された直後 : 激痛、激しい痒み

症状     : 大きく腫れ上がるが、2〜3日で治る

天敵     : 鳥、蜘蛛、大型のトンボ(オニヤンマなど)”


もしあなたが山でアブと遭遇したら、まずはその大きさにギョッとなると思います。私もそうでした。

私の場合、幸運にも刺されることはありませんでしたが、30分くらいずっと付きまとわれて、ものすごく不愉快でうっとおしい思いをしました・・・

では、どうやって追い払うか?

最も簡単な方法は、アブの天敵であるオニヤンマのマスコットを身につけておくことです。ザックや登山服にくっつけておけばいいわけです。

【あなた】
嘘つけ!そんなことで虫を追い払えるはずがない!



と、あなたは言うかもしれません。しかし、実は完璧ではないにしろ、ある程度の効果があるそうです。実際に、渓流釣りや沢登りをする場合にはアブ対策としてオニヤンマを模したロープやマスコットを持って行く人もいるくらいです。

とはいえ、マスコットをザックにくくりつけてそれで万全!と言うわけにはいきません。やはり、より現実的な方法が必要になってきます。

では、より現実的な方法は何か?大きく以下の2つの方法があります。

1.防虫ネットを身につける
2.防虫スプレーを使用する

まず、防虫ネットです。身につけるとこんな感じになります。
農業やガーデニングなどで大活躍の防虫ネットです。もちろん登山でも非常に有効だと思います。

しかし、登山ではあまり使用されません。登山では頻繁に汗を拭く必要があり、その妨げになってしまうこと、そして登山の醍醐味である景色の堪能の妨げになってしまうことがその要因だと考えられます。

虫除け登山の主役はやはり防虫スプレーですね。薬局やコンビニ、スーパーで様々な虫除けスプレーが販売されています。

例えばこれ。
昔ながらの「キンカン」ですね。虫刺されの薬として有名ですが、虫除けにも進出してきたようです 笑
VAPEも昔から有名でした。我が家ではベープマットを寝る前にセットし、虫から身を守っていました。

なお、私が山でテント泊する時に採用する虫除け方法は、何と言っても蚊帳付きテントです。
テント内への入場時にちょっとしたコツが入りますが、うまく入場できればあとは朝までグッスリです!

蚊帳付きテントを手に入れる前は、蚊取り線香を焚いていましたが、これも案外効果的でした。
いずれも蚊やアブには効果的です。
あなたに合った方法で虫除け登山を実践、快適に登山を楽しんでくださいね!



|症状が長引くブヨ
ブヨもアブと同様、普段の生活ではなかなか見ることはありません。主に山などの自然豊かな地で生息する虫です。
ブヨのおおまかな特徴がこれです。

”大きさ    : 約2mm、ハエよりもやや小さめ

活動時期   : 3月〜9月

活動時間帯  : 丸一日

刺された直後 : アブほど激しい痛みや痒みはなく、気づかない場合もある

症状     : 1〜2週間大きく赤く腫れ上がる

天敵     : 大型のトンボ(オニヤンマなど)”



刺されてしまっても最初は気づかないのですが、下山して家に帰った途端に刺された箇所が大きく腫れ上がるというパターンがほとんどです。

こちらを参考にしてみてください↓


”ブヨは、蚊やアブと同じくメスだけが吸血するが、それらと違い吸血の際は皮膚を噛み切り吸血するので、多少の痛みを伴い、中心に赤い出血点や流血、水ぶくれが現れる。

その際に唾液腺から毒素を注入するため、吸血直後はそれ程かゆみは感じなくても、翌日以降に患部が通常の2~3倍ほどに赤く膨れ上がり激しい痒みや疼痛、
発熱の症状が1~2週間程現れる。

体質や咬まれた部位により腫れが1ヵ月以上ひかないこともままあり、慢性痒疹の状態になってしまうと完治まで数年に及ぶことすらある。

多く吸血されるなどした場合はリンパ管炎やリンパ節炎を併発したり呼吸困難などで重篤状態に陥ることもある。”


ここにも書いてあるように、場合によっては重篤な症状になることもあるので、万が一刺されてしまった時の対処法をしっかり覚えておきましょう!

ブヨの予防法、対処法はこちらを参考にしてください↓


”ブヨの予防に関しては、一般的な蚊用の虫除けスプレー等は効果が薄いので、ブユ専用のものを使うことが有効であるハッカ油の水溶液でもよい)。

また長袖や長ズボン、手甲や脚絆などを身につけ、素肌を露出させないことも重要である。

吸血された場合は傷口から毒を抜いてステロイド系の薬(ステロイド外用薬)を塗る。

なお、掻くと腫れが一向に引かなくなり、治ったあともシミとして残るので、決して傷口を触らないことである。”



ここに書いてあるハッカ油の水溶液とはこういったものです

魔法のしずく ハッカ油

ハッカとはハッカソウというミントを乾燥させて油を抽出したものです。

いわゆる医薬品ではなく自然のものなので身体にも安心ですが、刺激が非常に強いので水溶液での使用をオススメします。

また、私もそうなのですが、虫に刺されて痒いとついつい掻いてしまいますよね?しかし、掻くことはやはり良くないようです。気を付けましょう!



|スズメバチ
山で最も気をつけるべき虫。やはりハチです。それもスズメバチ!

やつらは、巣を守るために、ただ穏やかに登山をしてるだけのあなたを攻撃してきます。

【あなた】
歩いてるだけなんだからどっかいってくれよっ!!


無駄です 笑

運が悪ければ、まるであなたを追い払いかのようにしつこくつきまとい、時には攻撃してくるのです。

そうならないために、つまり、つきまとわれない、攻撃されないためにどうすべきか?
スズメバチから逃れる効果的な方法を以下にシェアします。

●静かにソッとその場から逃げる
●白い布をかぶる
●絶対に手で振り払わない(攻撃とみなされる)
●顔を伏せる(黒目を見せないように)
●低い姿勢になる(スズメバチは上下の動きに弱い)


災害から逃れるが如く、とにかく逃げること!

これが大事です。


しかし、もし刺されたらどうしたら良いのか?

1.刺された箇所を指で絞り出し、水で洗い流す
2.傷口を洗って、出来るだけ冷やす
3.抗ヒスタミン薬(ムヒなど)を塗る


それでも腫れや痛みが残るようならば皮膚科へ相談しましょう。

虫除けグッズをザックの中へ!

ここまで虫除け登山の方法について話してきました。

もちろん、虫たちは人に危害を加えようと襲ってくるわけではありません。

虫の行動の全てが生存のためのものであり、いきていくための手段がたまたま人を襲うという結果に繋がっているだけなのですが、やはり、人に危害を加える虫からは全力で逃れるべきです。

夏場の虫除け登山を実践するために必要なものとして、ザックに入れてもらいたいグッズを以下にまとめます。

●水(消毒用)
●白いタオル(スズメバチ対策)
●抗ヒスタミン薬(ムヒなど)
●虫除けスプレー
●ハッカ油の水溶液
●テント用蚊帳
ポイズンリムーバー(なくても良い)
*ポイズンリムーバーとは、虫に刺された箇所の毒を吸い出すアイテムです。より効果的な毒の吸い出しが可能ですが手で搾り出すだけでもオッケーです。
夏は絶好の登山シーズンですが、それは虫たちにとっても同じです。

山は虫たちの楽園、人間はそこにお邪魔するという立場です。
お互い気分良く山を楽しむために、虫除け登山をしっかり実践していきましょう!

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2021.05.31

山の事故をスマートに回避!怪我編

山の事故をスマートに回避!怪我編
こんにちは!コピーライター兼登山家の松浦です。
登山をする人の多くは山頂を目指します。山頂からの景色を楽しむために、ハアハア言いながらひたすら登山道を歩く。

いいですね!それこそまさに登山です・・・と言いたいところですが、実は何も山頂を目指すばかりが登山ではありません。

都会の喧騒を離れた登山道には、日常生活では決して見ることができない素晴らしい景色、鬱蒼と生い茂った木々、ちょっとやかましいくらいの虫の鳴き声、そして何より汚れた平地のものとは全く違う美味しい空気!

ひたすら山頂を目指すのもいいと思いますが、これだけ素晴らしい登山道を歩くだけでも、山頂からの景色と同等の価値があります・・と少なくとも私はそう思っています。

私が登山をする楽しみの1つに食事があります。
ザックを降ろし、倒木に腰掛けて、フーッと一息。
その時に食べる食事は、間違いなく普段の3倍は美味しく感じます。

今回はそんな登山での食事にスポットを当てて、記事を書いてみたいと思います。

タイトルにもあるように、そんな登山での食事の楽しみをとことんまで追求してみた登山、実験的登山についても触れていきます。

登山とは何も山頂を目指すばかりが全てではない!

それをあなたにお伝えできれば、この記事は大成功です。それではどうぞ!

山の事故をスマートに回避!怪我

何があっても絶対に回避したい山の事故、それは怪我です。

それはまさに
天国から地獄に叩き落とされるかのごとくです。

私は数年前、その恐ろしさを身をもって体験しました。
詳しくはこちらです↓

【山で負った自分史上最悪の怪我とは?前編】
【山で負った自分史上最悪の怪我とは?後編】

もちろん
私が体験したような大怪我でなくとも
足を擦りむいたり、捻挫したり
腕を枝に引っ掛けて裂傷を負ったり
腰を痛めたり・・・

ちょっとした怪我でも
山では処置が限られるため、怪我次第では
下山までずっとそれを引きずることと
なってしまいます。

言うまでもありませんが・・この上なく不快です!

足の怪我ならば
一歩歩くたびに怪我を気にしなくてはならない。

腕や手の怪我でも、いちいち怪我が気になります。

腰を痛めると、もう最悪です!
酷いと歩くこと自体が困難になります。

とは言え
怪我の種類はそれこそ千差万別です。

もちろん、全くの無傷で下山できるならば
それがベストに決まってますし

登山をする以上は無傷で下山することを
最大の目標としなくてはなりません!

ただ・・そんなあなたの思いとは裏腹に
怪我の危険は突然やってきます。

まるで一瞬の気の緩みを待ち伏せていたかのように!

足に気をつけていたと思ったら
手に傷を負い
腕をかばって歩いていたら
足を捻挫し
転倒しないよう注意を払っていたら
腰を痛め・・・

ありとあらゆる種類の怪我が
あなたを待ち受けているのです!

そこで!
可能な限り怪我を回避するために
何をすべきなのか?
それをシェアします。

肌の露出は山の事故を招く

代表的な怪我の1つ、擦り傷、切り傷。
棘のある木々の中を通り抜けたり
転倒することで負ってしまう怪我です。

これを防ぐには
できる限り肌を外に露出しない、つまり
半袖のシャツや短パンなどの服装をやめることです。

肌を服で覆ってやることで
あなたの代わりに服が怪我を負ってくれるのです。
虫刺されにも効果的です。

「でも夏はシャツでないと暑くて・・・」

心配ご無用です。
真夏でも山に登れば気温下がります。
1000m標高が上がれば
気温は6℃下がると言われています。

夏の登山でも
長袖のシャツを快適に着ることができるはずです。

山の事故の応急処置セット

万が一怪我をしてしまった場合
応急処置をする必要があります。

これは私の経験の上でのことですが

山で出血を伴う怪我をした場合
応急処置を不適切にしてしまうと
あとで傷口がズキズキと痛みだし
出血も止まりにくい。

その結果
下山までずっと傷口を庇うことになってしまいます。

一方、適切に応急処置をすると
傷口が痛みだすことはなく
傷口を気にせずに済みます。

「そう言えば怪我してたっけ」と
怪我したことすら忘れてしまうくらい
全く気になりません。

怪我の応急処置には何が必要か?

●消毒薬
●絆創膏
●体温計
●三角巾
●小型ナイフ
●包帯
●滅菌ガーゼ
●テーピングテープ

ひとまずこれだけあれば
一通りの応急処置が可能です。

多種類ありますが
簡単にコンパクトに収納できます。
ザックに入れても邪魔にはならないので
登山時は必ず携帯しておきましょう。

動けなくなる怪我を負った場合

誰でも思いは同じだと思いますが
山で怪我した場合
どんな怪我でもとにかく自分でなんとかしようと
考えてしまいます。

できれば、大袈裟にしたくない!
そんな心理が働いてしまうのです。

これがパーティー登山であった場合
仲間に助けを求めるのは簡単ですが

単独行の場合、誰も助けてはくれません。

そんな時は、迷わず他の登山家に助けを求めるか
電波が入るならば警察を呼びましょう。

もし、山奥で電波も入らないようならば
しっかり体温を確保し、ビバーグの準備をして
助けを待ちましょう。

あなたは登山前
登山計画書を警察に提出しているはずです。

下山時刻になっても下山の連絡がない場合
警察はあなたを捜索してくれるはずです。

とにかくその場を動かずにじっと助けを待つこと。
あとは、できるだけ目立つ色の服を着て
自分を発見してもらいやすくすること。

怪我して動けないあなたができることはそれだけです。

山の事故への心得

基本的に
何らかのトラブルに見舞われた時
自分で何とか解決しようと言う心構えは
非常に大切です。

経験を積めば積むほど
できる範囲が広がり
ほとんどのことは自分でできるようになります。

また、その経験を持って
人を助けることもできるのです。

しかし、いざという時は
迷わず助けを求める心構えも必要なのです。

今の自分はここまでならば1人でできるが
それ以上は人の助けを呼ばなくては!

そう言う万が一の対処法を持っておくこと
そして今の自分の能力を知ることも
快適登山には必要です!

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2021.05.31

山の事故をスマートに回避!道迷い・遭難編

山の事故をスマートに回避!道迷い・遭難編
こんにちは!コピーライター兼登山家の松浦です。
登山をする人の多くは山頂を目指します。山頂からの景色を楽しむために、ハアハア言いながらひたすら登山道を歩く。

いいですね!それこそまさに登山です・・・と言いたいところですが、実は何も山頂を目指すばかりが登山ではありません。

都会の喧騒を離れた登山道には、日常生活では決して見ることができない素晴らしい景色、鬱蒼と生い茂った木々、ちょっとやかましいくらいの虫の鳴き声、そして何より汚れた平地のものとは全く違う美味しい空気!

ひたすら山頂を目指すのもいいと思いますが、これだけ素晴らしい登山道を歩くだけでも、山頂からの景色と同等の価値があります・・と少なくとも私はそう思っています。

私が登山をする楽しみの1つに食事があります。
ザックを降ろし、倒木に腰掛けて、フーッと一息。
その時に食べる食事は、間違いなく普段の3倍は美味しく感じます。

今回はそんな登山での食事にスポットを当てて、記事を書いてみたいと思います。

タイトルにもあるように、そんな登山での食事の楽しみをとことんまで追求してみた登山、実験的登山についても触れていきます。

登山とは何も山頂を目指すばかりが全てではない!

それをあなたにお伝えできれば、この記事は大成功です。それではどうぞ!

「遭難」に代表される山の事故

「熊や!死んだふりせぇー!」
「誰が熊やねん!起きんかい!人間やー!」
毎回同じギャグで会場を沸かせる吉本新喜劇。

特に、パチパチパンチやポコポコヘッドで有名な
島木譲二さんのギャグはテッパンでした。

そんな島木譲二さんもとうとうお亡くなりに・・
寂しいですね・・・

ただ、この
熊に遭遇したら死んだふりをするという対応・・

一体誰がそんなことを言い出したのか?

吉本新喜劇ならもちろんギャグで済みますが
実際に山で熊に遭遇して「死んだふり」などするのは
はっきり言って自殺行為です。

自らがエサになって
「さあ、私を食べて!」
と言っているようなものです。

山でよく言われる事故の1つ
「熊との遭遇」

遭遇を防ぐ方法もちゃんとあり、
また万が一遭遇してしまっても、対応を間違えなければ
熊から逃れる方法もちゃんとあるのです。

この記事では
そんな山での様々な事故対処法について
数回に分けてあなたにシェアします。

山でよくある事故はどんなものがあるのか?

●道迷い・遭難
●怪我
●病気
●虫刺され
●熊との遭遇
●転落・滑落
●悪天候

最もメジャーな山の事故、道迷い・遭難

登山初心者が最も陥りやすい事故の1つ
と言っていいでしょう。

なぜ、初心者が陥りやすいのか?
もちろん山に慣れていない、ルートがわからない
などの理由がありますが

何と言っても
山をナメている人が多い!
というところに一番の理由があるように
思います。

実はベテラン登山家でも
初めて登る山では
ルートがわからなくなることは
よくあります。

しかし、ベテラン登山家は
道に迷うことの怖さを知っているので

たとえ道に迷っても
自分が一体どこを歩いているのかがわかるように
地図を常に見ながら行動したり
GPSを確認することを怠りません。

そのため、道に迷ってしまっても
すぐに本来の登山ルートに復帰することができるのです。

初心者の場合
もちろんしっかり登山の準備をした上で
遭難してしまう人ももちろんいます。
致し方ありません。

ただ・・問題なのは

「登山なんか余裕さっ」
ってな感じで、登山地図もGPSも持たず
あろうことか信じられないくらいの軽装で
登山をしてしまう人もいるのです・・

まあ、そんな人は論外!と言いたいところですが
実はそういう人が後をたたないのです。
快適登山を推奨する私としては
何ともやりきれないのですが
そんな人を1人でも無くすべくこの記事を書きます。

「引き返す」が山の事故防止法

仮にあなたが登山中に
登山ルートを見失ってしまったり
どこを歩いているのかわからなくなってしまった場合
真っ先にやるべきこと

それは「引き返すこと」です。

ん?登山ルートじゃないところを歩いているな!
と少しでも思ったら
とにかくすぐに後ろを振り返り
登山ルートまで引き返さなくてはなりません。

登山ルートというのは
登山家用に整備された道ではありません。

多くの登山家が歩いた結果
たまたまできた細い山道と考えた方が良いでしょう。

そのため、大雨で山が崩れて
道が途切れてしまったり
倒木などで道が隠れてしまうことは
当たり前のようにあります。

引き返すタイミングは
早ければ早いほど良い!

引き返して
ここから変な道に入ってしまったな
というポイントに何らかの目印をつけて
道を探します。

多くの場合
山崩れや倒木で道が隠れてしまっているだけなので
ちょっと探せばすぐに本来の道を発見できます。

仮に本来の道を探すのに手間取るようなことがあっても
ルートに目印さえあれば
すぐにそこまで引き返すことができます。



もし、引き返さず
大丈夫大丈夫と道無き道をどんどん進んでしまうと
どこを歩いているかわからなくなり
遭難となってしまうのです。

万が一、道迷ってしまい
予定の下山時刻をはるかに超えても
まだ下山できる見込みが立たない場合

そしてあたりが暗くなってしまった場合は
ビバーグの決断をするか

もし携帯電話の電波が繋がるようならば
警察に連絡し、指示を仰ぎましょう。

ビバーグとは
非常時の緊急避難的な野宿のことを言います。

暗い中で登山ルートを歩くことは極めて危険です。
なぜなら、滑落の危険があるためです。

よほど高出力のライトがあれば別ですが
手のひらサイズのLEDライトでは
歩行時の指標にするにはあまりにも役不足です。

従って、その日の下山は諦めてビバーグし
翌朝明るくなってから行動を開始しましょう。

ここまで書くと
登山ではザックの中に何が必要かが
よくわかるのではないでしょうか?

ビバーグに対応できる食料やアイテムは
是非ともザックの中に入れておきたいものです。

あとはGPS、そして登山地図を読む技術も
是非とも身につけていただきたいと思うのです。

それらについてはまた
別の記事、もしくはコンテンツで
あなたにシェアします。

しばらくお待ちくださいね♫

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2021.05.25

富士登山でスマートに高山病対策

富士登山でスマートに高山病対策
こんにちは!コピーライター兼登山家の松浦です。
インフルエンザ、ノロウィルス、Oー157そして癌・・・・

あなたの周りにも、もちろん私の周りにも様々な病気は潜んでいます。特に今は真冬!インフルエンザが猛威をふるっていますね。

もちろん、誰もが病気などに絶対にかかりたくないし、可能な限り予防に努めたいと思っているはずです。

そのために帰宅したら手洗い、うがい、適度な睡眠などでしっかりと予防します。
インフルエンザに対しては予防接種という手段もありますよね!あなたは受けましたか?

どんなに身体が丈夫な人でも、毎日身体を鍛えている人でも、やはり病気にはかかってしまうもの。
病気に対してだけは自分の身体を過信せず、気をつけなくちゃいけませんね!

ところで、あなたは高山病を知っていますか?実は、登山をする人だけがかかる病気があって、それが高山病という病気なのです。

ただ、この高山病、病という名がついてるのでウィルスや菌による病気と思われがちですが、そういうものではありません。

高山病の別名を高度障害といい、気圧の変化等で発生する身体への悪影響の総称をいうのです。

頭痛や吐き気、めまい、痙攣などの症状が現れ、重症化すると命に関わります。ただ、ちゃんと予防する方法、手段もあるのです。

今回は、日本の山の中でも最も高山病発生率が高いと言われる富士登山をサンプルにして、高山病、高度障害についてのお話をします。

ちなみに今回の記事は、私の友人が実際に富士登山で高山病にかかってしまったときの様子を文章化したものです。いわばノンフィクションです。

今後あなたが富士登山、もしくはそれ以外の登山に挑戦するとき、この記事を思い出していただければ、あなたの命を救うことにもなるかもしれません。

ぜひお読みください。それではどうぞ!

高山病とは

高山病とは、高地においては気圧が低いことから、血液中の酸素濃度が低くなり、それによって起こってくる体の不調症状です。高度障害とも言います。

富士山頂の標高は3776m。これほど標高が高い場所では、体内の酸素量(動脈の中の酸素の量)は平地の半分になってしまいます。そのため、なにかしらの体調不良なんてあなただけでなく、誰に起こってもおかしくない話です。

だからと言って、怖がることはありません。予防を心がける事で、高山病になる確率を減らしていく努力は出来ますし、症状が出たからといってすぐに登山ができなくなるわけではありません。

また、悪化する前に下山すれば症状は改善しますので、日を改めて再チャレンジすれば良いだけのことです。

高山病の症状

体内に酸素不足が生じると、身体は自動的に換気の回数が多くして適応しようとしますが、これに適応しきれない現象をまとめて高山病と呼んでいます。

まずは脳が一番影響を受けます。
脳細胞は身体の中でも最も大量の酸素を消費する器官であり、低酸素に弱いのです。
具体的には頭痛となって現れます。頭痛は高山病につきものと考えてよいでしょう。

さらに、食欲が無い、吐き気、疲労感・脱力感、めまいやふらつき、睡眠障害、むくみなどが起こってきます。例えば、2500mの標高に急に登った場合、25%の人にこれらの症状が表れるというデータがあります。

しかし、その程度は人によってばらつきがあります。
たとえば風邪を引いている子といっしょに遊んでいても、移る子、移らない子、移ってもすぐ治る子、長引いてしまう子などがいるのと同じような感覚です。
生まれ持った体質が大きく影響すると言えるでしょう。

また、こういうことも大きく影響してきます↓

●何度も富士山や標高の高い山に登って高度順応ができている人とまったくそうでない人
●普段体を動かしている人と、そうでない人
●深い呼吸が出来る人と浅い呼吸だけで生活している人
●睡眠不足の人と、疲れも寝不足も無い状態の人
●食べ物や水を十分に摂れている人と、そうでない人

このように一口に「低酸素」という環境になっても、それによって受ける影響は体のコンディションなどにより違いがでてくるのです。

高山病の予防

高山病の予防をするということは、低酸素に対して体を強くするということです。
低酸素の中でもなるべく体がダメージを受けないようにコンディションを調整していくということです。


|1.体を高度にならす
富士山の登山口(五合目)に到着したら、まず1〜2時間ほど体を高度に慣らします。

ゆっくりとストレッチや深呼吸をして身体をほぐし、体の血流が良くなるようにします。
水分を取ったりランチをしたり軽くウォーキングするなどして時間を使い、ゆっくりと高度に慣らしていきます。

時間にゆとりがあるならば、高山病対策として五合目の山小屋に宿泊することも有効と言われています。


|2.水分をしっかりと補給する
登山中は大量に水分を消費します。脱水状態は血液の循環を悪くさせ、高山病を招きます。

喉が渇いた事を目安に飲むようでは水分不足になる可能性があります。
がぶ飲みせず、こまめに飲むことが重要です。

目安としては、体重1kgあたり1時間に5mlと言われており、体重50kgの人なら1時間に250mlとなります。
登山の出発前にも水分を摂りましょう。


|3.ゆっくりとペースを抑えてのぼる

高山病になりやすい原因の1つはハイペースで登ってしまうことです。
もし体力が有り余っていたとしても、急に高度を上げずに徐々に体を高度に慣らして行くことが大切です。
また体が疲労することそれ自体も、高山病を招き寄せます。
体にムリをさせないように、意識的にペース配分していきましょう。
初心者の人には”ペース配分”といってもピンとこないと思いますので、とにかく”ユックリ”を心がけましょう。
鼻呼吸出来るくらいが理想出来です。グループの場合は一番遅い人を列の2番めに入れ、トップの人がペースを合わせて歩いてあげるとよいでしょう。
また時間がなくなってあわてないよう、ゆとりある登山計画を事前に立てましょう。


|4.深い呼吸を心がける
一口に”呼吸”と言っても「浅い・深い」があります。富士山では深い呼吸を心がけて行っていくことが大切です。

疲れてきて呼吸が浅くなってくると、酸素を多く取り込めず酸素が不足します。
そこで、意識して深い呼吸をするようにします。深い呼吸とは、首や胸の筋肉ではなくて、横隔膜を使った深呼吸です。

具体的には、これ以上は入らないというくらいたくさんの空気をゆっくりと吸います。
2〜3秒息を停めて、今度は口をちいさくすぼめてゆっくりと吐き切ります。

何度か繰り返したら、次に胸を鳩胸のように大きく開きながら、胸や肩周辺の筋肉が伸びているのを感じつつ大きく吸い、次に背中をネコのように丸めながら先ほどと同じくゆっくりと吐き切ります。

背中と首辺りの筋が伸びているのを感じて行って下さい。
特にザックのショルダーベルトの締め付けにより首や肩が凝り固まっていないかどうかも意識して行うと良いでしょう。

このような深呼吸を歩きながら常に行うのではありません。
疲れてくると気づかないうちにハアハアと犬のように息が上がってきてしまいます。

度々立ち止まりながら、景色を見ながらとか、写真を撮るついでとか、休憩の度になど、意識して深呼吸を行い、リセットしていくようなイメージが良いでしょう。



|5.日頃の運動
登山をしてみるとわかると思いますが、登山は町中の坂道や階段を登り続けるよりよっぽど疲れないと思います。
特に駅の階段などは、かなりの段差が継続的に続き、だれでも息切れすると思います。

一方登山はよりゆっくりなスピードで歩きますし、小さな段差や平らな部分で息が整えつつ長時間歩きます。
【あなた】
普段から運動していないし、駅の階段で息切れしてしまう私には富士山なんて登れないだろうな・・・
そんなことは決してありません。登山は、すごい持久力や筋力が無くてもできます。

ただ、トレーニングをして体を作ってから望んだほうがラクなことは間違いないですし、これは高山病の予防に直結します。

例えば、ジョギングなどの長時間にわたる有酸素運動をすることは、心肺機能を改善し最大酸素摂取量を高めることが出来ます。肺を広げてくれる横隔膜も筋肉なので、鍛えていけるのです。

これは低酸素な環境において非常に有効です。
呼吸筋を発達させることは空気の体内への取り込みをよりスムーズにさせます。
心筋の発達は血液の循環を効率的にしてくれます。

このように、心肺機能に対して準備してから登山することは、酸素を上手に取り込んで巡回させる必要がある高山において大きな武器となります。

登山は全身の筋肉を使うので、筋トレなどのように短時間で行う無酸素運動ももちろん効果的です。

・・が、できれば心肺機能改善の意味からもウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳などの有酸素運動をしておくとよいでしょう。


|6.アルコールを控える
テント泊の夜のウィスキーは最高に美味です。しかし、アルコールは呼吸を抑制する作用があり、体内に取り入れられる酸素量がさらに減ってしまうという理由から高山病予防としては避けたほうがよいでしょう。

また、タバコについても血管を収縮させるために酸素の取り込み量を低下させるとの指摘もあります。
控えておいたほうが良さそうです。



|7.高山病を必要以上に気にしない
【あなた】
高山病になってしまったらどうしよう・・・
気持ちはよくわかりますが、なった時はなった時に考えればいいのです。必要以上に気にすると登山も楽しくありませんし、返って高山病になりやすくなってしまいます。

気楽にいきましょう!

高山病の対処方法

登山中に頭痛や吐き気、めまい、息苦しさを感じたら、それ以上は登らず、しばらくはゆっくりと休みましょう。

風を避けた場所を選び、汗が冷えると体を冷やしてしまうので寒さを感じたら、早めにレインウェアで防寒防風します。日差しが強ければ日差しを避けて座ります。

注意点は、横になったり、眠ったりすると悪化することがあるということです。
なぜなら、横たわる姿勢や睡眠状態は両方とも呼吸が浅くなりがちで酸素不足が改善されません。

もちろん睡眠不足ゆえの眠気や疲労ならば、冷えや日焼け対策をした上で横たわって睡眠休憩を取るのもよいでしょう。

ゆっくりと腰を下ろし、水分をとりつつ、深呼吸をしながらストレッチするなどして、身体が酸素をたっぷりと取り込み血流が良くなることをイメージしつつ休みましょう。

もし泊まる予定の山小屋で高山病を感じたら、すぐに布団に入って横になるよりは、荷物を置いたら付近を散策するのがよいでしょう。

酸素ボンベなどを利用すれば、身体が楽になり、一時的に症状が緩和する場合はあります。
登るのも降りるのもしんどいな、と感じたら山小屋で購入し試してみるのも手でしょう。

また、バファリンなどの鎮痛解熱剤(アスピリン、アセトアミノフェンなどの非ステロイド系)を飲んでもOKです。
ただし、鎮”静”鎮痛剤は呼吸抑制作用があるため避けましょう。

症状が改善したら再び登山を開始します。
山頂付近にもなれば、正直なところ、疲労も重なり誰もが元気モリモリというわけではなく、だましだまし登るような側面もあります。

しかし高山病は、下山すれば治る反面、無理すると死に至ることがあることを覚えておきましょう。鎮痛剤で治らない頭痛、嘔吐、運動失調、無気力・眠りがち、無頓着・・・などは危険な症状です。ゆっくり歩き出しても、また休憩しても良くならないようであれば、悪化を避けるために下山しましょう。

高山病に有効との薬について

高山病に有効と言われているものは、いくつかあります。

1つはイチョウの葉エキスで、これに含まれているテルペノイドやフラボノイドが活性酸素を消去する作用、血管を拡張する作用、抗炎症作用があり、これが高山病に効果的と言われています。

アメリカでは、サプリメントとして積極的な接種が勧められているそうです。
ドイツなどではアルツハイマーや抹消血管障害等を改善する医薬品として販売されています。
日本でもサプリメントがいくつも販売されています。

しかし、イチョウの葉にはギンコール酸というアレルゲン物質も含まれています。
ドイツのように医薬品ではない日本のサプリメントにおいては、厳しい基準が無いため、有効成分の量が少ない、有害成分の除去がされていない、ということもあるので注意して購入する必要があります。

同じく血液循環を良くするものとして耳にするのはCMでお馴染みの求心です。
心筋に作用し、心臓機能を高めることことで、脳を含める体内全体への血液の循環を良くすることを目的としています。

他にはダイアモックス(アセタゾラミド)という薬があり、これは脳の呼吸中枢を刺激することで体内に酸素を取りやすくしようとするものです。

海外のトレッキングでは高山病の予防や治療に使ったりしますが、富士登山で使うという話は聞いたことがありません。

これら薬の狙いからも言えることは、富士登山において「深呼吸しましょう」「水分を十分にとりましょう」と口すっぱく言われる理由が分かると思います。

また、酸素ボンベの購入を迷っている人にとっても、これらのメカニズムを知ることは判断材料のひとつになるのではと思います。

その他にも、スポーツする人全般を対象とする、酸素の補給を助けるサプリメント、血液の中で酸素を運ぶ鉄を補うサプリメントなどもたくさん発売されています。

登山の世界ではまだまだ積極的にサプリを活用していこうという流れは少ないように思います。

しかし、健康補助として普段使いしたいと気になっているものをこの機会に試したり、または疲労回復効果のあるゼリーを行動食の一つに加えてみるのも良いと思います。

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2020.02.12

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